ぐるぐるゆったり日光詣:4日目最後は再び日光市街でうろうろ

 あっつくなってきましたね。

 

 日光旅3日目、中禅寺湖後半戦はこちら↓ 

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 そして長らくかかった日光旅レポも4日目最終日です。

 当初予定していたのは霧降高原とか大笹牧場へ行くつもりだったのですが、また寒さに凍えることになるだろなーという感触がものすごくしたので結局日光の市街で散歩することにしました。

 

 お天気もまずまず良い天気。バスに乗って「西参道」まで行き、そこから歩いて少し。

 

>>> 金谷ホテル歴史館

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 日光を牛耳る金谷ホテルが始まったところ。記念館ですね。ご多分にもれず横にホテルベーカリーがあり記念館の入口はそちらにあります。

 創業当初のカトラリーやタイプライターなどが飾られている展示室を抜けた後、当時のお宿を見学することができます。文明開花直後で外国人向きの宿がなかった時期にサービスを開始した宿。当時の名前は「金谷カテッジイン」。
 創業者の金谷氏がここを宿にする明治以前、江戸時代には奉行所の役人が住んでいた武家屋敷だった建物で、故に作りは完全に日本の家屋。やや珍しい二階建てです。
 内部は武家屋敷だったことの名残りか、さらに建て増しもされている影響かちょっと複雑な構造になっていました。歩いてるうちにどちらから来たのか一瞬分からなくなるような感じ。元々の玄関付近はわざと天井低めに作ってありましたし。

 宿泊者として一番有名なのがイギリスの女旅行家イザベラ・バードです。「日本奥地紀行」という手記に当時の宿が登場するらしい。読んだことないねんなイザベラバード。読んでみようかな。

 

 めちゃくちゃ広いわけではないけどきちんとしたお庭。

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 このお宿は結局開業から20年で移転します。その移転先が現在の神橋側にある金谷ホテルです。金谷ホテルはその時から西洋式のホテルだったと言いますから、時代の流れが速かったのですね。

 

 庭を堪能したら続いての場所へ。

 

>>> 日光真光教会

 金谷ホテルからすぐのところにあるのが大正時代に建てられた教会、日光真光教会です。建物全体に静かな雰囲気があり、完全に観光地化しきってない感じがしました。

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 この↑写真に写っている部分だけの小さな教会です。ゴシック様式というやつでしょうか。質感といい色合いといい、石積みの外壁がぐっときます。

 

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 教会といえばステンドグラス、ですがこれは絵柄が随分慎ましいですね。かわいい。

 教会の中がなんとなく薄暗いのってステンドグラスを引き立たせる効果があると思うんですよねー。もちろん教会というのは昔っからある建築なんで室内は暗いものというのが前提ですが、うまく演出してるよねって感じがします。私の勝手な受け取りです。

 

 ちょっと戻る形になりますが、先程の歴史館入場券が割引券になるということで御用邸へ。

 

>>> 日光田母沢御用邸記念公演

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 元紀州徳川家江戸中屋敷です。明治になって皇室に献上され、一時赤坂離宮となりましたがその後仮皇居・東宮御所としての時期を経て解体。建物の主要部分だけここへ移築し、さらに新しく増築、という経緯を持つ建物です。
 建築の世界って気軽に「移築」って言葉が出てくるけどどうやるのか全然知らないん……

 

 大正天皇東宮時代にご静養のためにご利用するとなった際に造営され、以降昭和22年まで皇室の方々がご利用になった由緒正しき御用邸
 いまでは普段は公園となっていますが綺麗に手入れされおり、なんとつい2年前の今上天皇即位の際にも三種の神器の受け渡しの儀式に使われたというのだから皇室ゆかりの建物として現役です。
 中にも所々に警備兼解説の方?がいらっしゃるのですが、制服がビシッとしててな…

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 MIYABI!!

 あのですねーーーこの建物ですねーーーやっぱり格が高くてですねーーー装飾がいちいち凝ってて綺麗なんですよねーーー!!!

 建物って気品を纏えるんだな!という驚きです。いや今まで旅先で色々と寺社仏閣やら歴史的建築やら見てきましたけど、こういう方向性はなかなかないですね……

 

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 ゴテゴテはしていない、しかし襖の取手一つとってもこう、という。おしゃれ。 

 あと、さすがに広いですね。天皇家の方々が生活するとなればお付きの人々もそれなりに必要なのでしょう。

 そこかしこに「〇〇の間」という解説案内板が立っているので読みながら回っていると結構な時間がかかります。

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 奥は大正天皇の謁見所。
 ザ・和風建築!と思う部分もあれば内装でかなり洋風に仕上げられている部屋もあり、良い具合に和洋折衷でモダンな雰囲気がします。明治から大正期に作られるとこういう和洋折衷な建築になるんですねえ。

