物語は廻り廻って

ご無沙汰です。

関東もすっかり梅雨入りしましたが

あまり傘をさして歩いておりません。

空はどんよりしているのに降らない、

かと思ったらどうらや通り雨が何度か来ている模様。

タイミングがいいんだねー。

さて随分と長くかかったSF。

こいつも歴史改変もの、

舞台は19世紀、ヴィクトリア朝大英帝国、ロンドンです。

ディファレンスエンジン 上/下

ウィリアム・ギブスンブルース・スターリング 著

黒丸尚 訳

ハヤカワ文庫

まず文体に慣れることに時間がかかってしまった。

でもって圧倒的に私の側の知識が不足している。

エイダ・バイロンチャールズ・バベッジをこの本で初めて知った。

だから端的に行って、全く読めていない。

そもそも「差分機関」なる物の仕組みが良く分かっていない。

タイトルの意味から汲めてないのだが、

下巻の巻末にある用語集で補完しつつ何とか読み切ったって感じです。

差分機関ないし階差機関(ディファレンスエンジン)はコンピュータの前身……ようは計算機。

そんなものが現実にも試作されていたようだが、

部品の都合やら予算の都合やらで最終的にはポシャった模様。

この本が描くのは、その計算機が完成した世界。

産業革命とともに現れた、蒸気機関で動く計算機たちが作る世界。

で。

だ。

読み終わった直後の感想。

え………ええええええ?!

何読んでたんだっけ、というのが正直なところ。

いつの間にこんな話になってたんだっけ?

最後暑苦しい温度がどっか行ったよ。

蒸気に蒸されてたロンドンから急に0と1の世界になったよ。

それとも急だと感じたのは私だけか。激変。いやいやいやいや。

「眼」とか言い出した辺りから「うん?」って思ってたけども。

というか所々「あれ?」って思うところが有ったけども。

完全にやられたわー。

この話はパズルっぽい。

人物関係が入り乱れて絡まりあっている。

ひとりの娼婦から始まる話がパリの警察まで巻き込んだ騒動にまでなる。

なんか解けるんじゃないかって気分にさせる。

あそことあそこがくっついて繋がってーという具合に。

でもそんな綺麗には行かないんだろうな。

上巻の終わりには伊藤&円城の「解説」もある。

解説する気が全くなさそうな解説だが

読んでてなんだか笑ってしまったのでこれはこれでよし。

この2人がディファレンスエンジンの影響を受けていることは物凄く良く分かりました。

時間置いてからまた読み直そう。

すっごくどうでも良いことだけれど

ディファレンスエンジン」で検索したら東京にある美容院がヒットたんだ……

姉妹店で「キノトロープ」とか「エイダ」もあるみたいなんだ……

ちょっと気になるけど趣味には合わなそうだしそもそも遠いわ………