初詣@寒川神社

 冬になったりあったかくなったりを繰り返している最近ですがお元気ですか。

 

 今年の正月はさすがに避けた自社仏閣。どこかの土日で行けばいいかーと思っていたらなんともう1月も終わりだそうなので、行ってきました初詣。

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 相模国の一宮。寒川神社ですね。
 初詣ではないですが、去年も正月休み期間中に此処きました。毎年恒例にしようかな。正月を除けばもう何回か来ています。駅からのアクセスがまあまあ良くて行きやすいんです。

 神奈川の神社というとやはり鎌倉の鶴岡八幡宮が有名で、小町通も歩いていて楽しいのですが、その分混んでそうなので……サクッと初詣だけするならこっちです。

 

 

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 と思ったんですがまあ。
 こっちも思いのほか混んでましたね。
 あれですか。1月最終日だからですか。みんな考えることは一緒ですか。

 この本堂前広場に入る門の上の飾り、去年とは変わっているので毎年作っているんでしょうね。「疫病退散」がやはり今年らしいです。ちなみに去年はこう↓

 

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 「祝天皇陛下御即位」です。

 

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 参拝するにも並んでます。とはいえどんどん進んでいくのでそこまで待たず。
 今年も大きな病気事故トラブルなく過ごせますようにお祈りしておきました。

 

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 そういやもうすぐ節分だなというのをこれ見て思い出しました。買おうかどうか迷いましたが升の扱いに困るな……と思ってやめてしまいました。

 お守りを買って、おみくじ。中吉でした。まずまず。

 

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 さて撤退するかなーと思ったら何やらいい匂いがしてきたので誘われるがままに行ってみると。

 

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 屋 台 出 し て ん の か い !!

 

 こういう事態だからないかと思ってましたがふつーに出てますね。
 このときちょうどお昼で、とてもお腹が空いていたので、耐え切れず……

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 こうなりました。(一個食べた)

 どうなんだ、どうなんだこれ、と思いつつソースの匂いに抗えなかったのです。

 

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 さらに初めてのりんご飴を勢いで買ってしまいました。スモールサイズ。
 懐かしい感じの飴の味でした。黄金糖の味。

 

 さてこのまま帰宅してもよかったのですが、寒川神社からすぐのところに有名な洋菓子屋さんがあることをついこの間知ったので寄ってみることに。

 

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 ラメールというお店です。店構えが大変にメルヘン。甘い砂糖とバターの香りが漂ってきていました。
 人が並んで待ってますね。そんなに有名だったのか……知らなかったです……。店内に入れるのは一度に4組まで、という制限があったので、そのせいかもしれませんが、それほど広い店内でもないのでやっぱり列にはなりそうです。どんどん人来ますし。
 ケーキと焼き菓子を数点購入しました。本日のカロリーが大変なことになりますがせっかく来たのでケーキもいただきましょう。
 コロナ前は喫茶もやっていたのですが今はテイクアウトのみです。

 

 というところで今度こそ帰宅。

 心に引っかかっていた初詣に行けてよかったです。

 天気が良く、気温も暖かく、とても良いお散歩になりました。

 

 

 

明けましておめでとうございます

 箱根駅伝みんな見に行ってんじゃん !!!!!!

 

 新年明けましておめでとうございます。

 コロナ、コロナ、コロナそしてコロナだった2020年ですがぶり返したり寛解したりしつつ2021年もぼちぼちやっていきましょう。

 

 個人的にははやぶさ2くんがミッションを完璧にやり遂げたことが一番良いニュースだったと思います。昼のカプセルリリースは用事があって見られなかったのですが、ちょっとだけ寝てから12時間後の深夜着弾は起きて見守ってした。
 火球、美しかったです。
 初代が満身創痍だった一方で今回の2号機はエンジン一基未使用状態というこの上ない状態で、リュウグウサンプルもグラム単位で入っていて、これ以上はない結果を出してくれました。その状態の良さのためアディショナルミッションが決まり、次は「1998KY26」という小惑星へ向かうことが決まっています。スイングバイしながら行くのでちょっと先の話ですが。次は帰ってこないので、これでさようなら、というわけですね。
 深夜帯とはいえNHKでも中継切り替わって生放送をしてましたし、初代が成し遂げたおかげで今回注目度が高かったですね。そんな中で満点以上の結果。これから分析も楽しみです。
 

