知られざる鉄の科学 - 鉄の科学ついてざっくりと見渡す本

梅雨が明けたと思ったらまた梅雨のような天気ですが、こちらもそろそろ明けそうですね。いよいよ本格的な夏が来る……!!

 

さて鉄の本2冊目。

前回の、面白かったんですがやはりややマニアックなところがあり、一回立ち止まって基本的なところを抑えようと購入しました。

知られざる鉄の科学
人類とともに時代を創った鉄のすべてを解き明かす
齋藤勝裕
SBクリエイティブ

 

「鉄」というワードで科学よりの角度見た時、どういう切り口があるのかなーというのを洗うためと、製鉄の流れを雑に知るというのが目的だったのですが、まあまあいい感じに外枠掴めた感触があるのでそういう意味では良かったです。
製鉄のみに限らず、広く化学的な話と歴史の話も少し、といった内容で、入口としてはいい感じの温度感でした。

 

古代の製鉄にいきなり当たるのではなくて、一応現代の最適解を知っておいてから掘り返していくのがわかりやすいと思うんですよ。
現代製鉄は高炉と転炉に分かれてるだけでも大分何をしているのかの見通しがいい。例えば鋼を得ようと思ったら何をしなきゃいけないのかということがわかった上で、炉の発展史を見た方がどうしたいのかがわかるってもんです。
高炉って10年連続操業なんっすね……知らなかった……製鉄ってスケール大きい……

 

またぼんやりとしか知らなかった日本刀の構造についても、前回の本とこれで「あーそういうことしてたの」と納得感がありました。
おそらく私が用語に慣れてきてこの手の解説を読めるようになったということが大きいのですが、「なんか色々やって出来るんだなー」という程度からは進めています。
日本刀業界、秘伝のノウハウがおそらくあって研究しにくそうだな、とも。玉鋼って完全に全量を日本美術刀保存協会なるところが生産管理してるんですね。

 

ただどうもちょっと「その記述あってる?」「言いたいことわかるけどそう書いていいの?」と思うところがあり、どこかに引用するならなんかもう一冊くらい、そのトピックで詳し目の本をあたった方がいいんでないかなあ。
現にp.46の「山形大学」って間違っているようですし……大学名は話の本質部ではないにせよ、うーん大丈夫かなーという不安が拭いきれません。

 

カラー写真綺麗だし図はわかりやすいし、トピックが多いので飽きにくいし、ここから掘っていくなら悪くないのかなと思う一冊。