仮説を打ち倒すのは仮説

評価:

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昨日買ったはずのメロンパンがどっか行った。

もうひとつの、フランスパンモドキはあったのに。

何度鞄の中を探しても見つからない。

ど、どこで落としたんだろう……?

さてものの3時間弱くらいで読み終わった本。

99.9%は仮説 思い込みで判断しないための考え方

竹内薫 光文社新書

竹内薫っていうとメディア露出の多いサイエンスライターのイメージですが、

著作があれだけ出ている割に読んだこと無いなーと思いたち

特に中身も見ずにタイトル買いした一冊。

で……

率直に言ってイマイチな本だった。

まずあの強調して太文字で書かれるの、私嫌いなんだ(苦笑

まあそれぐらいは立ち読みしてから買わなかった私の落ち度なんですが……

全体的に、こいつ言ってることがぐらぐらする。

というより喋る順番これで良いのか。

なんか行ったり来たりするし、微妙に読みにくいんです。

繰り返しが多く、それだけ強調したいんでしょうが、

もう少し書き様は無かったのかいと言いたくなります。

ひとつ突っ込み。

氏曰く、

既にある仮説からはみ出すデータがどれだけ出ても

データそのものの蓄積では意味は無く、

それで枠組みを崩すことは出来ない。

古い仮説を覆すのはあくまで新しい仮説である。

らしい。

うーん、実験化学をやっていた()身としては

「ハイソウデスカ」とは言いにくいところですねえ。

本人も出来ないと言われていた分子が出来ちゃうとか、

行かないと思っていた反応が行くようになるとか、

そんな話は科学史掘り起こせばわんさか有ると思うんだ……。

核分裂反応だって「あり得ない反応」だったんだ。

「発見」って、この人にとって何なのでしょう。

実験が仮説の種でないなら、新しい仮説(新しいアイデア)はどこから出てくるんでしょう。

湧いて出てくるもんなのか?

よく「実験は仮説を立ててから」といいます。

そしてその次にくるのは

「実験結果が仮説に合わないならさっさとその仮説は捨てろ」です。

これってどのスケールでも起こることだと思うんです。

仮説に合わないデータの累積は仮説を消すだけの力が有ると思うんだけどなあ。

データの累積から仮説を打ち立てるところまで行かなければならない!

という話しかと思いきや、

データはこれまでの仮説に当てはめて解釈されるので

新しい仮説を生み出すようには働かない、とのこと。

ここのところは納得いかなかったですね。

仮説の意味が違うのかなあ……。

世の中のほぼ全ては仮定であり、

100%は存在せず、

しかし我々はその仮説に捕われがちだから気をつけないとね、

という考え方そのものには賛成ですが、

イマイチ乗り切れない本でした。

最後話し膨らませ過ぎで思わず苦笑いでしたわ。

以下雑感。

・2006年初版……この時はまだ冥王星は惑星だったのか……

 外されたのは私が高校生の時だったか?

 今の中高生は水金地火木土っ天海なんだよなあ。

 ジェネレーションギャップだな。

・科学とは何たるかという議論はどこでも見るけれど

 反証可能性こそ科学とするならやっぱり数学は科学じゃなくなるよな、うん……

 定義問題だけど、そこはやっぱりそうなんだ……と思ってしまった。

ニュートン的な絶対空間絶対時間は相対性理論によって崩れたけれど

 相対性理論は「光速は一定」(という仮説)から全てを説明した理論な気がするんだが。

・個人的にはバーチャルだっていいじゃないか!というより、

 バーチャルだとして、だから何だって?派です。

 この世がバーチャルだとして、世界が5分前に出来たとして、

 私は桶の中に浮かぶ脳みそだとして。

 んなこと考えたってどうしようにも無いしどうにもならないしどうにも出来ない。

 だからまあ、なんだっていいじゃないか。