祝第30回! イグノーベル賞発表&表彰式

 4連休ですね。お天気が斜めですがのんびりしていきましょう。

 

 さあて今年もやってまいりましたイグノーベル賞。日本ではなかなか人気のある賞です。日本人が常連ですからね。ちなみに昨年まで13回連続受賞をしています。

 

www.improbable.com

 

 本家ノーベル賞に否定の「イグ」をつけ、さらに品のないことを意味する「イグノーブル」にひっかけた「IgNobel」賞。ノーベル賞のように枠が決まっているわけではなく、選ばれた研究に対して〇〇賞と後から名付けるシステムです。また1つの賞につき研究者3人という縛りもないので大勢が選ばれます。

 選考基準は「楽しく、そして考えさせる研究」であること。

 それでは今年の結果発表ー↓

 

 音響学賞:ワニにヘリウムガスを吸わせても声が高くなる
 心理学賞:眉毛の形でナルシストを見分ける研究
 平和賞 :いやがらせにピンポンダッシュをしあったインドとパキスタンの外交官
 物理学賞:ミミズを高周波で振動させるとさざなみが立つ
 経済学賞:いろんな国の所得格差とキスの頻度の関係性について
 経営学賞:第5次下請まで回したら報酬安くなりすぎて決行されなかった殺人依頼
 昆虫学賞:昆虫学者はクモが嫌い
 医学賞 :他人の咀嚼音を大きなストレスに感じる「咀嚼音嫌悪症」に診断をつけた
 医学教育学賞:政治家が医者や科学者より人々の生死に影響を与えることを、
        新型コロナを利用して周知した
 物質科学賞:凍った人の大便で作ったナイフはいまいち切れない

 

 ということで今年は10個の賞となりました。皮肉成分多めですね。最初の音響学賞には日本人の先生が参加しているので、日本人の受賞は14年連続になりましたおめでとう!


 このヘリウムガスを吸わせる実験はいろんな動物に対して行われているようで、今回受賞された京大の先生は霊長類の研究者。昔サルでヘリウム実験したことがあるそうな。そのときの解析の経験を買われてワニの実験にも協力したんだそう。
 例えば管楽器と弦楽器と打楽器を鳴らした時、ヘリウムガスで音が変わるのって管楽器型だけなんですよね。声も管楽器と同じでヘリウム多めのガスを吸うと声が高くなりますが、ではワニの声はどのような仕組みで鳴っているのか?というのが分かるのが今回の実験。ワニの声も1オクターブ高くなったので、人と同じように喉を共鳴させていることがわかりました。

 

 が。

 

 ぜひニュース内の動画を再生して、ヘリウム吸わされたワニの声を聞いてみて欲しい。

www3.nhk.or.jp

 

 

 …………高く……なった…………?

 

 わからない!!私の耳にはどう頑張ってもヘリウム吸った方が低く聞こえる!!!
 でも先生が解析されてそうならそうなんでしょう!!!!
 聞いた方はご意見お聞かせください!!!!


 ……上に書いたように猿は実験されていて、鳥も先行研究があると聞きました。で今回は爬虫類代表ワニ。ワニと鳥が同じ仕組みでなっているようなので、ひょっとしたら恐竜も同じ仕組みかもしれませんね!とのこと。

 

 

 平和賞/経営学賞/医学教育学賞が今回は皮肉で、平和賞と経営学賞はずっこけるような話ですが医学教育学はちょっと重たい感じがします。なお受賞者は世界各国の政治家たち。

 ミミズを高周波で振動させるのはまるで意味というか動機が不明だったのですが、もともと水の波紋について研究されている方のようで、庭にいるミミズを見て「こいつで試してみよう」と思い立ったのが理由とか。
 ………あーちょっとプルプルしてるし波立そう?かな?
 インタビュアー曰く、インタビューへの答えの中に「What if」が沢山出てきたそうです。純粋なる好奇心こええ。

 今年の下ネタ枠が物質科学賞ですが、どうやらイヌイットの言い伝えに昔はこうやって切ってたという伝承があるらしく、その検証だそうです。……何食べたかにもよりそう……ですね……………。

 

 

 新型コロナの影響でリモート開催だった今回は例の少女もおらず、受賞金の10兆ジンバブエドル(旧)も偽札でした。旧ジンバブエドルな上に偽札とかほんとに価値がなくなってしまった。それでも映像を繋いでオペラをやっていましたし、今年も楽しい発表会でした。

 

 本家本元のノーベル賞は10月の第2週目月曜から発表です。こっちもリモート開催なのかなあ。こちらも楽しみです。

 

 

乱読のセレンディピティ ー 乱読は「おもしろい」!