 

 当ブログですが、とりあえず去年はなんとか月一は更新したのですがまあギリギリで……今年は旅行に行けなかったのが更新頻度低下の大きな理由なのですが、この一年をかけてだいたい何が良くて何がダメなのかよく分かったと思うので、長期ぼっち旅再開しようかなーと思ってます。

 今年もこんな感じですがよろしくお願いします。

 

ペンローズのねじれた四次元 ー ペンローズの描く宇宙を覗き見る

  自主規制なんて土台無理だったんですよ、というとことがわかりつつある昨今、みなさまいかがお過ごしですか?

 

 さて今回読んだのはまたもやブルーバックスから。 

 ペンローズのねじれた四次元 時空はいかにして生まれたのか 増補新版
 竹内薫 著
 講談社ブルーバックス

 

 今年のノーベル物理学賞受賞者の一人、ロジャー・ペンローズ。その受賞功績は「特異点定理」というブラックホール理論についての研究に対するものでした。
 このペンローズという人がまあ天才の中の天才で、数学でも物理でも多大な功績を残した人です。対称性のないタイル模様で敷き詰められた床、無限に登れる階段、実現し得ない三角形の枠………多分一度は見たことのある図形かと思います。

 

 そんなペンローズが主に宇宙物理=量子力学の分野でどんなことを言ったのか、というのをできるだけ日本語で書いたのがこの本です。ペンローズの業績についての本で、その為人について書いた伝記系ではありません。

 立方体がローレンツ収縮を起こすと外から見たら回転したように背面が見える、

 一方で球の見え方は変わらない、

 ブラックホールの記述方式としてペンローズ図を発明した、

 一般相対性理論から必然的にブラックホールの存在が導かれる、

 実在論に基づいた波動関数波束の収縮問題への取り組み、

 時空を量子的重ね合わせとして記述する方法、

 スピンネットワークとその発展形のツイスター構造の提案…… 


 改めてこうやって並べると、ペンローズが大方カタがついていると思われていた相対論を「いや分かってないよね?」と見直し、未完成であると考えていた量子論を推し進め、スピンが絡まり合うネットワークから生まれる宇宙を描画したという事実に圧倒されます。
 波動関数収縮問題……要は「ミクロとマクロの境はどこか」という問題については各学者の持っている哲学の部分がかなり大きく影響している様もわかりました。実在論vs実証論のせめぎ合いがあるんですね。物理界隈の主流は実証論であるようですがペンローズ実在論側で、何かが「在る」ときそれは本当に「在る」もので、波動関数がどうなっているかというのが大事になってくる、という。
 自分も見えないものはどうでもいいしどうしようにもないというのは感覚的にはよく分かります。実在論者、大変そうだな……なんて思うと同時に「そこって大事か?使えれば良くない?詰めるべきポイントなの?」と感じてしまうのですが、宇宙の姿を描写することを考えている人たちにとってしてみれば立ち向かうべき課題なのでしょうねぇ。

 

 ペンローズの業績を辿りながら本書の最後に現れるのが「ツイスター」です。光から左回りに旋回しながら見た宇宙がどうなっているのか、というのを描いたものだそうです。わかんないけどすごそうだな?
 ツイスターは無数の入れ子になったドーナッツの各表面に絡まり合った無数のループが絡んでおり、ループの各点から光が放出されて柱のようになった……
 そんなことを言われると想像力が限界に来るわけですが、なんだか凄まじさを感じるのは筆の力でしょうか。アインシュタインから百年、宇宙の主役である光から見た宇宙の姿は、果たしてこの通りなのでしょうか。

 

 量子力学、そして重力を統合する量子重力論ってやっぱり面白いしペンローズの化け物っぷりを感じることができて良い本でした。

 

 ただね。
 個人的にはね。

 ちょっと語り口が合わなかったかなーーーー!!!

