ぐるぐるゆったり日光詣:2日目その2は華厳の滝

 久しぶりに晴れでしたね。

 

 さて旅のメイン日光東照宮を見て回った2日目AMはこちら↓

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 今回は奥日光への旅路と中禅寺湖前半戦です。

 

 
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 PM、東武日光の駅からバスにて出発します。東武日光の駅から中禅寺湖のバス停までがだいたい45分くらいです。ひたすらどんどん山奥の方へ入っていきます。

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 よく整備された川。これかなり大規模にびしっと治水工事されてますね。

 中禅寺湖への道の途中に言わずと知れたいろは坂がありますが、いろは坂は一方通行で、駅→中禅寺湖のルートでは第二いろは坂を通ることになります。そしてこの第二いろは坂の途中にあるのが明智平

 つまり明智平は駅→中禅寺湖の方向に走っているときしか立ち寄れません。
 これはもう途中下車するしかない。
 明智平いろは坂を超えてすぐです。

 

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 いろは坂の九十九折り。ヘアピンカーブの連続をぐんぐん登っていきます。
 この道っていつできたんでしょう。できる前は奥日光へどうやって辿り着けば良かったのでしょう。どこかぐるっと遠回りする迂回路があったんでしょうか。

 途中自転車を見かけました。すごい。まず挑もうとするのがすごいし、実際挑むのもすごいし、ちゃんと漕いでるのもすごい。

 

>>> 明智平

 ロープウエイがあるということで降りてみました明智平。公衆トイレがあったり小さな売店があったりして小さなパーキングエリアの様な雰囲気。

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 曇天!標高が上がってきたからなのか時間経過によるものなのか、朝の晴天は見る影もなく曇りです。日光、だいたいこんな感じ。晴れのち曇り一時雨。

 何かピンクのお花が咲いておりますがなんの木でしょうね。全然分からん。

 

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  崩落しつつある男体山。なんとか土砂を堰き止めようと大規模工事中。治水ならぬ治山というようです。

 ロープウエイの運行は毎時ちょうどから10分に1本。結構な頻度で運行しております。ということで早速乗車。

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 温度計曰く、現在の気温、12℃です。ひえている。

 展望台までの道のりは3分ほど。すぐですね。

 展望台駅から展望台は徒歩数秒。

 

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 見よ!中禅寺湖華厳の滝、白雲の滝、そして男体山!!
 かなりの眺めです。広角で撮りたい。360°ひらけています。開放感がすごい。湖畔の街もよく見えます。男体山の麓と中禅寺湖の間にへばりつく様に街が出来ているのが見て取れる。平地少ないなあ我が国は……。
 滝までは距離があるのですが、それでも滝が落ちる音が聞こえてくる。遮るものが何もないんですね。周りも静かだし。滝の音って癒し効果がある気がします。ずっと聞いていられる。

 

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 反対側の景色。方向としては宇都宮市方向。下の方に登り側ってきたロープウエイ駅と明智平の駐車場が見えます。

 

 遠くから聞こえてくる滝の音を堪能したら再びロープウエイで戻ります。小腹が空いたので、次のバスの出発時間まで……

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 その名も明智団子。大きめの甘だれみたらし団子です。うまうま。おいしかた。こういうところで食べる団子って妙に美味しいくないですか?

 

 ということでバスに乗車して再出発。明智平、思ったより楽しかったです。良い景色が見られました。バスも1時間に3本くらい走っているので、途中下車しやすいのが嬉しいですね。

 

 ここからはバスに揺られて10分ほどで中禅寺湖に着きます。
 そしてさらに歩いて少し。

 

>>> 華厳の滝

 華厳の滝です!!

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 いやあさっき遠くから見えた滝も美しいですが、近くで見ると迫力出ますね。それにしても周りの木があんまり葉が出てない。紅葉で有名な場所ですが、この時期まだ新緑ですらないんですね。ようやく春を迎えたところ、といった季節です。

 無料展望台からの景色でも見応えがありますが、さらに有料の観瀑台もあるのでそちらへ行きます。

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 岩盤くり抜いてエレベータと通路を作ったという大掛かりな工事で作られた観瀑台です。通路からしてかなりひんやりする。そしてすごい湿度。冷えてるから不快ではありませんが、すぐそこを水が流れている気配がします。しっとり。

 

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 近い!大きい!高い!!
 やはり見上げる角度は迫力マシマシです。そしてやはり音ですね。すごい水量がすごい速度で流れていく。平均して毎秒300kgの水が落ちていっているそうです。雨がちな天気のおかげでしょうか。晴れが続くとちょっと水量減ったりする?
 また岩盤の質感もすぐそこに感じられます。水平方向に入江の様にぐりっと凹んでいますが、滝が岩盤削って徐々に後退している…とかあるんでしょうか。

 

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 観瀑台の逆サイドにある滝。こちらは急斜面の肌を滑り落ちている滝。すぐそこで華厳の滝と合流して一つの川になっています。この川が神橋と繋がっているのですねえ。最終的には鬼怒川へ合流します。

 

 

 たっぷりと滝を堪能し、宿方面へ向かって進軍。

 

>>> お茶のお時間

 滝の近くで長居をしたせいでまた体が冷えてきました。ちょっと小雨な雰囲気になってきたところでちょうど見つけた喫茶店へ。
 「ゑびすや」さんです。

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 一階は工芸品の彫物屋さん。二階で喫茶店をやっているお店です。
 のこのこと入っていくと店主の方?が座っていらっしゃったので声をかけて入店。ここのところ一人旅のお客さんが多いんだよーとおっしゃっていました。単に団体がいなくなって目立つのか、一人旅をする人が増えたのか、一人旅派が活発になったのか、ただの偶然か。

 

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 良い雰囲気のお店。頼んだのは紅茶と抹茶ケーキのセットです。上側がチーズケーキ、下側が抹茶味、真ん中が餡子味。3層になっていて見た目もかわいいく、味はしっかりと抹茶の味が濃い。
 ほっと一息、美味しゅうございました。

 

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 中禅寺湖到着!天気怪しい!!急ごう!

