現場系、初めてのリモートワーク

 GWも明けて5月も3分の1が終わろうとしているところ、皆さん元気に在宅ワークしてますか。

 

 緊急事態宣言はほぼ誰しもが当初から予想していたように1ヶ月で収まるわけもなく、さらに1ヶ月の延長が決まりました。1ヶ月後どうすんだろうね?と言う話はさておいて、自分の職場は特定地域にあたり、これまで同様の感染対策が求められております。

 そんな中で自分の勤める会社はと言うと、化学系メーカーに分類されるBtoBな業種でして、作ってるものとしては生活必需品かというとそうでもないのですが、製品の一部は皆様の自粛生活に欠かせないものとはなっています。でも弊社製品がないと人が死ぬかというとそうでもない。

 で、具体的な日々の仕事は実験をすること、になります。

 自分は技術系総合職になります。転職経験があるわけではないので他社がどうしてるのか知らないのですが、基本的なお仕事は製品開発で、日常の流れとしては打ち合わせして実験してデータとって分析してまた実験して他部署さんに評価してもらって打ち合わせしてまた実験して、です。

 

 「働き方改革だ何だと言ったって、出社しなきゃ仕事にならない」

 

 新コロ前までは、こんな感じでした。もちろん政府の大号令とメディアの煽りによって重たい腰ながらも在宅勤務制度が出来たりだとかはしていました(これは今回めちゃくちゃ役に立った)。だけれども、特に技術系職員の間では全然普及が進んでませんでした。できる部署も中にはあろう、しかし我々はデータがなきゃお話にならない、というわけです。

 

 でもね、こんな社会状況になるとね、そんなこと言ってられないわけですよ。

 

 前置きが長くなりましたが、この記事は

 「手を動かさないとどうにも仕事にならない職種の人間が、今回のCOVID-19騒ぎを受けて否応なしに始まったリモートワークの右往左往について現時点での備忘録を書く」

というものです。名付けて

 「現場系、初めてのリモートワーク」

 

 ……現場というには、ちょっとイメージ違うだろうけど、まあいいか(てきとう)

 

 

 第一波が2月末。「3月からの小中学校臨時休校」です。

 日本中がひっくり返ったであろうこの要請により、子供のいる職員へ「子供はどうするのか、配慮がいるか」等の聞き取り調査が行われます。また偉い人から「感染対策と部署閉鎖回避策をとってね」とのコメントが出ます。これにより会議室を整理して一部のグループが移動したりしました。

 しかし一方で、リモートワーク本格導入という話はあまり出てきませんでした。そもそも巷で言われているように子供のいる環境では仕事にならないという話もありますし、こういう仕事だというのもありますし、怪しい気配はあったにせよ、みんな願望込み込みで「まさか出社停止になんかならんだよな……よな?」と思っていました。

 

 なってしまいましたね。

 

 安倍総理大臣から緊急事態宣言の発出があったのが4/7。このときに示されたのが「最低7割、できれば8割の接触者減」でした。

 こうなっては「どうなるか分からんがとにかくやるしかない」ということでリモートワーク対応の体制が急激に構築されます。作っておいてよかったね在宅勤務制度。導入しといてよかったねOffice365。電車通勤者が一足先にリモートワークに入り、最終的には「COVID19特別勤務表」が作られました。

 この特別勤務表、要するに「出社日数を1/3にする」ものです。署員を3分割し、ルーティンで出社。流石に完全在宅は無理ってことでこうなりました。

 

 「接触者8割減なら1/3は減らしすぎじゃん?それだと9割近く減るじゃん?」ってツッコミを入れるだけの猶予はこの時既に無く、いやもちろんより減らした方が良いに決まってるのですが、電子機器の持ち出し申請などをばたばたとしつつ特別勤務体制に突入。

 

 んで、ここからが問題なのですけどね。

 

 暇なんですわ、家。案の定。

 

 考えてもみて欲しい。

 個別実験データのまとめ、これまでの研究結果のレポート。これを機に書いてみるのも良い。でも、ストックが切れたら、終わりです。新しい企画構想?今の仕事すら回せない状況なのに?製造現場も間引き運転になってるのに?

 結果的に、特許を読むとか、ネットの海でつかそうな情報を探す旅に出るとか、いっそ教科書を読むとか、そんなになります。そりゃたまには会議もあるけど。管理職は多分調整に次ぐ調整でめっちゃくちゃ忙しいんだろうけど。これを機に勉強。そう言えば聞こえはいいけど……絶対にどこかで限界が来ます。

 

 メーカー特有の長めのGWもあったせいで、特別体制が始まって正味2週間ちょいです。リモートワーク、正直しんどい。出社したいと思う日が来るとは思わなかった。

 しかしその出社日も、中々ままらない感覚があります。出社日は貴重な実験日、当然どうしてもその日にやらなければならない仕事をすることになり、ちょっとした予備検討とか遊び実験とかそのための仕込みとかが出来なくなります。余力が削られていく感覚があり、精神衛生的にもよろしくないですしおそらく会社としても体力が減っていっているのだろうなあと思います。

 もちろん慣れもあるでしょう。そんなこと言ったって適応するしかないのだから、在宅の間に「インプットした情報を身に着けて仕事に生かす方法」を会得したいなあという個人的な目標もあります。良い歳して何言ってんだと怒られそうですが自分いまだにこれが苦手なので。乖離してんだよなー。

 

 話はそれましたが、つまるとこ現状、

・現場系は家でやれることが思っていた通りに少ない

・勉強してもそれを試す機会がない 

・出社日は貴重だが遊びが一切ない

 という感じです。このような状況の中でも仕事を進めていけるようにしていかねばなりません。世間からしてみたら不要不急率が高いかもしれませんが、それでも我々の会社が存続して我々が生活していけるように。

 

 初めてのリモートワーク、滑り出しは前途多難ですが、こうやって書いてるとどこがやりにくいのかわかってきた感覚があります。文字に起こすの大事ですね。慣れるのと宣言解除とどっちが先かな?などと考えつつ次の1ヶ月が明けたときに「じゃあリモートワークの間の成果物出して」とかいきなり言われても困らないようには外面整えておきたいと思います。