こうして僕らはあらゆるものを失うことができる

 

年の瀬。

 

こんばんは。

12月も残すことろあと半月、みなさま仕事は収まりそうでしょうか。

学生さんはそろそろ休暇ですね。

職場で風邪が流行ってまいりました。

気を引き締めて行きましょう。

 

さて今回はこの本。

 

エピローグ

円城塔

ハヤカワ文庫

 

先に言っておきますが全然わからんかったです。

例によって情報が行ったり来たり飛んだり入れ子になったりしながら混乱している。

その読み心地がたまらねえぜ。

 

「退転」という現象以降、まともなロジックが機能しなくなった多宇宙世界が舞台のSF。

どっかでも読んだぞそんな話、と思うわけですが

今回はOTC(オーバーチューリングクリーチャー)という

宇宙生物というか異次元生物が人類の敵として登場します。

これが人間よりはるかに高度な存在で、

そもそも住んでる宇宙の「解像度」が違うらしく、

人類は撤退に次ぐ撤退、もとい、退転に次ぐ退転を繰り返しており青色吐息状態。

負けが見えてる。

 

そんな中でこの小説は二人の人物視点で交互に進行していきます。

一人はOTCの残渣であるアイテムを拾い集めることを仕事としている朝戸。

相棒にロボット(こいつもまた異次元生物)のアラクネを連れていて、

人類対OTCの最前線に立っています。

もう一人は連続(?)殺人事件の捜査をする刑事クラビト。

それぞれ異なる宇宙での全然違うっぽく見える連続殺人事件を嫌々追いかけています。

最終的に二つの話がまとまって、まとまって、るんだと、思う。多分。

話が進むにつれてメタ成分が増えていきましてね。

クラビトパートの連続殺人事件、最終的には「連続殺人事件」が殺されたりするんでね、ええ。

 

およそ映像化の不可能な情報の塊と混乱。

 

情報技術とかコードとかに触ってた方が絶対わかるんだろうなあ…

数学的な論理学というよりコンピュータエンジニアリングって感じです。

 

物語ること、ストーリーを構築すること、想像すること、存在すること、

小説をかくこと、コピーすること、参照し検索すること

 

この辺りへのこだわりはそこかしこに見られるのは

どうにもやっぱり円城塔ですなあという感じ。

なんか全然わからないんですけど、面白いのだから不思議です。

 

 

対になっている「プロローグ」という本もあるので、

頑張ってそっちも読んでみようと思います。