 

 著者が出てき過ぎる感じがするんですよ……ううん………癖が強い………

 あとメインターゲットがいまいち不明というか、平易に書こうとしてる雰囲気はあるのですが使ってる言葉が分かる人向けっていうか……大学物理系学部の学部生が読んだら読みやすいんじゃないかなあとは思うので、そこでしょうか。化学系卒には辛かった。


 しかし一方で、例えばこの手の本おなじみ光円錐についての記述を「現在この場所を起点に情報が伝わる、その最速は光であり…形状が円錐であることから光円錐と呼ぶ」とやるだけではなくて、もう一歩詳しく、そして踏み込んだ解説をしてくれます。これは大変にありがたい。意外と出会ってこなかったですねこの解説深度の本。
 教科書に手を出すほどではないにせよ「こういう世界に繋がってるんですよ」というガイドとしてはとてもよく、いや最後の方でかなり数式なしで語るのが辛そうな様子は伝わってくるのですが、いくつかキーワードは拾えましたので、今後重宝しそうな本でした。

 ……いやほんと、苦手ポイントが喋り方だけなんですよ……………

 

時間は逆戻りするのか ー マクスウェルの悪魔の復活か?

 ご無沙汰しました。そして知らない間にタグ機能なるものが出来ていました。みんな使ってるなら意味があるのですがどうなんでしょう普及率。

 

 さてここしばらく感想書いてなかったですが、こんな本読んでました。Kindle版しかリンクを貼れないんですが紙も普通にあります。

 時間は逆戻りするのか 宇宙から量子まで、可能性のすべて
 高水裕一 著
 講談社ブルーバックス

 

 著者の高水氏はケンブリッジに留学していたことがあるらしく、その時の所長がホーキングだったとか。ホーキングといえば宇宙論の世界では超有名どころの大家ですねえ。この間ノーベル賞を取ったペンローズと共同で当該理論を作った人でもあります。

 そんな著者がまさにタイトル通り、いろんな宇宙モデルや量子論の世界で時間が逆行する可能性について書いた本がこの本です。前半ではこれまで物理が時間をどう扱ってきたか、後半では最先端の超弦理論とループ理論を比較しながら時間の起源を探し(たり探さなかったりし)ます。

 

 時間の逆戻り。

 

 

 もしもあの時に戻れたら、と思ったことが無い人はいないと思います。あるいはドラえもんでおなじみのタイムマシンに乗れたらいつに行こうか、なんてことを考えたことがあるでしょう。
 未来に行く方は、原理的には、光速近い速さでしばらく運動すればいいというのは結構有名な話ですが(浦島効果というやつ)、過去側へ行く方法は知られていません。未来へ行っても戻って来られないのが現状。
 まあ「過去へ行く」のと「時間を巻き戻す」ことが同義かどうかは置いておくとして。とにかく、過去方向へ向かっていく時間です。そんなものが存在するのだろうか、なぜ存在しないのだろうか、存在するとしたらどんなものか、どうやったら存在するのか。

 

 そんな時間の戻る「可能性」について、たとえば

「時間の次元が1次元じゃなくて2次元とすると一方向にしか動かなくても円を描けば過去に戻れる」

とか

超弦理論に出てくるブレーン(膜)同士が衝突方向に向かっている時に逆行するんじゃないか」

というように物理真正面から検討します。さらには

「そもそも時間が戻ったとして我々はどうやってそれを認識するのか?」

という認知学や心理学的な時間に対しても目を向けるあたりが面白く、確かに巻き戻るとしたら私を含めて宇宙ごと巻き戻るはずだよなーきっと分からんよなーと納得感があります。
 順方向逆方向というのは相対的なもので、全部戻ったら多分そっちが順方向なんですよね。覆水が盆に返るのが普通。少なくともマクロなスケールで空間の一部の時間だけが逆行するということは今のところなさそうです。

 

 ただし。

 どうやらミクロスケールになると逆行が起こりうる……かも、らしいのです。

 

 量子コンピュータの研究をしていたロシアのグループが、ミクロスケールで時間の逆行を観測した、という報告をしました。詳しいことはわかっていないようなのですが。

 