 台風10号、大きな台風でしたね。被害が小さいといいのですが。

 

 さてあんまこういう自己啓発的な本読まないんですが、よく本屋に平積みしてあるので気になってはいた本を図書館で借りました。 

 乱読のセレンディピティ 思いがけないことを発見するための読書術
 外山滋比古
 扶桑社

 

 作者の人は最近亡くなった英文学者の方。1923年生まれで戦争が終わった時に大学生というからまさに激動の時代に生きた人です。略歴曰く「知の巨匠」らしい。そうなのですか……申し訳ないが文学の世界は全くわかんないのだ……

 でこの本はそんな巨匠の書いた読書術の本。タイトル通りに乱読を勧める本。一方で「〜〜〜ということがあって私は『〇〇』という本を書いた」っていうパターンが何度か出てくるので、論というよりは作者のエッセイっぽい雰囲気を感じます。
 初っ端に「本は買え」って書いてあって笑ってしまいました。すみません図書館で。

 

 文学の先生なので興味が「人文学のセレンディピティとはなにか、どうしたら生まれるのか」というところにあり、そのための方法として乱読を取りあげます。精読ではなく乱読。

 分からないならやめてよし。難解なものを-ただ翻訳が悪いだけかもしれない-有難がって最後まで読もうとするべからず。そもそも分かったつもりの本でも自己流の解釈をしているものだから。
 ジャンルに囚われるな。失敗を恐れるな。
 途中でやめても、部分的に何かが残っていて、それが化学反応を起こすのだ。新しい思考が生まれる。ここに人文学のセレンディピティが起こる。
 軽い気持ちで取り組めるのもいい。人はリラックスしている時に「おもしろく」感じるものだ。

 

 このような感じのことが書いてありました。またセレンディピティを得るための、乱読以外の方法(例:散歩はいいぞー)も紹介されていました。

 途中ではなんかちょいちょい、読書家とか勉強家の反感を買いそうな文章もあって、要は「知識詰め込んだって考えられるようにならんわよ、むしろ頭回らないよ、思考できないよ。知的メタボだ」などとおっしゃるわけです。

 こういう方の水準でいう知的メタボ状態って一般人がたどり着ける領域なんかな……

 なんかこう、レベル違う気がしません? アメリカ人のいう××は体に悪い(日本人は体調が悪くなるほど食べられない)みたいな感じがしません?? そうそうならないから私ら程度は安心して読めよ、って受け取るのは自分に甘いでしょうかね。
 あるいはこう、「いいもん仕事じゃないしアウトプットとかいらないもん趣味趣味」とへそ曲げてみたくなります。
 いや私自身は読書家ってほど読んじゃいないの分かってますけど……(拗

 

 本を読むものは、なぜ読むのか、何を読むべきか、いったい、おもしろい本というのはどういう本かなど、これまで考えられることの少なかった問題がいくつもある。
 心ある読者が求められている。つまり、自己責任を持って本を読む人である。
 自分で価値判断のできる人。
 知的自由人。

 

 第二章は「悪書が良書を駆逐する?」というタイトルなのですが、その章末にこんな文章が書かれています。この章の中で「おもしろい本が悪書、ためになる本が良書」とあり、悪書の台頭は活字文化の危機とまで言いますが、本全体を通じてどう考えても著者は「おもしろい本」が好きです。

 

 おもしろい本とはどういう本か。

 

 自分で考えてみると、ワクワクすると分かっている本は、相変わらず宇宙論だったり、数学のパラドックスネタだったりとサイエンスに偏っています。三つ子の魂百までという感じでして、これ多分小中学生の時から変わってません。
 一方で普段馴染みのないジャンルで「おもしろいなあ」と感じたものだと大学のSFがそうで、今では定番化してしまっていますが、フィクションにハマったのってここのジャンルぐらいなんだよなあという。ディストピアものが結構好きなので、シミュレーションに惹かれがちなのだと思います。
 逆に未だにいわゆる文学ってダメなんだなあ……物語読めない………あとエッセイもどう受け止めていいか分からん時多い………

 

