100年前の日本

県内先週も積雪予報が出ていたけれど、 海沿いの街に雪なんか降らないよ! さて、だらだら読んだ本。 第一次世界大戦と日本 井上寿一 講談社現代新書 WW1本です。 新書の薄さにしては実に内容盛りだくさんでした。 WW1からの日本の政治・外交・軍事、に留まらず、 経済やそれに伴う社会の変化、 庶民の文化ついても書かれていて 100年前の日本の様子をざっと見るにはとても良い本です。 100年前というと、 人生70年であることを考えるとさほど遠くない気がしてしまいます。 でも実は今日からWW1まで遡ることになるんですね。 この辺の時代いろんなことが一気に起こり過ぎで 余計に長く感じる100年であるとは思いますが。 もともと外交面に興味があって 手に取った本だったんですが、 経済の章が思いのほか面白かったです。 バブル経済なんですよね、WW1の時の日本って。 大戦景気で成金が出てきて 笑ってしまう様な放蕩っぷりを見せる。 狂乱とも言うべき盛り上がりが、 終戦によって一気に不況に突き落とされる。 私は物心ついた時から日本は不況だったという世代なので バブルってどんな感じだったのか分からないんですが、 こんな感じだったのだろうかなあ……。 乱痴気騒ぎって見てる分には楽しいですよ巻き込まれたくないけど。 元々の目的である政治外交についてもがっつり楽しめました。 世界を相手に戦っている人たちの、 平和を祈る純粋さと アメリカを手本とした「民本主義」への情熱が眩しい。 今から思うとそれは危険だよ、と思うこともあるのですが、 最前線の必死さというのが伝わってきます。 ほんとに20世紀は大変な時代です。 おわりに、にはWW2前夜の政治・軍部の動きなどが書かれています。 ここは考えさせられた。 「国家総動員法は国による富の再分配」か…… 戦後70年。 まだちょっと、外から眺めるには早いかもしれない。 といって、あと30年経てば、WW2から100年となるわけか。 時間感覚ってめちゃくちゃですね(苦笑