 

 「二荒山神社」と書かれた鳥居をくぐって中禅寺湖の湖畔エリアへ。

 この日のお宿は中禅寺の湖畔にあり、夕飯も朝ご飯もついているお宿です。ちょっといいお宿(私比)。もともと避暑地の高原リゾートなので、こういう宿が多い印象。一人でも泊めてくれるだけありがたいです。2人以上でないと泊まれないとこもあるからなあ。

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 お世話になります「なごみ」さんです。温泉宿だぜ!!

 

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 うはーーーー広い!そしてベランダがついている!レイクビューだ!!贅沢!!
 夕飯までベッドの上でゴロゴロ過ごしました。いかん寝そう。

 

>>> お夕食

 さて、今回の日光旅行の観光メインは日光東照宮でした。
 そして、食のメインは。

 この日の夕食です。繊細で美しい旅館のご飯!!

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 お品書き。もうテンション上がるしかない。お品書きが存在する時点でテンション上がる。

 

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 日光でのみ作られているお野菜「野口菜」を使ったポタージュ。青臭さはあまりなく、非常に食べやすい。

 

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 日光の定番の湯波とか中禅寺湖の鱒とか。ほろっとした煮凝りもおいしい。天ぷらはなんだって美味しい。こういうご飯が旅のどこかで食べたくなる。

 ちなみにご飯は栃木のブランド米と味ご飯の二種類が食べ放題。いっぱい食べたい誘惑に駆られつつ満腹になってしまうので控えめに……

 

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 この後霧降高原のポーク、出汁たっぷりの湯葉まき、けんちん汁、デザートまでもたっぷり堪能させていただきました。どれをとってもおいししかったのですが、湯波巻きの出汁がとてもよかったです。ついおつゆまで飲み干してしまった。

 旅館ご飯、大変によかったです。

 

 

 このあと温泉でのびのびと体を癒して就寝。温泉はいいねー

 二日目、お疲れ様でした。

 

 次回は高原ウォーキングです。戦場ヶ原いくぞー。

 

ぐるぐるゆったり日光詣:2日目その1は大本命東照宮

 GW日光旅、雨に濡れた初日はこちら↓

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 さて二日目ですよ。

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 晴れましたわ!!!!

 大 勝 利 !!!!

 乾かなかった傘を乾燥がてら日傘にしつつ二日目スタート。
 お宿の真正面にあった神橋横のこちらの建物も文化財。お土産屋さんになってますがいかにも立派な構えです。

 

>>> 神橋・再

 この日のメインは東照宮ですが、その前に昨日は雨でいまいちな景観だった神橋へとやってきました。

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 「二荒山神橋」、つまりこの橋も二荒山神社を構成する一部ということです。
 やっぱり天気がいいと赤が映えますね。1日待って正解でした。
 嬉々として入場。

 

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 橋の上から見える新緑が美しい。
 すぐ向こう側は道路なのですが、さらにその向こうに小さな神社があり、神社の両サイドに聳える杉の木がまるで門の様でした。
 秋になると山が紅葉して「紅葉の名所」って感じになるんでしょうね。

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 ちょっと見えにくいですが、橋脚が石です。石の橋脚に木製の橋。
 しかもこの橋脚、鳥居型をしているらしいです。このアングルだとなかなかわかりませんが、下からみた写真などを見るとしっかり鳥居型してます。
 それにしても大谷川綺麗だな。水底がよく見えます。

 

 

 川と新緑の景色を堪能したら、いよいよ東照宮です。

 

>>> 日光東照宮

 こんばんは。

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 徳川家康です。(大河ネタ(なんで幕末大河に家康が出てくるの

 葵の御紋が金色に眩しいぜ。

 

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 東照宮の受付より手前にあるのが五重塔。最上層だけ中国スタイル。
 塔の中心を貫く「心柱」の特別公開をしていたので見せてもらうことに。

 金ピカだ!

 五重塔の内部、公開された心柱とその部屋は金ピカでした。日光、だいたい金ピカ。解説の方曰く、この心柱、なんと地面についていないらしい

 何を言っているのか分からねーと思うがry

 まずそもそも、心柱は五重塔の中心にあって直接建物を支えておらず、一番上の相輪(塔の先端の方の飾りっぽいあれ)まで直通していて心柱周りは最上階まで吹き抜けだそうです。そんなことも知らなかったよ。大黒柱みたいなものかと思っていたらそうではないらしい。
 五重塔そのものは四隅その他の柱で立っているのですが、この日光の五重塔の心柱はその塔を支えている柱に吊るされているらしい。
 で、浮いているらしい。
 10cmくらい。

 
 一見して「は?」ですが、こうやって書いていても「は?」です。

 曰くその目的は、木造建築とはやはり長い年月が経つと隙間が圧縮されて縦方向に縮むものだからだそうです。この時の縮み具合が、建物全体に対して心柱の場合小さくなるらしい。どーんとまっすぐ通すものなので、継ぎ目の部分が少ないのでしょうね。
 で、縮み率が違うために長い年月をかけて心柱が塔のてっぺんから突き出てしまうことがあるそうな。それを防止するために周囲の柱に吊るし、地面との間に隙間を作った……というのが一応の説明です。へええ。

 それにしてもこの長さの柱を吊るす様に作るというのはなかなかトリッキーというかよく作ったなそんな構造、という感触を持ちます。
 なおもうこれ以上塔本体は縮まないと見られており、浮いている心柱が地面につくことはないだろうとのことです。

 ちなみに心柱が浮いている様子は、

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見えません。床下で見えるかなーと思ったのですが、心柱の下端は地面に掘られた穴の中です。穴の中で浮いてるんですって。

 

 何かと勉強になりました。

 

 拝観券を買い、表門を抜けて中へ。

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 思ったより広い。さすが大権現様を祀る神社。

 

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 来ましたーーー!日光一有名な猿!

