火山と湖と美味いもの:道南旅行3日目は火山の日

沖縄の台風ひどそう

 

yamagishi-tea.hatenablog.com

↑前回

さて道南旅行記3日目に突入。
この日は洞爺湖〜登別です。室蘭と地球岬にも寄りたかったのですがちょっと時間がなかった……。

 

洞爺湖湖畔

朝食をいただいたら朝の洞爺湖湖畔を歩きます。
遊覧船に乗ったり白鳥ボート(動力付き)に乗ったりしてもいいのですが、朝早くから動かずのんびりスタートだったためあまり時間もなく。
……後からまたくる予定があるので、今回はパス。

カルデラーーー!って感じですね。湖の真ん中には4つ島があります。
向こう側には蝦夷富士とも呼ばれる羊蹄山も見える……のですが、旅の間はずっと雲かかってました。山頂は見えてもチラ見えぐらいで、なかなか山体全て現れず。

それにしても、エンジン付きの白鳥ボートって初めて見た気がするのですが、意外と湖の定番アクティビティだったりするんです?

 

湖畔の遊歩道沿いには足湯もあります。いくつかあるようなのですが、多分この子がいるところが一番有名。洞龍の泉です。名前の響きとは似つかぬかわいい竜がいます。

遠目に見ると「待合ターミナルかなんか?」と思いますが実は遊覧船そのものな城型遊覧船です。なんというか、でっかいです。ちょっと乗りたい。何人ぐらい乗れるのでしょうね。

 

時間を見つつ温泉街の端まで歩きます。

北海道旅行をしているとちょくちょく見かけるわかさいも本舗さん。お菓子屋さんなのですが、てっきり若狭芋なる薩摩芋系統の芋を使ったお菓子かと思いきやそうではないという罠。豆らしいですよ。

すでに結構暑かったのでわかさいもクッキーが刺さったソフトクリームを購入。洞爺湖を見ながらいただきました。
クッキーよりソフトクリームが甘く、クッキーはどちらかというと塩気担当。ウエハース的立ち位置です。旅先で食べるソフトクリームは至高。美味しゅうございました。

 

● 火山科学館

良い時間に食べ終わったのでわかさいも本舗からすぐのところにある火山科学館へやってきました。洞爺湖といえば有珠山有珠山といえば活火山。

さほど広くない科学館ですが、有珠山に特化した展示でなかなか良かったです。シアターで見られる前兆の観測とその発表の様子は結構緊張感がありました。

なお大体30年に一回噴火している山で、前回が2000年です。そろそろ次がきますかね?
これまで噴火の際には必ず地震や地形の変化などの前兆を伴っていたため、「有珠山は嘘をつかない」などと言われているそうですが、次も必ず前兆があるとは限らないところが自然の怖さです。
もちろん、この活火山のおかげで洞爺湖には温泉が湧いております。明治の噴火後に湧き始めたらしいです。最近じゃん。

 

この火山博物館のすぐ真裏、山側には「金毘羅火口災害遺構」「金毘羅火口群」があります。
災害遺構は2000年の噴火に伴った泥流の被害にあった建物たちです。

遺構のみならず火口が見えるところまで歩いていけるようなのですが、バスの時間を考えてやや遠くから眺めるだけに。
この建物を見てふと振り返るとすぐそこに湖が見えるので、本当に温泉街の側まで泥流が来たんだなあというのがわかります。街の中心部が飲まれなかったのは運が良かったとしかいえないです。いやほんとよかった。
それにしても……建物は緑に帰ろうとしているように見えますね……自然強いね……

 

□ 昼食のスープカレー

洞爺湖温泉を離れる前に、お昼ご飯を食べてしまいましょう、ということで温泉街の方へ戻ります。

洞爺湖は基本的にリゾート地なので、名物!というものがあるわけではないのですが、有名な洋食屋さんがあります。が、お店の前に行くとすでにライダーたちのバイクがずらりと並んでいたのでパス。

でもなんか北海道らしいもの食べたいなーと思い、ググった結果スープカレー屋さんを見つけたので行ってみることに。

スープカレーってあんまり食べたことなかったのですが、サクッとした素揚げ野菜と骨つきのチキンがどどんと入っていてかなりおいしかったです。ボリュームもたっぷりで、最後の方は苦しいぐらいでした。
有名店なのかお盆効果なのか、自分が入った時には人がいなかった(本当に一人目だった)のですが、少し経つとカウンターまで満席でした。

