フォッサマグナと日本列島の成り立ちを夢想する

 

チバニアンどうなるの。

 

 

ご無沙汰しておりましたブックレビュー。

いやしばらくちょっと教科書みたいな本を読んでまして……

レビュー書くようなものでも無いというか勉強足りなくてまだレビューできないので……

 

その後久しぶりに読んだ新書がこちら。

 

フォッサマグナ 日本列島を分断する巨大地溝の正体

藤岡換太郎 著

講談社ブルーバックス

 

 

GWに行ってきた糸魚川に引き続いてのフォッサマグナネタ。

本屋ぶらついてたら目に入ったのでタイトル買いしました。

著者は地質学者だけれど専門は海洋科学の人。

「しんかい」に50回以上乗ったという。すごい。

この本以外にもブルーバックスから色々と本を出しているらしい。

 

中身ですが、

 

あれっこんな話ミュージアムにあったっけ?

 

という話盛りだくさんでした。

特にフォッサマグナが南北で全然成立過程が違うっぽいという話。

 

日本列島が東西でかなり地質が違うってのは記憶にあったんですが、

フォッサマグナ南北の話は初耳でしたね。

ミュージアムで見落としたか。

展示してた石に夢中でパネルちゃんと読んでなかったか。

 

 

フォッサマグナ東端よろしく南北の境界もはっきりとはしないのですが、

北側(諏訪湖以北くらい)はかつて日本海の底だったものがその場でぐにゃっと隆起したのに対して

南側(韮崎以南ぐらい)は南からフィリピン海プレートが激突したことで

プレートに乗っかっていた海底火山ごと剥ぎ取られて持ち上がったという……

 

この辺までは地質調査から結構はっきりしているのですが、

「ではなぜうん千メートルの地溝帯ができたのか」

「あんな切り立った山々がそびえ立つようになったプロセスは」

「この地形が壊れずに残っている理由は」

中央構造線がハの字に折れててしかもフォッサマグナで一回消えてるんだけどなんで」

というような話についてはなかなか結論が出ないようで、

この辺り、特にフォッサマグナ形成史ついての考察が筆者によってなされているという本。

 

 

日本列島がどうやって今の形になっていったのか、

大陸の端から剥がれて日本列島と日本海ができていくプロセスが

フォッサマグナに大きく関係していることはいうまでもありません。

そもそも二つに割れてた日本列島を繋ぐように間にあるのがフォッサマグナです。

よって途中日本列島形成史の様相を呈します。

日本海でぼんぼこ火山が噴火していて海を押し広げたらしいです。

 

海洋学者らしく、日本の海溝についてべらぼうに詳しいのが透けて見えます。

プレート移動について、海底の地形についての説明では筆乗ってます。

でも正直図が欲しい。

ページの上半分常に図でもいいぐらい。

地学弱いんだ………地学の知識中学生で止まってるんだ………

用語に慣れるまでがちょっとしんどかったですね。

仕方ないのですが。

地球ってすごい。

本文中に出てくる時間スケールがMa(百万年)。

 

最後にまとめられた「フォッサマグナが今の形になるまで」、

終盤は著者の言う通り空想に近いと思うんだけども、

一般書なんで思い切ってこれぐらいのストーリーを描いてもらったほうが面白いかなと。

私は好きです。

何度も「これは仮説に仮説が重なっていてもう荒唐無稽な話」と繰り返されるので、

鵜呑みにすることも無いでしょうし。

 

 

昔地球儀ぐるぐる回しながら

「あーアフリカのこの辺そのうち割れそうだなー」

と思っていた古い記憶が思い出された、そんな本でした。

参考文献が充実しているので、ここを足場にすると良さそうです。

 

 

 

あと糸魚川はリベンジしたいなーーー!!!