大人の階段

3月に来て欲しくない(涙目 もう新人レポートとか勘弁して欲しいのですが…… さて続きですね。 獣の奏者上橋菜穂子 講談社文庫 エリンの成長物語第二弾。 前作で無邪気にリランと交流していたエリンが 人と獣の間にある絶対的な壁を認識する話。 どれだけ愛情を持って接していても 獣の持つ、敵と認識したものへの容赦のなさや 獲物の動きに対する本能的な反射行動まで抑えることは出来ないことを思い知り、 もう一度手探りで リランとの距離を測り直す。 そして並行して母親や恩師のいう「政治」を理解し始める。 今まで「私は私のやりたいようにやる!」というスタンスで居て 学校という環境と学生という身分、 加えて自身の能力もあったからそれが許されてきたところが 段々とそうもいってられない場合があることを分かり始める。 まあこの少女が主人公たるところは 唯々諾々と従うつもりが無いところでしょうけどね。 なんだかんだ動いちゃう。 やり方は正面突破から駆け引きをすることも覚えますが。 とっさの時に悩むことが無い。 その後を考えて足がすくむことが無い。 母との別れで修羅場くぐっては居ますけど この肝の据わり方はすげーわ。 個人的にはエリンの行く末に加えて 国がどうなっていくのかがすごく気になりますね。 国のあり方をそれぞれに模索し 各人なりの答えを出していく両陣営。 こういう話好きです。 いやまあ正直エリンが獣の怖さを思い知るところ、 自分のけがじゃなくて生徒がけがするパターンかと思ったんですよね。 そうでもなかった。 だからこそ自分さえって余計思うようになったのかなあ。