周期表。
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おそらくほとんどの人が「見たことはある」と思う。
すぐ「水兵リーベ僕の船……」という呪文を唱え出す人もいるだろう。
あるいは見たくもないという人も要るかもしれない。
先日めでたく7行目(第7周期)までぴったりと名前が決まって今現在非常に収まりがいい。
周期表を一番最初に発明したのはメンデレーエフというロシア人教師というのが通説だが、
その作成年月日ははっきりとわかっている。
「1869年2月17日」
今年はこの年から丁度150周年にあたる。
今日は2月24日なので、150年と1週間ということになる。
カードゲーム状に元素を書いた紙をあれこれ並べて作ったとか、
朝起きるとともにひらめいたメンデレーエフが
手近にあった封筒の裏にバババッと書き付けたとか。
ともあれそれを綺麗に打ち直したものが、
(wikipediaより)
これである。
んっ?と思われるかもしれない。
何せ今我々が使っているものと似ても似つかない。
ただよーく見ていただければ、
右へ90度回した後に裏表を反転させると
どことなく今の周期表に近づくということがわかると思う。
もちろん今とは並べ方が異なっているし、
間違っているところもあるし、
そもそもまだ貴ガス(希ガスというのはもう古いんだそうだ…)が全然ない。
ただ上の周期表で行内の元素順は今でいう「族(縦列)」にかなり近い。
F Cl Br I のハロゲンたちなどぴったりだ。
実はメンデレーエフ以前にも元素を整理しようという動きはあった。
表の中に「?」が出てくることだ。
「今は穴が空いてるけどなんかあるはず」
予想をしてそれが当たるとその理論というのはとても強くなる。
この後改良版の周期表を発表しているが、
やはり空欄のまま「見つかってないけど保留」とした。
その後空いたところの元素は
1875年にGa
1879年にSc
1885年にGe
と埋められていき、メンデレーエフの正しさが証明された。
ちなみに、まだ原子の構造がわかる前の話である。
ラザフォードとかボーアとか出てくるのは1900年以降。
ところで、今の形の周期表を作ったのは誰だろうか?
メンデレーエフの改良版も「短周期型」で族が8までしかなく、お馴染みのものとは違う。
短周期型も結構長いこと使われていて、
ちょっと調べたぐらいでは日本でいつ切り替わったのかはわからなかったが、
今のご年配の方々は短周期に馴染みがあるよう。
短周期型に対してお馴染みのやつは長周期型というが、
考案したのはヴェルナーというスイス人化学者らしい。
わりと最近まで短周期型が主ならば長周期型は爆発的に広まったことになる……
申し訳ないがこの辺の経緯は本当によくわからない。
今後の課題。
何やかんや書いてきたが、
兎にも角にも今年で記念すべき150周年。
国際的にも盛り上がっており、
UNESCOの下にあるIUPACとIUPAP(化学と物理の国際団体)が
「International Year of the Periodic Table of Chemical Elements」
=「IYPT:国際周期表年2019」
として各種イベントを開催している模様。
まずはパリで大々的にオープニングセレモニーが行われた。
日本でのシンポジウムがつい昨日あったのでまたレポート書く(予定だ)が、
愛媛の科学館とタイアップして企画があったっり、
エッセイの募集があったり、
産学連携アピールがあったり、
各種学会で特別枠があったり、
日本学術会議と日本化学会が考えているようなので興味がある方は
下のサイトを見ていただければと思う。
……エッセイだけ異色だよね。
応募できるの大学生までみたいだけど。
今年一年、盛り上がるといいなあ。