火山と湖と美味いもの:北海道旅行4日目はクマーーとアイヌ

曇れば涼しいが晴れれば残暑な最近の関東です。

 

この旅日記、長くなりがち。

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さて道南旅行4日目は朝風呂のちセコマ飯からスタート。
ホットシェフ定番のちょっと大きいおにぎり。温かいのが嬉しい。

セコマおにぎり、ちょっと変わった具があっていつも手を出せずにいるんですが、並んでるってことは美味しいのかな……?

 

ホテルをチェックアウト後、一旦バスターミナルまで戻り、クマ牧場の割引チケットを購入。チケットというか引換券なので、券売所で引き換える必要があります。つまり並ばなくて良くなるわけじゃないのが難点ですね。
このバスターミナル、他にもいろんな割引券や各種ガイドツアーも取り扱っているようで、登別満喫したいなら立ち寄るといいんじゃないでしょうか。

 

● 登別クマ牧場

の・ぼ・り・べ・つ!
といえば?

ク・マ・ぼ・く・じょう!!!!
\クマボクジョウ!!!/

こちらも温泉街からすぐ、上に見えているのがクマ牧場行きのロープウェイ乗り場です。クマ牧場は山の上にありますが、そこにいくためのロープウェイ乗り場へたどり着くために、徒歩の民はまず階段を頑張って登りましょう。

道中にあるヒグマ豆知識が疲労を癒してくれます。多分。

ゴンドラはこういうタイプ。1グループ1ゴンドラで案内されます。つまり独り占めです。
みるみる遠くなっていく登別温泉街を眺めていると山頂に到着。特にゲートなどなく、降りればそこがクマ牧場です。
なおこのとき気温は20度。半袖だと寒いですね。

 

クマ牧場の熊たちはオス/メス/子熊に分かれているのですが、まず出迎えてくれるのが子熊です。

はいかわいい。小さいのはなんだってかわいいのです。今年2022年に生まれた子達だそう。

上がオス、下がメスのヒグマたちです。やはりオスの方がゴツい。

クマの餌なるクッキーを投げてあげることができるのですが、それ待ちのクマたち。手をあげて「こっちー」ってやります。失われた野生。
折角来たので自分もあげましたが、ノーコンすぎてお目当ての子にあげることができなかった……。でも朝一なので、結構反応良かったです。これ午後には飽きるんちゃう?
あと、カラスがクマクッキーを狙っていました。なんなら投げられて飛んでいっている途中のクッキーを掻っ攫う奴までいました。

 

オス舎にある「人間の檻」。洞窟の先にあるガラス張りのトンネルです。餌やりマシーンがついていて、クッキーを入れてピストンを押し込むとクッキーがクマのところへ届く仕組み。一匹のクマがずっとここで張ってました。

 

クマ牧場の中には展望台とヒグマ博物館もあります。

クッタラ湖。こいつもカルデラ湖です。「イタドリの群生する湖」という意味のアイヌ語が名前の元だとか。

ヒグマの骨格。これだけ後世に残った場合、あの姿を再現図として描けるだろうか……と色んな動物の骨格見るたびに思います。耳とか尻尾とか、腹回りの大きさとか。

アイヌ民族、ヒグマを狩っていたらしい。昨今のヒグマ被害を聞くと、よくもまあ弓矢で仕留めたものだと思いますが……いやはや。
こうやって儀式のためにクマの首を掲げる道具があったりするわけですが、こういうの多文化共生の文脈ではどうするべきなんですかね。

 

博物館の最後の方にある、このクマ牧場の歴代ボスクマ紹介が面白いので皆読んでほしい。この文章書いた人、好き。
ヒグマって本来群れないんですが、こうやって飼ってるとやっぱり身分や秩序ができるもんなんですね。

 

あとなぜかクマ牧場内にユーカラの里というアイヌの村の復元施設があります。
北海道観光成分………?

子熊を入れておく檻とかあったようです。子熊生捕りって可能なんですね。母熊の方は先に狩るんでしょうか? ゴールデンカムイは完全に未履修なのですが、アイヌ民族タフだな……

 

帰ろうと思ったところでクマのショーが始まったので見ましたが、後ろの方からだったので写真は無し。クマが置かれた餌を求めて木の段を登ったり降りたり、平均台を渡ったりと器用なものでした。

 

といったところでクマ牧場終了。

ちなみにクマだけでなく、アヒルやリスもいます。

 

□ 昼食にご当地バーガーのち移動

来たとき同様ロープウェイで登別温泉街へ。丁度お昼時だったので、ぱぱっと食べられそうな店で簡単にお昼にすることにしました。

手作りハンバーガーのお店、イレンカさんです。
白老和牛バーガー、登別豚チャーシューバーガー、蝦夷鹿肉バーガーという3つのご当地食材を使ったバーガーから選べます。登別にいるので登別豚のチャーシューにしました。

ごろっとしたチャーシューが入ってます。
こういうちょっとお高い系のバーガーはちゃんと美味しいのよ。

 

昼ごはんを食べながら午後の行動作戦会議です。

登別から5駅先の白老(しらおい)という駅に近年新装開店した旧アイヌ民族博物館、現民族共生象徴空間、通称ウポポイがありそこへ行こうと思っていたのですが、コロナのせいで前日までの予約が必要であるような表記があります。
ここへ来て調査の足りてなさが露呈。
しかしQ&Aまでよく読むとどうやらあくまで「予約優先」で当日券もあるようだったので、まあダメ元でと入場直前まで予約可能だった博物館内見学だけスマホで予約し、白老に行ってみることに。