 ここでいう時間の逆行現象とは「秩序の回復」です。

 

 やはり時間の方向性の話が出てくる以上避けられないのがエントロピーでしてねーーー!!
 以前「時間は存在しない」(カルロ・ロヴェッリ)の本を読んだ時にもメインテーマだったのですが、あらゆる物理法則の中でほぼ唯一時間を方向付けているのはこのエントロピーです。 

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  このエントロピーなる物理量、基本的に物事は単純・秩序から複雑・乱雑へと向かう、ということを言うのですが、このロシアのレソビク博士らは「一度バラバラになったゼロイチの列が再び整列する」という現象を発見したようで……熱力学の第2法則が破られた!と大注目を集めています。

 これほんとになんなんでしょうね?キュービットが過去への旅をした、と言う言い方をしていいのかどうか分からないですし……

 このミクロなスケールでの出来事がなんなのかについて、続報が待たれます。

 

 

 ループ理論と超弦理論を比較検討していくパートもあり、上にあげた「時間は存在しない」の副読本としても頭が整理されてとても良い本でした。「時間は存在しない」を読んだ時には「今の物理学こうなってるのかー!知らん間にとんでもないこと言い出してるな!!」という理解の仕方をしていたのですが、まだ人気があるのは超弦理論らしいです。

 いろんな宇宙像を久しぶりに眺めることが出来て満足な一冊でした。

2020年ノーベル賞、出揃う

 台風がすごい角度で曲がっていきましたね。

 

 さて昨日ノーベル経済学賞発表され、2020年のノーベル賞が全て出揃いました。例によって当ブログの関心は科学系3賞にあるわけですが、一旦全てを並べてみましょう。

 

 ●生理学・医学賞 
 「C型肝炎ウイルスの発見」
 ハーベイ・オルター(米) マイケル・ホートン(加) チャールズ・ライス(米)

 ●物理学賞 
 「宇宙で最も特異的な現象の1つである、ブラックホールについての発見」
 ロジャー・ペンローズ(英) ラインハルト・ゲンツェル(独) アンドレア・ゲッズ(米)

 ●化学賞
 「ゲノム編集手段の発展」
 エマニュエル・シャルパンティエ(仏) ジェニファー・ダウドナ(米)

 ●文学賞
 ルイーズ・グリュック(米)

 ●平和賞
 世界食糧計画

 ●経済学賞
 「オークション理論の改善と新しいオークション形式の発明」
 ポール・ミルグロム(米) ロバート・ウィルソン(米)

 

 文学賞アメリカの詩人の方。邦訳の本が1冊もないようで、いつも関連書籍や著書を嬉々として宣伝する各出版社がだんまりになるという珍しい光景がtwitterで見られました。詩は訳すの難しいから訳せる人も少なそうですねえ……。
 唯一見つかるのは北海道武蔵女子短期大学の元教授、木村淳子氏が訳と解説をしたもので、大学紀要によせたものが1本、同人誌?に掲載したものが2本あるだけです。後者は手に入れるのがひじょーーーに大変そう……「Aurora-オーロラ-」というらしいですが、ざっと調べた感じでもう休刊してまして……そもそも同人誌だし……前者はネットにPDFで転がってますので興味ある方は「グリック 木村淳子」あたりでググってみてください。
 木村氏のインタビューはこちら↓ 翻訳依頼きてそうだな……唯一すぐにできそうな人だもん……「普通の人の心の動きを静かに描いた」詩らしいです。

www.hokkaido-np.co.jp

 

 平和賞はなぜだかトランプ大統領という名前が下馬評で上がり、まあ中東関係では結構頑張っているのですが流石にイメージ悪すぎん?大統領選前だし?と思っていたら全く政治色のないところから来た感じです。

 経済学賞の「オークション理論」については何もわからないのですが、どうもオークションを開きにくい産業分野というのがあるらしく、それを適切にやるための理論だとか。電波の割り当て問題が例として上がっていますね。こういう理論っぽい話には興味あるので読み物的な本がないかなーと探しております。

 

 で。

 

 物理学賞ですよ!!!!!!おまえ去年系外惑星で順当に行けば今年は物性分野受賞年だろ!!!!!!!
 なんですかブラックホールってありがとうございます好物です!!!!!!

