今更ですけど2021年ノーベル賞結果

 休みの日の昼ごはんは悩む。

 

 

 さて10/4~11の1週間(除土日)で今年のノーベル賞が発表されました。

 去年はこんな感じ↓で、ペンローズに沸き立ったのが印象的だったのと、化学は生化学っぽくCRISPER-Cas9でした。

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 んでまあ、この去年の生理学・医学賞が肝炎ワクチンの開発に対して送られたので、「世情かなあ」と思っていたのですが、今年は今年でmRNAワクチンが来るんじゃね?なんて下馬評もあったりしました。
 ただ選考時期を考えると間に合わないんじゃないかとか、まだ世界的にみて沈静化したとは言えない状況なので時期尚早といった意見も見られていました。

 

 では行ってみましょう。遅くなりましたが、今年のノーベル賞は……

 

●生理学・医学賞

「温感と触覚の受容体の発見に対して」
デビッド・ジュリアス氏 アーデム・パタプティアン氏

 

●物理学賞

「複雑な物理系の理解に対する多大なる貢献に対して」
・「地球環境のモデリング・変動の定量化・地球温暖化の確度の高い予測に対して」
真鍋淑郎氏 クラウス・ハッセルマン氏 
・「原子スケールから惑星スケールまでを含む物理系での無秩序と揺らぎの相互作用の発見に対して」
ジョルジョ・パリジ氏

 

●化学賞

「不斉有機触媒の開発に対して」
ベンジャミン・リスト氏 デビッド・マクミラン

 

文学賞

植民地主義の影響と、異なる文化と大陸の間に置かれた難民の運命についての、妥協のなく、しかし思いやりを持った洞察に対して」
アブドゥルラザク・グルナ氏

 

●平和賞

民主主義と永続する平和の前提条件たる表現の自由を守る努力に対して
マリア・レッサ氏 ドミトリー・ムラートフ氏

 

●経済学賞

労働経済学への実証的貢献」
デビッド・カード氏

「因果関係の分析に対する方法論的貢献」
ヨシュア・アングリスト氏 グイド・インベンス氏

 

 

 ってことで今年は真鍋氏受賞に沸きましたね。おめでとうございます。

 基本的にノーベル賞の文字情報は公式twitterが一番早いので大抵発表の時は自分もtwitterにいるのですが、なにより地学・気象学分野がとったというのがビッグニュースとして駆け巡りました。かなり意外なところから来た感じ。
 真鍋氏の功績は「地球温暖化の予測」と言われておりますが、予測というか気象のモデル構築の方に力点のある話であるようです。気象というのは軍事データにからむことでもあるので、なかなかデータ利用が難しかったであろう時代背景、さらにコンピュータが今ほど優秀でもなく一般的でもなかった頃によくこんなことできたなと思います。この辺、米国に行った理由でもありそうですよね。

(日米の研究環境について色々おっしゃってますが、そのまま真に受けない方がいいと思われる。今は色々と違うでしょうし。参考にすべき点はあるとしても。)

 物理学賞についてさらに言えばみんなが首を傾げたのが「なんでこの3人の組み合わせ?」というところで、「Complex System」……複雑系、と束ねてみたところでどうにも無理矢理感は否めないです。とるべき人を並べてなんかお題目つける、みたいな雰囲気ですね。それだけ詰まってるんでしょうけど。

 

 生理学賞は基礎的な研究に対してでした。

 温感の方は「カプサイシン受容体の発見」「『辛い』と『熱い』は同じセンサー」とも取れそうですが一応お題目は「カプサイシンを使った温感の受容体発見」です。これを使って何度で人間の「熱い」センサーが開くのかを明らかにしたとか。なんだろう、カプサイシン量と温感の相関とか取れてんだろうか……この辺の実験方法はまだよくわかってないです。
 人間の五感センサーの発見はこれまでもノーベル賞をとってきていて、今回触覚と温感がとったことであと残りは味覚だけとなりました。一時期「舌の味覚マップ」なんてのが流行りましたがあれも結構間違ってたということがわかっており、今後受賞があるのかないのか気になるところです。

 

 そして注目すべきは化学賞ですよ化学賞!!!!

 

 こんな王道にくることある!?ってぐらいの有機化学ど真ん中です本当におめでとうございます。TLのテンションも高いのなんのでした。

 不斉触媒というと野依氏のBINAP錯体が思い出されるわけですが、あれは金属原子を含んでいました。何が問題って高いんですよああいうの。あとやっぱり金属含んでるのは毒性的によろしくないんでないか、という感覚もありました。しかし不斉合成、化合物の立体配置を制御するには金属が必須だと考えられておりました。
 それをものすっごく単純で小さな純有機分子でできることがわかり、「有機触媒」という概念を打ち立てたのがリストとマクミランということになります。

 いまさら反応系来るとは思ってn

 かっこいいですよーマクミラン。なんせ「マクミラン触媒」という名前になってるぐらいの人です。

            f:id:yamagishi_tea:20211017132127p:plainマクミラン触媒、これです。シンプル!