 

たかだか5駅なので普通列車。2両編成の可愛いワンマンです。

電車で雨雲の中を抜けつつ、20分程度で白老に到着します。

ウポポイ方面へショートカットして出られる出口ができてました。力入ってますね。白老駅からウポポイまでは駅からちょっと歩きます。

 

 

● ウポポイ

エントランスではなんともいえぬタレ目のゆるキャラが出迎えてくれます。モチーフが……わからん……

まだ当日券があるかどうかドキドキしながら券売機に行ったら普通に入場券が買えました。よかったよかった。

ウポポイには野外にある施設と博物館の両方があるのですが、まずは予約枠が時間で決まっている博物館から見ることに。

館内は写真OK, 動画NGです。

こういう民族衣装や生活/狩の道具が展示されていたり、
アイヌ語での短いメロディーのついた英雄譚語りビデオが流れていたり、
アイヌの宗教/自然観解説があったり、
アイヌの歴史解説パネル&ビデオがあったり。

儀式用の道具があったり。
「お、大和とおんなじような漆器なんだ」って思うじゃん?輸入品らしいです。

アイヌの宗教、「神が動物に変身して食糧として我々に狩られに来てくれる。狩って儀式をすると神はまた神の世界に帰る。その時の捧げ物は神のもとに何倍にもなって届く」という感覚で、
現代和人からすると「えらく狩猟民族にとって都合が良くない?動物を狩ることに対して良心が咎めないように出来てない?」と思わんでもないのですが、まあ都合の良くない宗教は定着しませんからね……

 

和人との間で揉めに揉めた毒矢。基本的には直接射るのではなく罠猟で、藪の中に張ってある糸を何かが引っ掛けると矢が飛ぶ仕組み。筒がついているのは雨よけで、鏃の毒が流れないようにするためとか。ヒグマもこいつで狩っていたらしい。毒はトリカブトが主。
案の定というか、明治政府がこれを「人が引っ掛かったらあっぶねーだろ」と禁止したのですが、そんなことされたら狩ができないと反発があり、嘆願書が書かれたりしました。やはり禁止されてもすぐには無くならなかったようです。
元々一応人に当たらないようにあれこれ工夫され、また人も山へ入るときにはこの毒矢を警戒しながら歩くものではあったそうなのですが、まあ、いつかは禁止されたでしょう。現代になっても山に毒矢が仕掛けられてる状態、なかなか想像し難いし。

 

少し前まで製鉄の本を読んでいたせいでアイヌ民族の製鉄法がちょっと気になったのですが、解説を見つけられなかったのが残念です。どんな炉で作ってたのかなあ。
和人のたたら製鉄みたいなの、あったのかしら。

 

いまこうして書いていてよくわかってないなーと思うのは、アイヌの人々が形成していた街のサイズですね。広さと人口がそれぞれどれくらいの規模の街だったんかな。で、街と街の間はどのくらいの距離だったのでしょう。「コタン」という「村/集落」を意味する言葉があるのはわかったのですが、規模がよくわかっていません。
北海道がなまじ広いんでちょっと感覚が狂いやすいせいもある。ピンと来にくいんです。和人への蜂起が各地でほぼ同時に起こっているので、情報が走る速度はそれなりにあったように思うんですが。

 

じっくりみて回ると結構疲れるぐらい、盛り沢山な博物館でした。

館内を見終わったら外も歩いてみましょう。体験コーナーと見学コーナーがあるのですが、体験コーナーは時間がないので見学コーナーだけにします。

 

アイヌが利用したりしなかったりした、アイヌ語の名前がついた植物の植物園コーナー。

 

この辺りの展示のノリはあれです。高山の「飛騨の里」みたいな。昔の道具とその作り方実演です。大きな敷物を編んででいらっしゃいました。一枚作るのに一ヶ月かかるそう。繊維が重なって中空素材のようになっており、出来立ての敷物は確かにふかふか。

 

この辺りで見学終了。

帰り道で丁度探していたサイズのキーホルダーを発見したので購入しました。使っているキーホルダーがぼろぼろになっていたので、これはいいお土産ができました。やったね。

下車した時はショートカットして出てしまったので、駅の表も見てみたのですが、駅舎も綺麗だしバスロータリーまでまるっと整備されていました。
ウポポイ開業に合わせて改装したんですかね。開業にコロナが直撃したと思うので、なかなか大変かと思いますが……

 

特急すずらんに乗って一路札幌へ。ずっと車窓に見えていた海ともお別れです。

 

夕刻、無事到着。急に都会だわ。

連泊する宿に荷物を置き、夜ご飯へ向かいます。

 

□ 札幌での夜ご飯

宿であれこれ悩んだのですが、結局疲れていたのでゆるゆると駅へと戻ってきました。何も考えず駅ビルのご飯が安定です。

流石に人も多いだけあって待ちましたが、とにかく待てばいいのでね。彷徨う方がしんどいです。

十勝豚丼いっぴんさんで豚丼。ミニ……だったかな……(うろ
炭火の香りで増幅した食欲に甘辛ダレは外さない。約束された美味さです。

ごちそうさまでした。

 

この日はこの後ホテルのコインランドリーで洗濯をして(石鹸買っていったら不要なタイプだった)お風呂に入って終了。

 

明日は……お気楽な1日です。天気が下りなのが気になるけど、持ってくれよー