 この彫り物があしらわれているのは神馬の厩舎です。東照宮全体からして12を争うぐらい地味な素木造りの建物。ちょっと意外なところにありました。だからこそ目立つ、というこでしょうか。
  建物の前面と右側側面の上方にぐるっと猿たちがいます。順番に見ていくとストーリーがあり、一匹の猿が生まれてから自分が親になるまでの人生が描かれております。

 

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 落ち込むことだってあるさ。

 

 ドンと構えた唐銅鳥居をくぐり、少し進むと出迎えてくれるのが陽明門。東照宮のシンボル。

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 「東照大権現」のプレートが輝いている、白い門。

 圧巻です。

 いや正直予想してなかった(そればっかりだな)ですが、こんなに豪奢でかつ独特の格調高さがあるものとは。「白の門」ってのがあまり見ないものだからなのか、寺社仏閣って大抵木の色そのままか朱色が定番じゃないですか。白。白に金。

 これはぜひ、汚れてくる前に見に行っていただきたいです。
 彫り物も実に多彩なので見てて飽きないし全部見たいしずっと見上げているから首が痛いし。

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 ほんとに色褪せる前に見て欲しい。この鮮やかさと細やかさですよ。今でも直せるんですね。こういう技術はたやさず大事にしてもらいたい……

 有名な「逆さ柱」があるのもこの門です。潜った先の左手にある柱が上下逆。それだけ見ても逆かどうか分からないので何本かと見比べると確かに逆でした。あえて「画竜点睛を欠く」の状態で止めておく、という思想ですね。

 

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 陽明門を抜けてすぐにあるのが唐門。極彩色な陽明門とは違ってこっちの彫り物はビシッと白黒です。黒い龍が実にかっこいい。白黒ですが金箔のおかげで地味ではなくむしろ豪華な雰囲気に。
 唐門というだけあって中華な雰囲気ありますね。龍の描き方がそれっぽいのかな。こちらの門、かなり好きです。

 
 唐門の両サイドに伸びる回廊の彫刻の見事さに唖然としつつ(残念ながら半分工事中であった)、東回廊へ。

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にゃーん

 これも有名な眠り猫ですね。下から見上げると見張られている様に見えると言います。そうかな……そうかな?
 この真裏には雀が2羽で遊んでいる彫刻があります。そんな平和な世の中を祈って作られたとか。

 

 猫の下を潜って墓所奥社へ。大猷院では立ち入り禁止でしたが、東照宮は奥宮まで入れます。元々こちらも一般人は入れなかったのですが、昭和40年の東照宮350年記念で開いて以来見られる様になりました。

 名前の通り敷地の奥にあるのですが、例によってまた石段をずんずん登っていった先にあります。東照宮の中で一番高い位置にある。
 これがまた結構長くて遠い!
 最後の方は息切れしておりました。背中のザックが重たいぜ。

 ちょっと驚くのが奥社までの石段で、よくある様な丸めの石を組み合わせて作っているものではなく一段一段が一枚の石です。

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 随分と現代的といいますか、あまりの継ぎ目のなさにコンクリ製に近い印象を受けます。石だそうです。こだわってそうですよね。

 長い石段を上り切ればそこが奥宮。こちらにもちゃんと拝殿があります。

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 緑っぽい色味に見える黒漆。下界の豪華な雰囲気とは変わって落ち着いています。
 奥宮はかつて歴代将軍しか参拝が許されなかったそうです。東照宮も大猷院も、階級によって「入れるのはここまで」っていうのが結構ビシッと決められていた様なんですよね。武士の中でも分かれています。家康、神格化が凄まじい。

 

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 宝塔と、鶴の燭台、獅子の香炉、花瓶。
 お仏壇の前にもある、いわゆる三具足(みつぐそく)ですが、ただの燭台ではなく鶴が咥えています。仏具に詳しくないのでよくある形式なのかどうかが分からない……
 左奥に写っているのが、この杉に祈れば願いが叶うというその名も「叶杉」です。

 この奥宮で限定という眠り猫お守りストラップを買い今回の旅の土産にしました。

 東照宮は今回の旅の一番大きな目的地なので何か欲しかったのですが、これでちょどよくカバンのポケットに入るものが買えました。
 なお最近御朱印が流行っているそうですが、奥社の御朱印は奥社限定で下のとは違うらしいです。集める人は頑張って石段登ってね☆

 

 来た道戻って神輿舎の天井画を覗き込んだり(綺麗な天女さんです)

 オランダから送られた廻灯籠を見てにやにやしたり(うっかり葵紋が上下逆)

 塀を支えている狛犬?ちゃんを探したり(かわいい)

 

 ウロウロしながらも東照宮の次なる有名ポイント、薬師堂へ。

 なんといっても「鳴き龍」で有名な御堂です。

 天井に描かれた竜の「顔の」真下で拍子木を鳴らした時だけ御堂全体に音が響くので「鳴き龍」と呼ばれる様になりました。案内人さんが居て鳴らしてくれるのですが、本当に響くポイントが決まっていてへえぇと驚きました。
 ちょうど頭の位置にくぼみがあり、そのせいだということですが、一体どういう意図でそんな仕掛けを作ったんでしょうねえ。

 

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 これにて東照宮参拝終了です。

 いやあすごかったですね。特に彫刻。そしてその色合い。終始見上げっぱなしでした。満足満足。

 

>>> お昼ご飯

 ここで予定通りお昼時になったので昼食場所を探します。天気も良く、気温も上がっていたので、そばが食べたいなーという気分でしたので、

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東武駅前まで戻り、「旭屋食堂」さんで冷やしの湯波そばをいただきました。昨日の昼も湯波だって?この辺何にでも湯波乗ってるからつい湯波入りを頼んでみたくなるんですよ。
 冷やし中華の如くそばの上にいろいろ乗っていて面白かったです。さらに小皿の薬味も全乗せしました。ちょっと暑い日はやっぱりこれですね。美味しゅうございました。

 この日の夜の宿泊予定は中禅寺湖にしてあり、中禅寺湖まではバスで行く必要がありましたので、ご飯を食べつつガイドマップや時刻表(駅でもらえた)を見つつ時間調整。

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 ほどほどの時間でバスに乗車し、中禅寺湖方面へ向かいます。途中の明智平なるところにはロープウエイがあるそうなのでそこで途中下車しようかな?

 

 

2日目その2へ、続く!!

 

ぐるぐるゆったり日光詣:1日目その2は東照宮……以外!