 

 えー、この3人は等分ではなく、半分がペンローズ氏でもう半分がゲンツェル氏・ゲッズ氏コンビという分け方みたいです。まだ生きてたんだペンローズ
 ペンローズアインシュタイン一般相対性理論からブラックホールの存在を数学的に予測したこと、ゲンツェル氏ゲッズ氏は私たちの銀河系の中心部に超大質量なブラックホールがあることを発見したことに対する評価。
 ペンローズの研究は「特異点定理」なんて名前で呼ばれていて、ちょっと前に亡くなったホーキングとの共同研究なので、「ホーキングが生きていればなあ‥‥」というところです。
 ペンローズは物理学者であり数学者でもあり、いろんな分野に名前残してる人で、例えば

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                             (wikipediaより)

 こんなトリックアートでよく見る不可能図形を考えたり、パターンがありそうでないタイルの敷き詰めを考えたりしたことでも有名です。いろいろやってるので「あのペンローズで合ってる?」というフレーズが聞こえてきました。まあ超のつく天才です。妙な脳科学理論にハマってしまって……という話も聞きますが………うん………

 ゲンツェルとゲッズが見つけた巨大ブラックホールは「いて座A*」と呼ばれているものです。ブラックホールは基本的には「見え」ませんが、周りにある恒星の動きを観測して、「こんな動きをするということは、ここにどでかい質量のブラックホールがある!」という発見をされた方たち。このブラックホールは「相対論の実験場」なんて呼ばれてるぐらい今でも色んな発見がなされているところで、最近だとこんな↓風に、ブラックホールの周りを回ってるガスが「瞬く」様子が観測されたりしています。

www.nao.ac.jp

 

 

 生理学・医学賞は、もうとても分かりやすく人類に貢献している分野から。昨今の新型コロナを意識してるんですかねえ。C型肝炎もウイルスによる感染症です。昔B型肝炎ノーベル賞をとっているので、というのもありそうです。
 オルターはA型ともB型とも違うウイルス性肝炎があることを発見したこと、ホートンはこの新しいウイルスの作ったタンパク質を、後にゲノムを取り出すことに初めて成功して診断ができるようにしたこと、ライスはC型肝炎がまさにそのウイルスのみによって引き起こることを突き止めウイルスを増殖させる技術を作ったことが、それぞれ評価されているようです。

 このウイルス増殖技術については日本人が噛んでいて、今まさにコロナ騒動で忙しい最中である国立感染研究所の脇田氏もこの研究をされていました。私にはなんでかまでは分からないのですが、どうもこのC型肝炎ウイルス、増やすのがなーーかなかに難しいらしく、「増やしやすいC型ウイルス」というのを開発したのが脇田氏らで一つのブレイクスルーになった模様です。

 

 化学賞は化学賞でたまにあるほぼ生理学賞分野の化学賞でした。生化学わっかんない!!ゲノム編集って何!!!
 受賞理由としては、遺伝子配列の欲しいところでDNAを切断するための手法、「はさみ」を開発した功績に対して、ということのようです。

 DNAは切れても修復しますが、この修復される時にうっかり配列が一個増えたり逆に減ったりする、という現象を利用するのが編集のやりかた。また入れたい配列の断片を入れておくと切った後に入れたいものが組み込まれてくれることもあります。元々はウイルスの遺伝子情報を記憶するために細胞が持ってる機能を人間が利用している形。
 これがCRISPR-Cas9(クリスパー・キャスナイン)という手法で、これによって遺伝子操作の効率が爆発的に上がったらしいです。Cas9がタンパク質で、ハサミにあたる部分です。どこで切るか、というのを決めるのがガイドRNAと呼ばれている部分で、ここは設計可能です。ガイドRNAがピタッとハマってくれるところでCas9が切る。狙ってきれるようになったというのが大きかった、のかな?
 それにしてもうまいこと設計したものです。いやあ王道の生化学ですね。こういう「巧みさ」が見えるのが生化学の醍醐味な気がします。

 

 

 ということで、今年は驚きのブラックホール物理学賞でした。

 授賞式やるそうなんですが、受賞者は出席しない形でやるらしいです。当然晩餐会もなしです。……それ何のためにやるんだ?