 上に書いたのはジャンルの話ですが、同一ジャンルでもおもしろい本とつまらない本はあるはず。

 さらにいえば、もっとメタ的な視点でジャンルを跨いだ、「おもしろさ」のようなものがあるはず。

 

 こんなことは作家や出版社の人が寝ても覚めても考えていることでしょう。自分が答えを出せるようなものでもないですが、おもしろい本とは何か、何を読むべきなのか、なんてことについて懸命に考えている人がいるんだなあというのは発見でした。

 そもそも「乱読のセレンディピティ」自体が私にとって乱読本だなあ。

 なるほどこういう感じか。

 やっぱり図書館はがんばって使おう。

 

 

スパイのためのハンドブック − ジェームズ・ボンドに憧れるあなたへのスパイ入門書

  長い梅雨が終わったと思ったら毎日毎日あっつい八月でしたね。そして、もう九月です。なんてこったい。

 

 

 今回読んだ本は……まあちょっと異色といいますか……
 1982年初版、現在23刷のこいつ。

  スパイのためのハンドブック
 ウォルフガング・ロッツ著
 朝河伸英訳
 ハヤカワNF文庫

 

 ハヤカワノンフィクションにはこれまで散々お世話になってきましたが、いつも科学系の本ばっかりでこういう手記のようなものを買うことって無かったんですよね。それでも今回手に取ったのは、カバー折り返しのところにある著者プロフィールに惹かれたからです。

 

1921年、ドイツに生まれる。ナチス台頭のため、パレスチナに移住する。16歳で騎馬警官隊に入隊した後、イギリス軍に編入第2次大戦後は、イスラエルの建国と同時にイスラエル軍に入隊し、秘密諜報部(モサド)所属のトップ・エージェントとして活躍した。 

 

 ………ガチの人ですやん…………………!!!

 

 プロフィールからわかるようにユダヤ人で、エジプトでの諜報活動を行ったエージェント。生まれがドイツなのでドイツ語ペラペラで、世を忍ぶ仮の姿は「金払いがよく派手な人付き合いをするドイツ人元将校・現馬の調教師」。
 最終的にはエジプトで捕まるのですが、「うまいこと」やって死刑を免れるどころか数年で5千人のエジプト人捕虜と引き換えに出所したと本の中で語られています。嘘だろこいつ。

 

 前置きが長くなりましたがこの本は、そんなガチの元スパイが書いた、スパイになるための手引書です。


 ページを開くとまず、「スパイ適性検査」があります。質問に答え、点数を集計してからその講評を読む。曰く、スパイに向いている者は……

 25歳〜35歳、当然もっともらしい嘘をつく能力が必要だが、大嘘つきは必ずしも良くない。冒険家タイプは好ましく、金銭が目的でも構わないが、普通情報部は金払いが悪いので期待してはならない。国のためをうたう「理想主義者」は最悪。

 云々。自分もやってみたのですが、見事に「凡人」でした……「慣習のために相当身動きが取れなくなっている」そうです。はい。思い当たることしかないですね。こんなでも情報部でも使い道はあるそうですよ。どんな使われ方するの(震

 

 適性検査を終えたら次の課題は、いかにして情報部と接触するか。それを超えたらスパイの研修について、ニセ身分の作り方、尾行の巻き方、金の使い方……と軽妙な語り口で紹介していきます。自分の体験と具体例・ケーススタディが多めなので想像しながらもどんどんと読み進めていけます。色々とスケールが大きくて真っ黒くろな世界なので、楽しい(笑

 情報収集といえばいわゆる「ハニートラップ」についての忠告も多いのかなと思ったのですが、なんとこの著者、本国や上司に黙って勝手に結婚した経歴を持つため(もちろん自分がスパイだって当時彼女に話した)、「俺が言えることはないんだわ」みたいなことをぶっちゃけます。

 また「もし収監されたら」という項目では、「入るとしたらどの国の刑務所がいいかって?やっぱりエジプトだな。あそこ汚職まみれだからぬるいぬるい(嘲笑」ということまで言います。

 むっちゃくちゃだな!!