 むしあつい 

 

 1日目その1、到着からお昼ご飯まではこちら↓

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 では本格的に観光開始、1日目その2へ行ってみましょう。日光山はこう↓なっております。

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(日光旅ナビさんパンフレットからの切り抜き。全体図はパンフレット|日光旅ナビ様よりどうぞ)

 東照宮本体は混みやすいから朝一がおすすめ、というのをどこかで見たので明日の朝に行くとして、日光には他にも世界遺産登録されている「日光山輪王寺」と「日光二荒山神社」があります。こちらを先に見て回ることにしましょう。

 

 

>>> 神橋

 日光山参拝入り口の目印、神橋。下を流れる川は大谷川といいます。中禅寺湖から流れ、鬼怒川へ合流している川です。

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 謂れは古く奈良時代の終わり頃、日光山を開いた勝道上人がこの川を渡れず困り、神仏に祈ったところ深沙大王なる仏教の守護神が現れたとか。その深沙大王がなげた二匹の蛇が橋を作り、さらにその背中に山菅(ヤマスゲ)が生えて見事橋となり、上人は大谷川を渡ることができた、というお話。

 料金払えば渡ることができますが、雨なのでこの日はスルー。どうせこの辺りは何度も通ることになります。入るのは次の機会にしましょう。

 

>>> 日光山輪王寺

 さて日光山内ヘ入っていきます。

 最初日光山への入り口がよくわからずこの車道まで歩いてきてしまいましたが、実際は心境の交差点すぐの石段を登って行けば良かった模様。

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 車道とはいえ関係車両のみの道であるようです。それにしてもすごい杉山ですね。
 日光山は杉が多いです。しかも立派な杉がちょいちょいある。

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 輪王寺入り口で迎えてくれる勝道上人像。こんだけ雨降ってると寒そう。これ自体は昭和30年に建てられたもの。

 

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 三仏堂。本堂にあたります。外からお参りするだけならば料金は要りませんが、写真の左の方(切れてる)に受付があり、拝観料を払えばお堂の中まで入ることができます。

 ………これ霧……どころか雲の中なのでは……


 堂内は撮影禁止ですので写真はありませんが、中には阿弥陀如来、千手観音、馬頭観音の3体の仏像があります。だから「三仏堂」です。わかりやすい。

 3体とも金のメッキが施された仏像で、解説してくださったお坊さん曰く、今回の大修理で特に貼り直しなどはしておらず、綺麗に掃除しただけ、元の輝きを取り戻しただけ、とのこと。天井外してクレーンで吊り上げて京都まで持って行って修復したらしいです。職人さんがこっちにはいないとかで。
 ただ阿弥陀如来だけは「3人とも持っていったら日光に仏様がいなくなってしまう」と、脇に修理用の小屋を立ててそこで修理したとか。小屋まで建てたなら全部それじゃダメでしたの?と思うのですが、納期的な問題でしょうか。

 お堂も全て漆塗りのベンガラ仕上げ。下の方がピッカピカに磨かれており、とても手間がかけられた工程なんだとか。修復の話が面白かったです。

 

 お堂内部を進むと十二支に因んだ干支の守護神的な仏像も安置されておりました。それぞれ自分の干支の仏様だとか。自分の仏様にお祈りをしておきました。
 この干支の仏様のお守りは、買えば一生物(毎年買い換えるようなものではない)であるとかで、要はセールストークに繋がるわけです。ちゃっかりしてるというかなんというか。

 

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 大護摩堂。その名の通り火を焚いて祈祷をするお堂。鉄筋コンクリート製。祈祷は1日に3回か4回かやっているようです。
 三仏堂内にも同様の祈祷をする場所はありましたが、そちらは世界遺産認定に伴って1日1回までというルールができたそうな。世界遺産になると木製の構造物では火が使いにくくなるんですね。それも何だかなあ。

 

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 輪王寺の次は東照宮の前を通り過ぎて「日光山輪王寺大猷院(だいゆういん)」へ向かいます。

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 輪王寺はあの三仏堂が見どころのメインではあるのですが、お山全体がお寺というタイプのお寺で、あっちこっちに関係施設があるとか。大猷院は、全体からしてみればすぐお隣ですね。

 

 >>> 日光山輪王寺大猷院

 東照宮が家康の墓所ならばこちらは三代家光の墓所……あれっ二代目どこいった?

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 さっきの輪王寺と共通拝観券を買っておいたので早速中へ。

 山の中……いや日光全体山の中なのですが、このお寺は山の地形に沿って建てられているためどんどん階段を登っていくことになります。途中にある山門の装飾が派手。

 というか、全体的に。

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 派手。手水舎がこれですよ。屋根が立派すぎる。
 「家康公の廟所を凌いではならない」という遺言があったそうですが、そりゃ東照宮に比べたら地味でしょうけど、これだってなかなかに派手です。修復したてでまだ色が褪せていないからそう感じるだけでしょうか。

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 赤はベンガラだろうけど、青や緑は何の色なのかなあ。当時合成顔料なんか当然ないので、修復も昔からの鉱物系顔料のはずではありますが。

 

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  登り切ったところにあるのが唐門で、この奥が拝殿です。山をくり抜いたような場所に立っており、背後も左右も崖になってます。どっしりとした雰囲気とどことなく異世界じみた静かな雰囲気を併せ持つちょっと不思議な空間。雨だからでしょうか?

 

 拝殿内は壁から襖から全体的に金色でした。ほんとに派手好きだな。天井には竜の絵がたくさん描かれていました。寺院は天井が綺麗なところも多く寝っ転がって見たくなるのですが、いくら誰もいなくてもさすがにちょっと憚られますね……

 

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 拝殿を抜けたら皇嘉門。この先が奥の院、家光の墓所になりますが、ここから先は一般人立ち入り禁止です。

 

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 唐門の外壁の装飾がとても凝っていて晴れているなら一個一個じっくり眺めたいところです。上の鳥の部分が一枚ずつ全部違うんですよ。すっごい。

 

 本格的に雨の中歩くのがしんどくなってきたので、この辺りで大猷院から撤退。滑らないように慎重に階段を降りつつ、最後のスポットへ。

 