 以上!今年のノーベル賞でした。

金木犀の香りを含んだ秋風がそよぐ頃の彼岸花 後編

 C R I S P R !!

  

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 前記事↑に引き続き、伊勢原彼岸花ウォーキング後編です。

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 上は伊勢原市のHPから持ってきた彼岸花マップ。バス停を見ていただきたいのですが、左端が終点の日向薬師で、ここから右方向へ、高橋あたりまでは一つのエリア。前編で歩いたのはここの範囲です。

 で、そのまま帰っても良かったのですが、「折角来たのだし」ということで藤野入口まで歩いてみることにしました。さほど遠くはないのです。日向薬師のバス停からだと10分ほど。

 

 バス停を目安に、一本道なので迷う余地もなし。藤野入口を左折すると「彼岸花の群生地」の看板があるのでわかりやすいです。ちょっとした水路の脇を抜けると、また畑の脇に彼岸花たち。

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 伊勢原のこの一帯、頑張って植えているのかもともと生えやすい土地なのかわからないですけど、あまり観光客が来ないようなエリアまで彼岸花が咲いております。

 

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 日向薬師エリアよりもこちらの方が「花が近い」感じもします。いや日向薬師も触れる距離にあったんですけど、なんと言いますか、生活の中の風景という感じです。観光地っぽくないからでしょうか。住宅も結構ありますし。

 

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 畑のこっちにもあっちにも彼岸花

 

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 道中はこのような看板が立っているので迷うことはないです。畑の中をいくようなところのルート外は「畑」なので、行けそうでも立ち入らないようにした方が良いでしょう。お邪魔しますの精神で。

 

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 途中池の周りに彼岸花が植えられているエリアがあり、ここがなかなか見応えがありました。曇りの日の夕方というのもありちょっと暗く、さらに開けておらず樹が茂っている。雰囲気までどことなく仄暗い感じ。

 

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 彼岸花は割とタフというか雑な植物で育つのに厳格な条件はなく、手入れもいらないとは聞いていますが、どちらかというと日の当たる水捌けのいい土地が好きだそうです。
 その意味では池のほとりというのは水捌け悪いんじゃないかな?と思いますが、こうしてわさわさと育っているところを見るとほんとに「なんでもいい」生き物なのでしょうね。

 

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 「洗水」で「あろうず」です。何やら遺跡があるらしいですが、なんの遺跡かはよくわかりませんでした。看板が遠くに立っていて、ズームで撮った写真を後ほど読んでみると、なんでも6〜7世紀ごろの横穴式石室が見つかったようです。このあたりは古墳群であったとか。なんとも、彼岸花が物悲しさを引き立てる取り合わせ。

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 これで一周ぐるっと回ることができました。……できました、というか、多分私本来の正規ルートから初期の段階で外れたせい(間違えた)で一周することになったっぽいんですよね……いや看板は立っていたので間違っているというわけではないと思うのですが、王道コースからはちょっとずれてたのかな、と。まあいいか。

 

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 来た道をちょっと戻って、諏訪坂下のバス停で彼岸花ツアー終了。

 久しぶりによーくよく歩いたので、帰りに日帰り温泉に寄りました。それでも翌日筋肉痛でしたね!筋肉痛というか関節というか筋……?股関節の筋が痛かったです。体の柔軟性が足りていない。柔軟をしましょう。
 来年は日向薬師の裏から山歩きして来るのもいいかもしれませんね。まあそれも、歩いたぐらいで筋肉痛にならないように鍛えてからです。
 ……私大丈夫か、ヒトとして。

 

 

 

金木犀の香りを含んだ秋風がそよぐ頃の彼岸花 前編

 ノーベル賞ウィーク到来。

 

 今日は生理学・医学賞でしたね。「C型肝炎ウイルスの発見」に対して、3氏に送られました。世相ですかねえ。この件はまた後日、自然科学3賞の発表が終わってからまとめて書きましょう。

