身につまされる思いです

JUGEMテーマ:自分が読んだ本

 

関東沿岸部、年に一度あるかないかの雪。

すでに雪合戦は余裕でできる程度には積もっております。

明日の朝は路面がつるっつるに凍っていそうです。

 

さて今回は読み進めるのがなかなかにしんどかった本。

主に日頃の自分の行いが悪いせいで。

 

予想どおりに不合理

ダン・アリエリー著

熊谷淳子訳

ハヤカワNF

 

行動経済学の入り口の本。

英題は「PREDICTABLY IRRATIONAL」。

 

経済学。

 

自慢でもなんでもないですが、

経済なんか高校現代社会以来ですわ、という私です。

需要と供給の曲線が交わった点云々ぐらいならなんとか覚えておりますが、

ぶっちゃけそれ以上はよくわからんという感じの背景知識のなさです。

そんな私でも大丈夫か?とやや不安でしたが、

解説書というよりは読み物でしたので何も問題ありませんでした。

経済学を大学でやった人にとっては簡単すぎるだろうなって本です。

 

古典的な経済学では個々人が理性的に損得勘定をし

それに従って自分が得をするように買い物をするし

もし間違ったとしても市場の原理に従って正しい位置に引き戻されると考えます。

 

しかし我々は本当に理性的であろうか?

 

3つあったらなんとなく真ん中を選びたくなる、なんてのはよくあることだろう。

興奮状態にある自分の行動の予想がつくだろうか。

「送料無料!」の謳い文句に欲しくもないものを買ってしまったり?

何かのお礼に1000円分、プレゼントと現金では違うものであるように感じる。

レストランで友達が注文したものと同じものを頼む?

美味しいかどうかがブランド名で左右されるのもありがちな話。

〆切が分かっているのに先延ばしにされるレポートは。

人目を盗んで「ちょっとだけ」ちょろまかすことを考えたことがない人がどれほどいるか。

そもそも「これまでになかった物の値段」はどうやって決まるのか。

 

「予想通り」というのは「うんしってた」というやつで、

ちょっと己の身を省みると分かる通り

我々の行動は全く全然合理的なんかじゃないことが分かります。

心が、心が痛い。

レポートギリギリにならないとやらない質です、はい。

 

この本には我々がどんな不合理な行動をとるのか、

とるとしたらどの程度か、ということを調べた調査手法が描かれています。

この実験が面白い。

なるほどこうやって単純化するのかー!と感心します。

タイトル通り被験者は予想通りに不合理なので

実験結果は大体見えているのですが、

予想はつくもののその程度がどんなもんかとか、

ぼんやり分かっているところをどうやってはっきりさせるのかというのも大事な問題です。

乱文構成からのプライミング効果なんか凄いです。

刷込みや暗示の効果って想像以上に大きいというのがよくわかります。

ステレオタイプってこうやって出来てるのでは。

すごい(語彙力)。

 

我々は自分たちが不合理であることを自覚すれば、

意識的に行動を変えていくこともできるはずだというのが筆者の主張。

かなり無意識下での行動を意識的に変えねばならないので

なかなかに難しそうですが、

まずは自覚せよということでしょう、はい……。

 

 

レポートなんかは宣言するといいらしいです……

がんばろう……