>>> 日光二荒山神社

 大猷院の真隣にあるのがこの神社。

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 写真にあるようにこの辺りの一宮です。どうやら元々違う場所にあったようなのですが、1619年にここへ移築されたとか。
 二荒山=男体山そのものが御神体であるのと同時に、大己貴命田心姫命・味耜高彦根(あじすきたかひこね)命の三柱を祀る神社です。大己貴命はつまりあの出雲の大国主で、出雲と同様この神社も縁結びスポットになっている模様。

 

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 この神社、拝殿横から入れるお庭のようなところが見所です。これ↑は「化け灯籠」。かつて夜間警護の侍がこの灯籠の明かりを亡霊と見間違えてたびたび刀で斬りかかったとかなんとか。
 それで化け灯籠なんて名前つけるのもどうなん……しかも何回か間違えられてるんだ……。
 この灯籠が灯されたところを見てみたいものです。そんなに人魂っぽい雰囲気になるのでしょうか。

 

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 霊泉。眼病に効くという効能と、若返りの水という伝承と、この水を使えば良い酒ができるという言い伝えなどが合わさっています。
 初穂料を納めればペットボトルに汲んで帰ることもできますしなんならペットボトルが売られていますが、自分はここで飲むだけにしておきました。持って帰っても重いしね。目が悪いので目が治りますようにと願掛けをしつつ頂きました。

 

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 岩を山に見立てた日光連山の遥拝所。山岳信仰ですねえ。

 

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 ちょっとだけ桜が残ってました。なんという種類なのでしょう。
 この観光中、桜が散った跡を見ることがちょくちょくあり、流石に山なのだなあなどと変なところで標高を感じておりました。

 

 のんびりしていたら閉門時間になってしまったのでお暇。ぎりぎりまでお世話になりました。

 

 

>>> 夜ご飯はステーキ

 さて閉門時間、つまりこの時点で夕方です。気づけば体がすっかり冷えていました。気が抜けたのか腰を下ろしてご飯を食べながら休みたい気持ちがどっと押し寄せてきたので夕飯処を探すことにします。
 とはいえ日光市街、そんなに夜ご飯の選択肢が多くなくてですね。こういう情勢下なので酒場が閉まってたという可能性はありますが、湯波料理屋さんはお昼営業ですし、ラーメンというのも……

 

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 はい。匂いにつられてステーキハウスにやってきました。「えんや」さんです。お店の外観がなくて申し訳ない。写真がぼけぼけでした。

 人生でステーキハウスって入ったことないぞ肉のことよく分からんぞと思いつつ、メニュー表の一番上にあったお肉とライス、コーンスープを注文。

 

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 まず出てきたのがコーンスープ。浅いお皿に入っているのを想像していたらお椀にたっぷり!これはうれしい!
 体が中からあったまります。生き返る。

 

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 続いてお肉!ミディアムで焼いてもらいました。
 ソースをかけるといい音が鳴る鉄板!立ち上る湯気!とろけるバター!!
 
 んーーーーおいしい!!!!!
 
 特にバターを添えると罪の味。かっこむ様にいただいてしまいました。そのせいかライスがお腹に入りきらなかったんだ……バカな。
 出てきた時には余裕だと思ったのですが、コーンスープが多かったからなのか、疲労のせいなのか、それとももうそんなに食べられない歳なのか……うっ……完食ならず……
 コーンスープとお肉プレートは完食したから許してもらいましょう。

 

 後でクチコミを見たらどうやらこのお店ビールの種類が豊富でそれを売りにしていた様なのですが、行った時はやってませんでした。どこも規模縮小営業ですかねえ。

 大変に美味しくいただきました。ごちそうさまでした。

 

 

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 この後は翌朝の朝食をコンビニで調達し、宿へ帰還。
 濡れた諸々を部屋で干しつつ大浴場でゆったりと体を休めました。これにて完全復活。風呂は偉大なり。

 

 実はこの日、予定では「世界遺産めぐりバス」を利用するつもりだったのですが、GW中はこの路線走ってないんですねえ。知りませんでした。なので全行程徒歩です。
 まあ上記の距離は歩けない距離じゃないんですけど、バス乗るつもりでいたら「この停留所には停まりません」という表示があった時の脱力感は凄かったです。いや私の情報収集不足なのですけどね。

 

 晴れる様に祈りながら、二日目へ続く!

ぐるぐるゆったり日光詣:1日目その1は雨の中の移動そして散策

 もう梅雨入りか?って天気が続いてますね。

 

 日光旅行記、前回の準備編はこちらでした↓

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 GW終わって二週間経ってから公開してるのは保険ですよ保険。 

 

 さて今回は1日目その1。移動と本格的な寺社見学前までの市街散策です。

>>>  移動

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 さてゆるゆる日光旅行へ出発進行。とはいえ初日の半分は移動です。

 この時期は田植えシーズンなので、車窓からも緑の綺麗な田園風景が……

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 ………雨ですね。

 いや数日前に天気予報を確認した時から覚悟はしてましたけど。予想以上に雨ですねこれは。ざんざん降ってますよ。車窓の景色など望むべくもなく。
 この日の雨予報、一週間くらいずっと雨予報が出続けていました。こういう予報の時はまず間違いなく強めの雨なんですよ。

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 「きりふり」に乗って到着。なんかこの特急もいろいろあってなあ……JRのスペーシアがそのまま乗り入れていたり東武東武「けごん」という特急を走らせていたり。どれが早くてどれが安いの全然分かりません。着けばよかろう。

 さて現地についても雨が続いています。それ自体は知ってました。

 でも、

 こんなに冷えるなんて聞いてない。

 

 さっっっっっっむ何だこれもうGWぞ???
 一枚上着を余計に持ってきておいて良かった!!!!無かったら冗談抜きで死んでた!!!!!

 

 えー、着ているものにもよりますが個人的にはさらにストール的な首に巻く何かがあっても良かったですね。雨だと体が染みるように冷えます。

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 東武日光駅舎。結構綺麗にされてます。改装されてからそんなに経っていないのでしょうか?この整い方、さすが一大観光地。
 改札を出て駅舎を写真に収めているとだんだんとテンションが上がってきます。いよいよやって来たなあ!