 イギリス仕込みかその皮肉。こんなこと堂々と書かれちゃったエジプト司法当局は腹ワタ煮え繰り返っただろうなあ。英雄的スパイになろうと思ったらこの豪胆さが必要なのか……嫁については著者は真似するなって言ってるけど……

 

 諜報機関はその特性ゆえに存在丸ごと隠そうとする傾向があり、イスラエルモサドも例外ではなく、当然本の出版については大揉めに揉めたみたいです。
 ロッツの一冊目「シャンペン・スパイ」を出す際の大騒動についても記載されているのですが、まあ幾らか盛っているだろうとしても、組織人として厄介な人だなあというか敵に回したくないなというか……


 スパイになるためにはこの「どんな手を使ってでも目的を果たす」という気質と、それをこなすだけの技術が必要なのだなと痛感しました。豆腐メンタルの私には無理そうです。

 

 

 次はぜひ「シャンペン・スパイ」を読みたいですね。この人の人生、気になる。

 

現代暗号入門 ー 暗号化技術と突破技術の組んず解れつ殴り合い

 梅雨明けてからこっちの暑さがひっどいの。

 

  さて前回ブロックチェーンの応用と展望を語る本を読みましたが、やっぱりその技術の中身のが気になるなーってことで手に取った本。先にオチを言うなら、ブロックチェーンの内容についてはさほど触れられていなかったのですが。

 ICカード、クレジット決済、wi-fi、そしてブロックチェーンにも使われている、現代通信の基礎の基礎、暗号技術についての解説本です。

 

 現代暗号入門 いかにして秘密は守られるのか

 神永正博

 ブルーバックス

 

 インターネットの海を漂っていると、たまに「DES」とか「RSA」とか「SSL」といった文字列に出会うことがあるかと思います。なんとなく文脈からセキュリティ関連のなんかなんだろうなーと予想はつくわけですが、大抵の場合スルーすると思われます。私はしました。

 この本ではカエサル時代の暗号とその解読法に始まり、現代暗号の分類とその弱点、実際に使われている暗号の仕組みについて噛み砕いて説明をしています。

 排他的論理和に始まり、乱数らしいビット列の作り方LFSRと状態遷移RC4、転字と換字のSPネットワーク、フェイステル構造、素数の探し方。

 もちろん「ここ裏にあるべき知識がなくて分からんな」というような箇所が出てくるのですが、そういうものとして読み飛ばしてもさほどストレスはありません。MODってフワッとしか知らん!まあいいか。楕円曲線全然知らん!でもなんか凄そう!!!ってな具合です。ある程度のところで理解を諦める、これ読書のコツ。ちょっと悔しいけれど。

 

 他方で無線の発達以降特に、通信は基本的に盗聴されるものになりました。当然暗号化の歴史と同じ長さだけ、暗号解読の歴史もあり、通信は何度も窮地に立たされてきました。

 

 単換え式暗号は頻度分析され

 ストリーム暗号はごくわずかなゼロイチの偏りを探られ

 ブロック暗号は差分解読法や線形解読法を使うことによって

 ときにうっかり鍵を使い回したスキを突かれて。

 

 攻撃側で面白いのは、数学的正攻法ではなくもっと力技で、例えばICチップの消費電力を検出するとか、意図的に誤作動を起こして正常信号との差を見るといった物理的手段による突破法があることでしょうか。

 暗号系の本をめくっていてこの手の話が出てくることはかなりレアです。でも考えてみれば情報は何かしらの物理的な形態なので、目の前にあるICチップから「読みだす」のだって立派な攻略法。思わず「なるほどなーそうだよなーーー!!」と言いたくなりました。

 カバーのプロフィール欄によると著者は日立で技術者として働いていたことがあるようで、かなり工学的と言うか、こういう攻撃方法にも備えなければならないのが現実世界の生々しさですね。きっと回路の配線がもっと太かった時代なんかは、解読されやすかったんだろうな。

 

 

 そういえば最近あっちこっちのアドレスの頭が急に「http」から「https」に変わったな、よく分からんけどhttpsのサイトの方が安全らしい。
(完全に蛇足ですけど言うほど最近でもなかった。2014年だって。5年以上前ですってよ!)