お腹いっぱいで幸せです。ごちそうさまでした。

 

さてここから洞爺駅まで戻るのですが、途中にあるもう一つの火山スポットへ立ち寄ります。ともあれパスターミナルへ移動。
バスセンターで飲み物のの補充と、必要なバスチケットを購入できたので買ってしまうことに。
窓口で切符買えると小銭の心配をしなくて良くなるのが良いですね。

 

● 西山遊歩道

はい。

洞爺湖温泉バスターミナルから洞爺駅方面へバスですぐのところにある西山山麓火口へやってきました。
ここも先程の金比羅火口群と同じく2000年の噴火で開いた火口です。付近の道路は隆起して寸断されたり、逆に国道だった部分が湿地帯になったりしていて、人工物のか弱さを感じます。

散策路入り口にあったお宅のお婆さんとたまたまお話ししたところによると、下り坂だったはずの目の前の道路が50m隆起したそうです。こっわ。

実際に歩くと確かに上り坂で、というか、結構きつめの上り坂で、ほんとにこれ下りだったのかちょっと信じられないぐらいです。

非常にわかりやすい地溝が見られる昔の町道。これを登った先に火口があります。向こう側でマグマが上がってきて、手前へ地面がぐいっと押された格好ですね。

 

青々と生い茂った草のせいで写真がわかりにくいのですが、目の前が窪んでます。で窪みの向こうに突き出している水道管らしきパイプが見えます。こっちとあっちに別れた……ということですかね。

それにしても、先ほども書きましたけど自然の回復力強いです。赤茶けた山肌の見えた「ザ・火口」を想像してきたんですが、すっかり草木が育って何が何やら正直よくわからんことになってます。視界が悪い。
まあ20年経っていれば草も育つか。これ草が枯れてる季節の方が見やすいかもしれません。冬は入れないかもしれないけど、秋頃。
なおここら辺、こうなる前は豆畑だったらしいです。農家の人は辛かったろうな。

向こう岸に見える切れ落ちた崖にそれっぽさを感じます。

こういうところこそARの出番な気がします。景色に重ねて「ここに噴火口があります」みたいな矢印を出して欲しい。

 

第二展望台は展望台としてもなかなかに眺めがいいです。

この散策路は通り抜け型をしていてループしていないので、車かつ複数人できている人は誰かに車を回して貰えば通り抜けてから回収してもらうことができますが、私はバスなのでここらへんまでで折り返します。
往復するのは結構距離的に大変かも。坂道ばかりだし。

 

散策路の入り口にあった東屋で休みつつ、バスに乗り込んで今度こそ洞爺駅へ。
さようなら洞爺湖。またすぐ会えるよ。

□ 移動

洞爺駅着後、まだ買ってなかった特急券を最終日分まで購入し、電車発車まで時間があったため駅周辺をぶらぶら。

洞爺駅からすぐ近くに海岸があります。

駅前にあったカフェでアイスコーヒーと夜ご飯用の弁当をテイクアウト。とかやってたら時間ギリギリになってしまって「のんびり」という名前のお店で店員さんを急がせてしまいました。申し訳ない。

洞爺駅は定刻通りに出発です。

東室蘭を通り過ぎ、登別までひた走る。
地球岬行きたかったんですけどねー。アクセスが悪く、時間が合わないのでパスです。
「やきとり」も食べてみたかった。室蘭で一泊してもよかったかもなーなんて思います。かなり小刻みにはなりますが。

登別駅に到着です。

洞爺湖同様駅と温泉街が離れていてバスで温泉街へ向かうパターン。なので駅前も同じような雰囲気かと思ったら、こと駅前に限っては洞爺湖の方が綺麗にしてました。
これは街の中心地が駅からちょっと離れてるパターンか?