 

>>> 散策開始


 じっとしていても寒いので、早速歩き始めることにしましょう。この日のお宿は寺社の近くで丁度道中にあり、チェックイン前でも荷物を預かってくれるというので日光市街を歩きつつ宿へ向かうこととします。

 

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 歩きつつ、なんて言いながらも早速寄り道。「揚げ湯波まんじゅう」です。駅前ロータリー脇にあります。温かいお茶も下さりました。
 ザクっとした衣の食感と中のあんこがとても美味しい。宮島には揚げもみじ饅頭というものがありますが、揚げたまんじゅうって美味しいですよね。あんこと油の相性がいいのでしょうか。こんな天気なので温かさが体にじんわりと嬉しい。ごちそうさまでした。

 

 さて散策再開です。緩やかな一本道の上り坂を歩いて行きます。
 和風なサンリオ。キティちゃんってアジアで人気なんでしたっけ?

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 見てくださいこれ。

 誰もいません

 びっくりするぐらい車が走っていない。本格的な連休開始よりは前、とはいえ祝日ですよ?天気のせいですか?つまり日光って日帰り客が多いのです?東京からのアクセスが良い場所ではありますがそれにしてももうちょっと泊まり客がいてもいいのでは。このご時世だから皆さん回避でしょうか?

 

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 流石に買うわけにはいかないですが素敵な店構えのお花屋さん。丸窓っていいよね。

 

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 いわゆる観光案内所。駅からちょっと離れてるんですね。バスの時刻表をいただきに伺いましたが、枚数がないとかで写真だけ取らせてもらいました。しまった、駅でもらっとくんだったな。

 

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 ぼちぼち歩くうちにお宿に到着。神橋目の前です。
 チェックイン前でも荷物を預かってもらえると聞いていたので重たいものを下ろしてしまいましょう、と思ったらもう部屋が使えるとの案内だったのでチェックインを済ませて部屋へ入れてもらいました。……空いてるんだな…

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 ぜっ贅沢ーーーー!!!!
 TATAMI!! FUTON!!! かわいいダルマの絵が飾ってある!!! いつものビジホな感じではない!!! これはお宿だ!!!
 まずい、こんなところ泊まっていたら贅沢に慣れてしまう。

 座ったら根が生えそうだったので荷物を置いてすぐ出発。

 

>>> お昼ご飯

 

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 すぐ隣にあったお店でまずは腹ごしらえ。湯波丼セット。
 日光、お寺の土地柄ということもあって名物が湯波なんですよね。そこかしこに湯波料理屋さんがあります。もっとも京都同様、湯波料理屋さんってお昼がメインで夜はやっておりません。湯波を食べにいかれる方はお昼に。

 こちらのセットはお味噌汁の中にも湯波が入っておりました。一緒に入っているのはわかめではなくアオサ。味噌汁に湯波?と思いましたが、これが意外と美味しかったです。考えてみれば豆腐か。

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 冷えてた体にじんわりと温かい。湯波だと歯応えがあっていいですね。

 お漬物や小鉢ももちろん湯波丼本体も美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

 さて次はいよいよ本格的に観光ですよ!

ぐるぐるゆっくり日光詣:思い立ったので計画編

 GWから二週間が経ちましたがいかがお過ごしでしょうか。

 

 昨年のGWは流石にどこにも行かず、外出といえば近所の散歩ぐらいしかしませんでしたが、一年かかって何が高リスクで何なら大丈夫そうなのかというのが大体わかってきましたね。

 おしゃべりしながらご飯が一番危ないとか。
 黙って粛々と食事をするなら外食も大丈夫だろうとか。
 話すときは距離が近いと危ないよねとか。
 手洗い大事とか消毒しろとか。
 不織布マスクしようねとか。
 家庭内は正直どうしようにもないとか。
 逆に。
 
 逆にぼっち最強とか。

 

 我が県は緊急事態宣言も出ていないことですし?ここ二週間どころか何ヶ月も誰かと食事なんかしてませんし?

 そういうわけで行ってきました。

ココミル 日光 鬼怒川(2021年版)

ココミル 日光 鬼怒川(2021年版)

 

  日光。

 

 はーっはっはっは羨ましいだろ都民!!!!
 羨ましかったらバキッと患者数を減らすのだ!!!!

 そもそも計画したのが4月半ばという、こんな状況とはいえ流石にGW舐めてる時期だったので、飛行機距離はダメ、せいぜい新幹線という縛りが最初に入りました。そして東京以上にやばい大阪、京都、兵庫も緊急事態宣言中なのでナシです。

 名古屋方面でもまあいいのですけど何となく地元に帰る雰囲気になってしまって旅行感が減るのでナシ。友人に会うことはまだ出来ないですし。

 北かなー?

 あーでも北関東でまだ行ってないとこあるじゃん。 

yamagishi-tea.hatenablog.com

 前回の埼玉旅行の最後に書いたように、ずっと修復工事をしていたのが終わったと聞いて以来行きたかったんですよ日光。GWといったって30日は平日で学校もある。これは休み前半に日光行くしかない!!!

 ……ところで日光、どこ?

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 ここ。

 JRでもたどり着けますが基本的には東武鉄道の支配領域で、現地の足も東武バスになります。ああ、当然今回も電車とバスの旅です。レンタカー?危ないじゃないか。

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 いつものごとく雑に路線を引いてみるとこんな感じ。これだけでも関東の電車はごちゃっとしてますね。さらに各社乗り入れてるから田舎育ちにはどの電車乗ったらいいのか全然わからないんですよ。関東の民はどうやって整理しているのか。
 ともかく日光、そして鬼怒川温泉へ行くとなれば東武鉄道東武バスにお世話になることになるわけですね。

 そして旅程ですが、久々の旅行だし2泊かなーと思っていたところで「まるごと日光 東武フリーパス」なんてのを東武が出しているのを見つけてしまいまして。こいつが4日券なのです。つまり3泊分。

www.tobu.co.jp

 4日かぁ……日光〜奥日光で4日かぁ………時間余らない?

 中禅寺湖まで行くとなると……(電卓ぱちぱち)

 ……よしこの券で行こう!