 

 週末、久しぶりに外出らしい外出をしました。小田急伊勢原です。

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 いつもながらに手書きで申し訳ないですが伊勢原はここ。ちょうど神奈川県の真ん中くらいです。こうしてみると県北の交通が存在しないし町田は神奈川……
 以前大山に行くときにもお世話になった伊勢原。今回も伊勢原駅からバスに乗りますが、日向薬師行きで終点日向薬師まで。
 なにやら関東でも指折りの、彼岸花の名所であるらしいです。

 

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 到着。昼すぎに着くように移動しましたが、バス車内はさほど混んでいませんでした。みんな朝一からでしょうか?それともマイカー?あんまり駐車場ないんですけど、現地にはそこそこの人が。とはいえ広いので、混雑はしません。閑散としているわけでもなく良い感じです。
 曇り空ですが早速彼岸花がお出迎え。いいですねー

 

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 定番は赤ですが、白やピンクもちらほら。違う色も可愛いです。

 未だにデジカメを使いこなせていないせいで縦横比バラバラですみません。デフォルトは4:3なのですが、スマホと同じにしようと思うと16:9なんで、「どっちがいいのかなー」とか思いながらガチャガチャとやっていました。どうすりゃいいんだ?

 

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 つぼみ。まだこれから開くんですね。今年は遅いんだそうです。「彼岸花」ですから本来はお彼岸ごろには咲く花なのですが。朝に冷えるようにならないと芽が出ないそうで、そういえば今年はお彼岸前までは暑かったなあ……などと思い出しながら散策。

 

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 こういうところの路地販売ってワクワクしますよね。時間が時間だったからほとんど売り切れてましたけど……残念……
 彼岸花は基本的に農地の淵に植えられています。稲刈りシーズン、秋の風景。
 ……などと牧歌的な雰囲気をのほほんと楽しんでいると、目に入るのは電気柵。畑の周囲にはある高さにめぐらされていたので、猿でしょうか。楽しいだけではない、農村の戦い。


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 ↑これの、左側の、上のほうにある細めの線です。農家は大変だ。

 

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 やっぱり秋ですわ〜〜〜〜!!!
 コスモスと、柿と。柿はいいですねえ。シャキッパリッとしたのが好きです。

 

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 日向薬師から一つ前のバス停までの道端にもびっしりと植えられています。こんなに密集しちゃって大丈夫なのかなってくらいです。球根だから、掘って植え替えてあげればそこからちゃんと生えてくると思います。
 密度が高いのも見栄えがするので、これで問題ないならいいんですが。育て方わからん。土手とかに生えてるイメージあるので多分あまり手入れはいらない。この子たちも勝手に分球してみちみちになったのかもしれません。

 

 ひとしきり楽しんだ後は日向薬師を参拝。ここがなかなかの階段と登り坂。

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 上から見た図(途中)。

 

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 山門。赤い仁王像が立派です。ここまで何段だったのだろう……しかしこれを抜ければ階段から坂に変わります。

 こういう道、好き。

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 茅葺き屋根の本堂が出迎えてくれました。手水舎は封鎖されていませんでしたので手を清めてお参り。なお堂内は撮影禁止です。

 

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 坂道登って汗だくだったので休憩がてら裏手の売店でソフトクリームをいただきました。バニラ、好評につき売り切れ。ここは山歩きルートの最終地点でもあるので、きっと多くの人が「あっつー」と思いながら通りがかったのでしょう。
 歩いた後のソフトクリームは最高です!

 

 

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 日向薬師のバス停から実は一番近い散策路。うっかり逆走してしまいました。バス停側の入り口から入るといいです。見上げる形になり、風景全体で見たときの綺麗さが上がります。

 

 そんなこんなで満喫し、日向薬師エリア終了。

 

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 この日向薬師周りが一番有名スポットです。開けているし、おそらく数も多い。

 ですが時間もあったので、せっかくきたんだし……ともう一つのエリアに行くことにしました。

 

 後編へ続く。

 

yamagishi-tea.hatenablog.com