温泉までのバス往復券が売られていたので購入。切符に期限はないようなので、何泊しても駅と往復するならこれを買った方がちょっとお得な仕様になってました。

くまーがお出迎えしてくれます。もうでかい。ヒグマでかい。

バスに揺られて登別温泉街へ。
バスターミナルでくま牧場の割引入場券が売られていたので尋ねてみると、当日券のみとのことでした。この日はもうぼちぼち夕方なので、明日の開店時間を尋ねてまた来ることに。

お宿へ向かいましょう。んで荷物を置きましょう。

 

登別温泉と地獄谷 

洞爺湖温泉がリゾートな雰囲気だったのに対し、こちらは「山の中の温泉街」という感じです。個人的にはこういうのとても好き。ごちゃっとした感じがよい。
あちこちの宿に「日帰り入浴」の旗が立っています。湯巡りしたくなりますねえ。硫黄の香りが温泉欲をそそります。

そして何やらお祭りの気配が漂っています。どうやらお盆のお祭りのようです。
うーん人混み。祭りの雰囲気とても好きなのでつい出店に靡きそうなりますが、ここは我慢ですねえ。飲食は一番ダメです。

地獄谷だけに、閻魔様。なんでも地獄の釜の蓋が開く日、要は地獄の休日に閻魔様たちが登別温泉にやってくるそう。休暇は正月とお盆の年2回だそうです。地獄も厳しいな。
この閻魔像はからくり仕掛けで時間になると動くらしい。
案内板を読んでいると、山車になっていて温泉街を練り歩くとあります。温泉街の道さほど広くないのですが、ほんとに……?

 

温泉広場の中にある間欠泉。そういや長万部で吹いた温泉、どうなったんっすかね。

 

そのまま歩いてやってきました地獄谷。温泉街の真裏にあります。なんならすぐ隣にホテル立ってます。
日和山という山が噴火した後にできた直径450mの火口跡です。
450mと言われてもピンとは来なかったのですが、ガイドブック読んで想像していたより、広くて大きい……!!ここが火口……!!!!

 

青い空と山の緑、そこへ赤茶けた地獄谷の色味のコントラストがすごい。硫黄が噴いているのもたまらないですね。結構な迫力があります。
遊歩道も整備されているので、歩いてみましょう。

明らかに熱湯が沸いてて湯気がもくもく立っているところと、少なくとも見た目は熱くなさそうに流れている川があり、不思議な感じがします。地表を流れると冷めるってことなのでしょうか?

 

遊歩道をまっすぐ行くと突き当たるのが鉄泉池。これも間欠泉らしいのですが、高く吹くようなものではないそうで、すぐ近くまで行くことができます。
なお自分が訪れた時にはご覧の通り、泡一つ立たない静かな水たまりと化していました。 温泉成分のコロイドかなんかでちょっと青みがかって見えます。
周期などはどこにも書いていなかったのですが、どれくらいのスパンでぼこぼこいうんでしょうね?

今旅中、最初で最後の鹿エンカウント。

どんどん歩いていくと、大湯沼や奥湯沼の方へ続いていくルートが分岐します。
折角だしちょっと行ってみるか……と思ったが最後、結構坂を登るハメになり、若干後悔しつつも辿り着いたのが大湯沼展望台。

ひっろ。
え、これ温泉なんです?伝わりますかこのスケール感。これはちょっと、すごいところですね。地獄谷でもかなり異郷感がありましたけどここはさらに秘境というか……いや全然綺麗に遊歩道整備されてるんですがこう……山に抱かれた湯沼……

もっと近くまで歩いていくこともできたのですが、いい加減空が「日が暮れるでー」という雰囲気になってきたので引き返しました。有名な足湯もあるので、ぜひ再訪したらチャレンジしたいです。

 

 

汗もかいたので、一旦宿へ戻り、ひとっ風呂入りました。
お宿のお風呂は、湯船がたくさんあって色々な種類のお風呂に入れるタイプの賑やかなお風呂でした。楽しいけど全部入りたくなって忙しい気持ちにもなる。

湯上がりに浴衣で外を歩きながら、セコマまで歩いて夜ご飯を追加。
温泉宿だけど素泊まりなの。

 

歩きながら写真撮ったけどほとんどがピンボケしてました。写真下手くそすぎる。
その中でもマシな一枚↓

追加したセコマ飯はソフトカツゲンとホットシェフのポテト。それに洞爺湖のカフェで買ったタコライス

 


そんなこんなで盛りだくさんだった3日目終了。

明日は……登別、といえば、です。