 

 ってことで4日になりました。
 本当にフリーパスを使った方が得なのか、最終的な計算はしてないのでわかりませんが、フリーパスを買えば途中下車に対して気を遣わなくて良くなるのでこれでいこう、となりました。
 なおこのフリーパス、日光バージョン、鬼怒川バージョン、日光+鬼怒川バージョンなど色々取り揃えられておりますゆえにご興味のある方は(一文にもならない宣伝)

 

 いや私フリーパス好きなんですよ。
 今回はこの上ない観光地だけに東武バスも完全にSUICA対応していましたが、こう、旅先でバスに乗るときにいろいろ心配しなくていいというのは私にとってかなり大きなメリットで……ええ。

 

 日光まで行って3泊するなら1泊は鬼怒川じゃないの、という気もしたのですが今回旅行リハビリ的な意味もありますのでゆったり日光4日旅と相成りました。

 

 そうと決まればあとは宿の予約です。
 フリーパスのエリアも考えながら、初日は日光泊、2日目に中禅寺湖畔泊、3日目にもう一度日光泊。ゆるゆるですね。

 宿の予約状況からしてガラガラというわけでもなさそうで、それなりにお客さん入ってるっぽい雰囲気を感じました。もちろん宿泊者数を減らしている可能性はありますし、そもそも4月半ばでGWの日光に宿が取れるということ事態が異常事態なのかもしれませんけれど。

 っていうか素泊まりでも高いな!さすが日光だな!!いいよ出すよ!!!

 

 今回連れて行ったガイドブックは冒頭のココミルです。なんか私の持ってるのと外面が違うな……?でもココミルなので合ってるはず。
 薄くて軽くて割と使いやすかったです。「ココミル」という名前の通り観光スポットの紹介がちゃんとしてました。ことりっぷとどっちのがいいのかな。

 

 

 そんなこんなの日光詣。

 隣県には緊急事態宣言出てる中、一体どんな旅になるのか。

 宿以外はほぼノープランな旅のスタートです。

 

時計じかけのオレンジ - 選択の自由意志か、それとも社会の安寧か?

 来週からGWという状況において東京大阪京都兵庫に緊急事態宣言という展開となって参りましたがいかがお過ごしでしょうか?

 「人と会って話がしたい」という欲求とバチバチに相性が良い新コロウイルスですので連休狙い撃ち宣言発出も致し方ないですね、などと私は思うわけですが意外と賛否があるようです。「しゃべりたい」「飲みたい」という衝動とはこれほど強い物なのですねぇ。

 

 生活習慣病に対して「結果自分が病気になってもいいから不摂生させろ」という主張は前々からあり、こちらは増える一方の医療費問題との兼ね合いが常に議論になるわけですが、こと感染症については不特定多数の人を巻き込むため事態はより深刻です。
 それでも「知ったことか」「大丈夫でしょ」という人は一定数いて、宣言出したって友達と集まって宅飲みはできてしまう。こんな状況でも自制できない人というのは何かと理由をつけて自制しないものです。

 

 

 今回読んだ本は、社会全体から見た時に「より良いこと」を選択できない人、もっと言えば積極的に「悪いこと」を「悪いこととして」積極的に選択する人を強制的に選択できなくしてしまうことは許されるのか、という古今東西普遍的な議題を取り扱った本のうちの一冊でした。

 ここまで前置き、なっがいな!!

時計じかけのオレンジ 完全版 (ハヤカワepi文庫 ハ 1-1)
 

 時計じかけのオレンジ
 アントニイ・バージェス
 乾慎一郎訳
 ハヤカワepi文庫

 

 小説はお久しぶりですねー。ディストピア物だってことだけ聞いて買った本なので細かい内容はまるで知らなかったのですが、なかなかどうして世情にあった本でした。非常時ってのはどうしてもディストピアに寄りやすいってことですかね。多くのディストピア物、戦争中だったりするので。

 ……と書いておいてなんなのですが、この手の「個人の選択の自由」が問題となる本にしては珍しく本書の世界では戦争の気配がしません。ただ(もちろん)全体主義的社会ではある様子が集合住宅にかけられた労働賛美の絵画や「教化」という言葉などに見え隠れします。

 

 本書の主人公は15歳の少年アレックスですが、これがまあどこをどうしても擁護しようのない非行少年です。
 4人でグループを作り夜ごと薬をキメつつ破壊、強盗、傷害、強姦、喧嘩などなどを実に楽しそうに行います。愛用武器はカミソリ。しかもそれなりに頭が良く、きちっと買収によりアリバイを作るのでもう目も当てられない。
 「貧乏のせいだ!」というような話でもなく、両親は仕事してるし着るものも食べるものも家も自分の部屋もあります。音楽が大好きで部屋にはステレオセットがあり、クラッシックレコードがお気に入り。親受けする言葉、カウンセラー受けする言葉などをよく分かっていて、適当に取り繕うこともできます。タチ悪いぞ!!
 悪事に対して「これの何が悪いんだ?」と思っているわけではなくもう一段上(上?)で「悪いことが好きだから悪事を働く」タイプであり、自分のしていることが悪だと認識しながらそちらを選びます。曰く、

"善良"の原因さえよくわかっていないくせに、その反対のことがわかるわけがなだろう? 人々が善良だということが、その人々が善良を好むということだとすると、俺は絶対その楽しみを妨害しようなどとは思わないし、また同じことが反対側の場合にもいえる。そして、おれはその反対側を支持しているのだ。(p62)

 

 ……どうするよ。どうするよ、これ。
 本当に最初から最後まで救いようがない、を絵に描いたような人物です。

 

 でまあ、ついには強盗に入った先で捕まるのですが、その時に痛めつけた老女が亡くなってしまい、めでたく殺人犯と相成りました−というところで第二章へと突入します。

 

 この本は全三章で、主人公の日常と捕まるまでの第一章、刑務所での生活と「矯正」の第二章、出所してからの第三章という構成です。第二章の矯正パートでこれまたろくでもない矯正を受けるのはディストピアファンの皆様なら想像つくかと思います。ロボトミー的なあれです。
 作中ではルドビコ法と呼ばれている矯正方法で、気分の悪くなる薬と暴力映像を同時に摂取することで暴力=気分が悪いを擦り込みます。これにより血や暴行を見たり想像したりすると吐き気を催すようになり、その吐き気から逃れるために必死になって善行を想像するようになるという仕組み。脳みそをいじって善人にする仕組みでないことがポイントです。
 アレックスの性根は全く変わっていません。しかし「選べなくなる」。
 徹底して犯罪数の抑制と刑務所のゆとり確保のために作られたシステムです。

