国際周期表年2019記念シンポジウムに行ってきた〜その1

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こんばんは。

妙にあったかい日が続いていますね。

もうこのまま春になるんでしょうか。

 

さて。週末のお話ですが、

 

周期表が拓く科学と技術国際周期表年を迎えて

 

これに行ってきました。

人生2度目の学術会議講堂になります。

プログラムをざっと見て、二つ三つ面白そうだなーと思ったものがあったので参加することに。

タダだし。

 

プログラムとしては以下の通り↓(敬称略)

 

1 開会挨拶

2 「一家に1枚周期表」に込めた思い 玉尾皓平

3 革新的材料の開発と元素選択 細野秀雄

4 多様な金属源を用いて昨日貸した多孔性材料 北川進

5 さまざまな周期表 前野悦輝

6 ありふれた元素からなる機能性物質 所裕子

7 アジア初、日本発の新元素「ニホニウム」 森田浩介

8 IUPACでの新元素とその化学記号の決定に関わって 巽和行

9 質疑

10  閉会挨拶

 

多分だけどこれすごいメンツなんでしょうね。

森田先生は理研ニホニウム見つけた人ですからね。

 

今回のシンポジウム、申し込みは300人近くあったらしいんですが、

実際の入場は開始時点で申し込み人数の6割程度とのアナウンス。

なんででしょう。

朝10時からだからでしょうか?

自分の隣に座っていた人が休憩ごとに変わった所を見ると、

結構入れ替わり立ち替わりだったんでしょうか。

 

 

1 開会挨拶

5人の先生方によって行われた開会挨拶。

1人目として今回の記念事業委員会の委員長である酒井健先生が

パリで行われた150周年記念国際イベントの様子を写真とともに解説。

会場の様子や変わった周期表の展示、実験の実演の様子などを見せてくれました。

一見すると白い紙にブラックライトを当てると周期表が浮かび上がったり。

かなりの人だったようで、映像にも多くの人が写り込んでました。

現地の熱気がすごい。

 

 

2 一家に1枚周期表

科学技術週間」というサイトに飛ぶと、

「一家に1枚」というポスターシリーズPDFが手に入ります。

細胞とか鉱物とかたんぱく質とか色々あるのですが、

その中の「周期表」を編集されている先生の講演。

メンデレーエフに始まり人工元素まで、周期表が埋められていく流れの話と、

「一家に1枚周期表」のこだわりポイントの解説でした。

 

最後に見つかった天然元素(Fr)の方が、

人類により最初に合成された元素(Tc)より「後」に見つかってる。

  Tc(初の合成元素)→Fr(最後に見つかった天然元素)→Np(初の超ウラン元素)

という順番。

そして合成元素時代に突入するわけですが、

「元素の発見が自然界から合成へと滑らかに繋がっている」って素晴らしいですよね、と。

確かに。歴史的に断絶してないんですよね。ぬるっと移行してる。美しい。

ちなみにFrが見つかったのが1939年。

天然元素発見完了から今年で80周年です。キリの良さとしては微妙

 

一家に1枚のこだわりポイントとしては、

 ・数字を入れること

 ・漫画っぽくしないこと

があったようです。

数字を入れるというのは、特に左上に描かれたグラフに思い入れがあるらしい。

天然に存在する元素はなにが多いかというグラフ(クラーク数)なのですが、

上位10元素で地殻中のほぼ全てであることを示しています。

一方で天然元素はUrまでと考えると92種類。

 

どれだけ「その他」に押し込められる元素の数が多いのか、

そのごく僅かな元素を人類はいかに利用してきたのかに思いを馳せて欲しいとのこと。

レアメタルという言葉がありますが、

こうしてみるとほぼレア元素ですよねえ。

そしてほとんど中国にあるという……

日本は国として「元素戦略」という考えを打ち出してプロジェクトが動いているようです。

この国資源にはてんで恵まれてない国ですからねえ。

 

ふと人類の闇も見えそうな話題だなあと思いました。

一家に1枚は何度も改定されているので、並べてみると技術の推移も見えそうです。

 

 

3 革新的材料

「新しい材料開発は元素選択が全てを握っている」

最初にこの言葉が最初に提示されましたが、全くその通りの講演でした。

まあめちゃくちゃな組み合わせはできませんがそれでも膨大な数の元素選択がありえますから、

ここを間違えるとなにをやってもダメで時間をドブに捨てることになってしまいます。

決めねばならないのは元素の選択だけでなくその数・構造も大切です。

 元素の機能×構造→機能

これが大切。

 

この先生は超伝導と磁性をテーマにされている方で、

原子の持つ軌道を考えて大面積のアモルファス半導体への応用を考えているそうです。

電子の詰まったヨウ化物イオン(I-)のd軌道なら擬似的なs軌道とみなせるとか……

全部詰まってるからなんとなく丸くなってs軌道っぽいんじゃね?とか……発想がすげえな……

 

 

午前中はここで終了。

司会者の方が「この辺ご飯食べるとこなくて……デニーズぐらいしか……」とおっしゃってましたが

休憩時間が1時間半程度あったので国立新美術館を横切った先へ。

徒歩5分ちょいのとこにあったハンバーガー屋さんでハンバーガーセットをいただきました。

久しぶりにがっつりハンバーガー食べましたが美味しいですねやっぱり。

ポテトが盛りだくさんだった。

 

時間も十分あったのでその辺を適当にぶらぶらして

眠気防止のためのコーヒーを飲みつつ午後の部へ。

 

 

次回へ続く!

多分全3回ぐらい!!