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 一面白梅の壁、でも照明はシャンデリア、床は絨毯。このハイブリット、すごいですよね。部屋やエリアの格によるところもあるのだと思いますが、床は絨毯だったり板の間だったり畳だったり色々です。

 

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 お2階。ここが剣璽の間。平成から令和になる際に三種の神器のうち剣と勾玉の受け渡しが行われた場所です。思ったより簡素な部屋。なお鏡は神宮でお留守番です。
 なんかこうもっと如何にも儀式をする部屋らしい重みのある部屋を想像してました。意外や意外、窓辺の明るいお部屋です。このまま行われたのでしょうか?しかしさすがにこれだけ時代が近いとなんだか恐れ多いですね……(だが写真は撮る)。

 

 室内をたっぷり見学したのちはお庭も見せていただきます。

 ケロケロと声がしたので丁度いらっしゃった係の方に「蛙が鳴いていますね」と話しかけてみたところモリアオガエルが居るとのこと。木の上に泡で包まれた卵を産む蛙だそうです。そんなカエルいるんだ。
 数が減っている種だそうなので、このお庭はそういう意味でも大事にしたいですね。

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 室内からもよく見えるめっちゃくちゃ立派な枝垂れ桜の木があるんですがこの時期は流石に全部葉っぱです。

 

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 皇室の方々はひとりずつ「お印」と言われる名前の代わりの紋章みたいなものを持っているのですが、丁度愛子さまのお印になっているゴヨウツツジの花が綺麗に咲いていました。白いツツジです。
 普段ツツジって街路樹ぐらいでしか見かけないですがこんな木に成長するんですね。かなり大きい。

 

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 明るい木漏れ日の中に、暗い時代を思い出させる防空壕。お庭の中に何箇所かあります。昭和天皇は最後まで東京にいらっしゃいましたが、当時の皇太子である現在の上皇様はここへ疎開されていたらしい。

 

 ふらっと立ち寄っただけでしたが想像以上に楽しめました。整えられた煌びやかさというか、格調高いけれど確かに家なのだ、という感触のある建築でした。良いですよね。

 

 

 さてお昼ご飯に駅方向へ戻るかーとバスを待っていたら、時間になるはずなのに来ない。来ないというか、

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 ……渋滞やばい。えっいつの間にこんなに人が?びったびたに混んでるよ?動かないよ?なんで今朝までこうじゃなかったじゃん?さすがGWだ。新コロどこいった。

 

 うん、歩いたほうが速く着くな。

 

 ということでバスに乗る気満々だったのですが諦めて急遽歩くことに。前日までは全然GWを感じていなかったのですがここへ来てGW観光地の洗礼を浴びることになろうとは。最終日だぞ。
 ちょっと駅まで距離があるのでどこからか空くと良いなーという願いを込めつつ、渋滞の具合を見ながら駅へ向かいます。
 結果的に、神橋近辺までは混んでましたがそこを抜ければまあまあ流れていたので東照宮へくるお客さんで混んでたんでしょうね。神橋までは酷かった。タイミングよくバスも来たので乗車。

 

 

>>> 最後の昼食

 この日のお昼ご飯は駅前で最後の日光湯波。

 やはりどこのレストランも人が多く、どうしようかと思いながらうろうろしていたところ突如ざっと雨に降られたのでええいと転がり込んだ駅前の「らんぶる」さんで丼。

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 どんっ。

 そういや一般的には「湯葉」なのに日光のお店はみんな「湯波」なのでなんでだろうなーと思ってググってみたところ、日光の湯波は湯葉とは製法が異なるとか。二重になるように掬い上げられていて、歯応えがあるのが特徴らしいです。

 午前中歩き回って疲れた体にしっかりとした味の湯波丼、卵ふわふわで実に美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

 

>>> 日光旅、締めのカフェ

 電車の時間が迫る中、最後にもう一件行きたいと思っていたカフェへ。

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 駅のすぐお隣にある「明治の館」のカフェ。ここチーズケーキが美味しいとのことでしたので食後のデザートとして食べに来ました。1階はテイクアウト兼注文お会計、2階がカフェの席です。
 たまたま丁度満席ぐらいで、窓際の席を案内されたのでそちらで一息。吹き抜けで開放感あって良いですねー。これぞおしゃれカフェという感じです。

 

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 チーズケーキ紅茶セット。
 久しぶりにチーズケーキ食べた気がします。うん、美味しい!口当たりの良いチーズケーキでした。甘いものは正義ですねえ。

 

 

 そして、これにて帰宅時間となりました。

 夜ご飯用の駅弁を買い、改札へ。

 

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 帰り道の天気もよく、行きでは大雨で見られなかった車窓の風景を楽しみながら帰ることができました。さようなら日光。

 

 

 いやあ良かったですね日光来れて。またくる時は夏に来ような。

 

 

 日光旅記録、長らくかかりましたがこれにて終了です。お疲れ様でした。