 

 さて……このような方法による意志の剥奪はどのように評価されるべきでしょうか。

 

 いやねー!この「矯正」方法、なるほどって思いましたよねー。「矯正法」という法律が施行されてるようですけどその実当人は全然矯正されてないもんねえ。でも行動だけは確実に変わるんですよねえ。この「気をつける」みたいな意識に頼らない解決方法、素晴らしいですね(現場並感)。

 現代社会でも意志、というより選択の剥奪はたとえば「収監」などで行われています。選択が物理的に取れる選択肢の形式ですね。
 この小説の中ではその選択が生理的な反応により制約される形式です。基本的には一生ものなので終身刑に近いですが、「善良であるなら」解放後の行動は自由であり、その意味では、あれっ人道的では……?という気にすらなります。でもやっぱり肉体に直接介入するのはちょっと……ううーん、と。この調整具合、上手いですよね。

 

 主人公の一人称語り形式で書かれているため保身っぷりも筒抜けとなっており、読者は全編通してクズエピソードや武勇伝()を聞かされ続ける立場になります。つらい。オリジナルスラングたっぷりなのもあって胸焼けしてくるレベル。
 しかし話が進み登場人物が増えるにつけ「いっそ清々しいな」という気持ちに段々となってきました。
 というのも、物語全体を通じて上から下まで右も左も全員がろくでもなく、善人が不在というかみんな身勝手です。主人公だけでなく警察から一般市民から研究者から政府から反政府団体からどこを見てもこの社会ダメだと思う程度には各々勝手に各人の主義主張に忠実です。
 でも現実の世界だって世の中そんなもんだよねー!!という感覚が常日頃からないわけでもなく、またこれが主人公自身の主義主張に対するカウンターにもなっています。

 

 ウルトラ身勝手な主人公が周りから好き勝手される様を見て、正直ちょっと胸がすく、のと同時に諦めのような感覚も伴って「これだから世の中ってのはよぉ……」と雑に感想を投げたくなる、そんな読後感でした。
 

 タイトルの「時計じかけのオレンジ」がなんたるかも作中でスパッと説明されているので謎は残らずその意味ではスッキリした本です。映画化もされてるらしいです。そんなに厚くないのでGWのお供にぜひ。

数学にとって証明とはなにか - 懐かしの定理の証明鑑賞会

 お天気荒れ気味の週末ですがいかがお過ごしでしょうか。

 わたしはまだGWの旅行立てておりません。どーしよ。

 

 

 さて読書感想文()も久しぶりですねー3月に読んでいた本が上下もので、まだ上巻しか読んでいなくて感想書けないのです。ということで一旦その上下本をお休みして読み始めた本がこちら↓

 数学にとって証明とはなにか ピタゴラスの定理からイプシロン・デルタ論法まで
 瀬山士郎
 講談社ブルーバックス

 

 本の前半は証明の定義と論理展開パターンの提示、記号論理学の紹介と算数の振り返りが展開され、後半で幾何学解析学代数学の基本的な証明を鑑賞する、といった構成になっております。論理展開の部分は演繹・帰納・仮説論理と背理法の説明です。背理法を引っ張ってくるためのパートですね。でも本全体からし記号論理学パートは必要でしたか……?ここ後半との繋がりが無くないですか……?(ボソッ

 

 数学にとって証明とは何か、というタイトルテーマへの答えは第1章で辞書からの引用によって示されます。曰く、

 「いくつかの事実を前提にして、論理的に結論を導くこと。見出されたあるいは予想された数学的事実を、間違いなく確立するための手続きであると同時に、数学的事実の意味、内容、意義、他の事実との関係などを明らかにする手段でもある」
(岩波数学入門辞典 これ↑は孫引き)

だそうです。前半は一般に証明と聞いてイメージすることでしょう。後半の「数学的事実の〜」から先が重みのある部分ですね。ただ手続きであるだけでなく、その意味やら他の事実との関係を読み解く手段でもあると。
 著者も強調するのはここで、形式的な記号捜査はもちろん大事だけど、その計算が意味するところを理解する=何をしているのか説明できることも同じだけ大事、と強めに訴えています。特に初等教育に対するこだわりが見てとれます。

 

 

 普通の辞書でもそうですが、当たり前であるようなことの説明は意外なほど難しかったり、或いは回りくどかったりします。
 中学に入って最初に出てくる証明は簡単な幾何学でしょう。三角形の合同・相似・二等辺三角形の底角定理、平行線の性質。天下り的に出てくるこれらの定理を「では証明してみましょう」というと、どうしても中学数学の範囲を飛び越してしまうところがでてきます。この本によれば、ややもすれば循環論法に陥っている部分もあるようです。
 この辺りをどう回避するか、というところのアイデアでパッポスの裏返し法やユークリッドの「原論」を参照する辺りは面白く、これそのまま中学の教科書に載せてもよくないか?と思ってしまいます。
 教科書には教科書の都合もあるでしょうけど、中学生でもまあ思いつけってのは酷かもしれませんが読めばわかりますよね?コラムにでもあれば良いのになぁ。面白いじゃないですかひっくり返すなんて。見せて欲しいですけどねぇ。

 

 この本の特徴として、全体を通じて「教育の中でどのように証明を扱うか」という視点の話がよく出てきます。「数学にとって証明とはなにか」というより「数学教育にとって証明とはどのようなものか」という本なのではと途中で疑ったほどです。
 どうやらこの著者は教育大学を出ている方のようですが、そのせいなのかどうかはよくわかりません。教育大学の理学研究科って何するの。教育学なの数学なの。
 独特な視線、と言えばそうですし、今何の話だったかわからなくなりがちとも言えてここは一長一短ですね。

 

 代数学の最後の方は「円板」なる考え方が現れてもう全くついていけなくなったのですが(本の中でもあまり説明がなくて紹介だけ)、鑑賞パートは中高でみた定理が沢山出てきて懐かしい気持ちになる本でした。