 

 通信についてその程度の理解しかなかった自分ですが、httpsのsってSSLのSらしいということはわかりました。サーバーのなりすまし防止技術のようですね。ハンドシェイク・プロトコルってよく考えましたねえ。

 IC乗車券も、あの一瞬で何してんだと思ってましたが、ピピっという音が鳴る間にサーバーとの通信とチャレンジレスポンスによる認証が行われていて、これを支えているのは共通鍵暗号のシステムらしいです。

 何かと話題のマイナンバーカードは公開鍵暗号RSA電子署名を使ったチャレンジレスポンスで、多重のパスワードに加えてICチップ内の秘密鍵が偽造カードでないことを保証しています。私だけの秘密鍵……ちょっと欲しいですね………(←カード持ってない

 

 

 この仕組み考えた人とんでもなく頭いいな。こんなことしてたんだ。

 破る方もよく考えるな。いやすげーわ。

 

 本を読んでいる間、ずっとそんなことを思いっぱなしでした。

「頭脳で勝負する野蛮人のゲーム」、お楽しみあれ。

 

ヘッダー変えた

 世間の新型コロナ対策は相変わらずPCR盲信って感じですなあ。いうてただの検査だというのになあ。

 

             f:id:yamagishi_tea:20200728212832p:plain       

 さてずっとデフォルトのままだった当ブログ、今更ながらヘッダーを変えてみました。ざくっと自作したのであっちこっちがガタついてますがなんか六角形っぽくはなったのではなかろうか。ハニカム

 どちらかというとタイトルフォントが気に入ってないのでちょっと直したい気持ちもありつつ一旦こいつを置いておきます。

 

 とりあえず、変え方と表示のサイズ感がわかったのでまた元気が出たらバージョンアップするかもしれません。背景はあんまりいじらない方がいいのかな。CSSはまるで分からないので、背景に必要な繰り返しをどうしていいやらさっぱり分からないんですよね。調べれば「これコピペしてー」みたいなの出てきそうではありますが、一旦保留で。

 

 ちょっとイメチェンした当ブログでした。

 

BLOCKCHAIN REVOLUTION  ー ブロックチェーンのうたう理念

  梅雨明けないですねぇ。

 

 

 本来だったらオリンピック開幕だったはずの4連休、皆様いかが過ごされましたか。自分は大人しく引きこもっておりました。雨も降ったり止んだりでめちゃくちゃな天気でしたし。

 それで、連休使って金の箔押しが目立つこんな本を読んでいた訳です。 

 ブロックチェーン・レボリューション
 --ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
 ドン・ダブスコット アレックス・ダブスコット著
 高橋璃子
 ダイヤモンド社

 

 まーたブロックチェーンかよ、という感じですがどうもこの本は「とりあえずこれ読んでおけ」という立ち位置の本であるようでしたので今回頑張って通読しました。

 発売が2016年(原書も2016年出版)なのでやや古いのですが、サブタイトル通りブロックチェーンを使ってどんな未来が可能になるかということを描いた本なので、技術のお話よりは古びていないとは思います。一方で「2016年現在スタートアップとして立ち上がった企業やプロジェクト」がたくさん出てくるのですが、こういう具体的な名前は一体全体何割残っているのか……まあ参考程度ですね。

 

 ブロックチェーンは「安全で・改竄不可能で・効率よく・プライバシーも守りつつ・透明性が高い・信頼できる」情報共有法なのだ、ということは繰り返し主張されますが、この本にとって技術的な中身は脇道です。

 本書は「この特性を持つツールによって何が実現可能か」、もっといえば「〇〇のような社会が理想だが、それはブロックチェーンを使えばできるのだ」という、理想の社会について描いた本、ブロックチェーンの実現する理念について書き留めた本です。

 

 そんなものなので、まあ中身がね。キラキラしてるんですよね。

 アンチ政府・アンチ大企業・アンチ仲介業者であり、
 親生産者・親個人・親起業家・親コミュニティ

 基本的な立ち位置がここで、また想定されてる個人というのが理性的で合理的で真っ当な個人なんですよ。妙なこと考えるのは少数派で、そういう人は損するように設計されてるから、と。いやあ実にアメリカだなあ!!

 ブロックチェーンの第一応用先であるビットコインも政府をすっ飛ばす通貨なのでリバタリアンたちとも相性が良い、というのは驚くことではないのですが、改めてこうやって書いてて思うのです。

 

 個人を、コミュニティを、信用しすぎなんじゃないか、と。

 

 謳われている理念そのものは立派なもので、広がる格差を何とかしましょうとか、働く個人にお金が届きやすくしようとか、大企業が好き勝手している個人情報を取り戻しましょうとか、あらゆる文書改竄を不可能にしましょうとか、それによって選挙の正当性を保ちましょうとか。そうですね、そうできたらいいですね、と相槌を打つのに大きな抵抗はないんです。

 でも、その実現のために「強固な個人が必要なのです」と言われた瞬間、むずかしいんじゃないかなあああと思わざるを得ないんです。大抵の個人、責任負いたくないでしょう?「分からないから決めてくれ」なんてありふれ過ぎた言葉じゃないですか。そもそも自分についての何から何までコントロールするだけの暇もないでしょう。

 結局誰かに大部分を任せることになるし、そこが情報を集めることになるんじゃないかなと、どうしても思ってしまうのです。

 

 インターネットとwebの登場によって広がった自由により、かつて是正されるかに見えた格差は、しかし期待されたようにはならず、むしろ富めるものがより富む結果となってしまった。しかし、ブロックチェーンならば!!

 

 そういうことを、夢見ているのはわかります。「しかしブロックチェーンならば」が実現すればそれはすごいことだと。どうにかwebの二の舞にならないように、うまく発展していってくれるといいなあと思います。

 

 

 ちなみに読み終わるまでにとても時間かかりました。1ヶ月ぐらいかかった。ハードカバーってのもあるんですが、正直こういうビジネスの話ってどうも好きになれない……うん……完全に私の側の問題です。ブロックチェーンの社会面についてわかりたかったんです。ちょっと分かったからよしとしましょう。

 

飛び込んで埼玉! 熊谷で雪くま

 九州……ふるさと納税しよう……

 

 突発的埼玉旅行も最終盤。行田で蓮を見て、お昼に熊谷に帰ってきました。

yamagishi-tea..com

 

 そのまま帰っても良かったのですが、ちょうどお昼だったこともあって何か食べていくことに。

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 意外と体力消耗してて美味しいご飯屋さんを探す余裕がなかったので、駅にあったうどん屋さん。「熊谷うどん」だそうな。昨日の夜もうどんだったような?

 ……暑いとね。麺類が食べたくなるのですよ。

 

 中はカウンターのみの小さなうどん屋さん。席をいくつか潰して営業されていました。どこも大変ですね。

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 きのことトロロ、かつお節。冷たいおうどんです。コシの強いうどんで濃い目のお汁でした。汗をかいた体にいい!美味しかった。満足満足。

 

 体の火照りもお腹の減りも落ち着いたので、それではデザートでも……

 というか白状するとこいつのために戻ってきたのでして………

 

 駅からもう一度歩くこと多分5分くらい。

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 何やらおしゃれなアーチの向こう、地元のお店という感じの小山食堂さん。

 

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 雪くまだーーーー!!!

 

 熊谷名物(にしようとしている)らしいかき氷。

 雪くまって何、白くまなら知ってるけど。そんな興味も手伝ってこの期に食べてみることにしました。熊谷で降りてしまいましたが、もう一つ北の上熊谷近辺にお店が多いみたいですね。行列ができる名店もあるよう。

 雪くまの条件は「熊谷の水をふわふわに削り、各店舗オリジナルのシロップをかけて作ったかき氷」とか。シロップがオリジナルなので、つまり逆に何でもありということです。抹茶とか、コーヒーなどとしているところもあります。

 

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 こちらではブルーベリーをいただきます。ちょうど旬の梅シロップも「できました」と書いてあって非常にそそられたのですが、迷った末にこちらに。

 

 大変、大変美味しゅうございました。

 べたべたに甘くなくて箸……スプーンがサクサクと進みます。しゃりしゃりじゃりじゃりのかき氷も祭りっぽくていいけれど、こちらは確かにふわふわな食感で軽い。頭にキーンときません。

 これはとても良いものをいただいた気分。ごちそうさまでした。

 

 

 幸せな気持ちとともに、帰路へ。

 

 JRに揺られて夕方、うちへと無事戻ってまいりました。ただいま我が家。

 

 

 以上にて今回の埼玉旅は終了です。後追いでいろいろ調べながら記事書いてると、「あそこも行っとけばよかったかなー」なんて思うことも結構あり、突発的な旅行であったことを痛感します。「飛び込んで埼玉!」なんてひねりも何もないシリーズ名つけてしまいましたが、ほんと飛び込んだ旅行でありました。行けてよかった。

 

 関東の旅行、次は栃木県が日光かなと思ってます。行きたいと思ってるのにいけてないのですよねーーずっとねーーーー。GoToキャンペーンは果たして実施されるのでしょうか。この記事書いてる合間にも東京の数値が悪くなってるように見えるので、こうなるとなかなか踏ん切りがつかなさそうです。

 早く心置きなく旅行ができるようになりますよう。