 これだけど真ん中だと解説記事も出るわ出るわ。ケムステさんあたりが詳しいので乗っけときます。

www.chem-station.com

 

 

 あとちょっと今年の経済学賞面白そうですね。経済学の「実験」に関する内容とかで、キーワードは「ランダム化」らしいです。自然科学のようにはいかない実社会のことですから、どう扱っているのか結構気になります。なんか新書ないかな。

 

 

 以上、今年のノーベル賞でした。また来年。

 

ワクチン接種副反応覚書

 10月も半ばだというのに暑いですね。

 

 どうもこんばんは。
 爽やかな秋の日というのは元々少ないものですが、今年は特に無い気がする、と、毎年言っている気もします。一方で明日と月曜の朝が非常に冷えると聞いており、寒暖差で風邪ひきそうなので気をつけていきたいものです。

 

 

 さて先週の土曜に新型コロナウイルスワクチンの2回目を打ってきました。

 

 あー、風邪引いた時のあの体が痛くてだっるいのってウイルスにやられてんじゃなくてどちらかというと免疫反応のせいなのねー

 

 ということがよーーーく分かった接種後でした。

 経過としてはおそらく非常にスタンダードなやつだったと思います。土曜の午後の接種だったのですが、日曜を寝て過ごして月曜にはケロッと。
 以下覚書をしておきます↓

 

接種後3時間土曜夕方:腕が痛くなってくる。
接種後6時間土曜夜:体温測ったら36.8℃ 上がってきたか?お風呂はいる。
接種後9時間土曜寝る前:36.8℃と変わらんのでこのまま寝る。
接種後15時間日曜明け方:なんか暑くて目が覚めるも眠かったので枕元のポカリ飲んでそのまま二度寝
接種後17時間半日曜朝:起床……だるいわ全身やんわり筋肉痛だわ……38.0℃。

→氷枕がわりの大きな保冷剤セット。食欲あるも動くのがだるくて30分ぐらいごろごろするも三度寝は無理だったので桃缶を開けることにする。子供の頃から体調不良時には桃缶でした。

接種後18時間半:37.9℃。まあ1時間では変わらないよね。持病の薬と解熱剤を服用。下がるかな?まあ今日はベッドの上だね。
接種後20時間:37.8℃。解熱剤としてはあんま効いてない気がするけど体の痛みは多少楽になってきた。ポカリをちまちま飲む。暇。
接種後23時間日曜昼:薬の効果か体のダメージのせいか寝落ちしていた。36.9℃。おっかなり下がってるじゃん。

→お腹すいたので昼食にはレトルトおかゆを動員。普通にご飯食べられそうだったけど、賞味期限切れててん。解熱剤そろそろ切れる頃だけどひょっとしてもう大丈夫なのではと特に飲まず。保冷剤が溶け切っていたので交換。この日は気温もそれなりだったのでクーラーをつける。

接種後25時間日曜午後:36.6℃。これはもう下がりましたね。でも体のだるさ・重さ・筋肉痛は取れない。ずっしりしている。おかゆは消化がいいせいかお腹すいたので桃缶の残りをかじる。暇。
接種後29時間日曜夜;お腹すいたので夜ご飯にうどんを作る。素うどんではなく一応トッピングも作ったけど結構台所に立つのはしんどかった。まだ全身の回復はしていないようだ。熱は下がったけど体が痛いので頭痛薬を飲む。麻痺させてくれればそれでよい。
接種後31時間半:おふろー36.1℃。体はまだ重いけれど朝には治ってそう。
接種後41時間月曜朝:36.2℃。だるさなし、筋肉痛らしき痛みなし、腕だけは相変わらず痛いけどこれは多分1週間ぐらい残るやつ、よって出社。

 

 とまあこんな感じでした。患部(?)近辺の痛みは予想通り大体1週間ぐらい後を引きました。1回目のワクチンの時もそうだったんですよね。

 

 今回久しぶりに38℃台に乗り、「あーそうだインフルってこんな感じだわ」とか「桃缶うめえ」とか「病人って暇だな」などといった懐かしい感覚を思い出しました。
 ちょっとおもしろかったのは、二度寝時の夢の中で熱中症で死にかかってたことですね。熱中症で死にかかった経験はないはずなのですが。一度目に起きた時体温測らず寝てしまったけれど、あの時から高かったんだろうなあ。

 「ワクチン二度目はやばい」という情報は身の回りからもネットからも得ておりましたので、丸二日は倒れてもいいようにOS1とかゼリー飲料とかカロリーメイトとか色々用意しておりました。結局ポカリ1本とおかゆ1パウチしか消費しなかったのは、まあいいことではあるのですが、なんだかもったいない気持ちにもなりました。どうすんだよこれ。

 

 ともあれお疲れさまでした、ということで、接種から2週間後に当たる来週末以降、近場の温泉にでも行こうかなと計画中です。
 涼しくなってきたし。
 ほらどうせぼっち旅行で黙食だし?
 連休ないから遠出はできませんが、旅行サイト巡回しつつあれこれ考えるのは楽しいもんです。

 

 温泉行くぞ温泉ーー!!

 

 

 

 今回食べた桃缶。シロップ漬けの桃はちょっと特別な感じがするものです。(ヴェ○タースオリジナル的なあれ)

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生存報告とかイグノーベル賞とか

 えーーーーご無沙汰をしております。

 

 丸1ヶ月、以上ぶりですね。こんなご時世ですので更新ないと死んだかと思われそうだなと思い、ネタがあるわけではないのですがこうやって投稿してみる次第です。寝込んでもいないです。元気です。

 あ、本は読んでいるのですが、ちょっと心理学が絡んできていて難儀しています。背景知識がなさすぎてしんどいやつ。さらっと飛ばすべきなのですがねー。

 

 ぼんやりしているうちにオリンピックもパラリンピックもお盆も終わってしまいました。オリパラ、いろいろ物議を醸しつつも大事なく終わってよかったなと思ってます。

 アスリートの方にとっては人生のこれまでもこれからもかかったイベントであることは重々承知しているので、そういう意味では、やれてよかったねと素朴に思います。

 

 

 あとイグノーベル賞ですよイグノーベル賞

 磁場で宙を舞うカエルとか猫は液体とかバナナの皮とかパスタは三つに折れるとか多重下請け暗殺依頼で有名なIgNobel賞の発表がありました。今年も引き続きコロナの影響でオンライン発表、あの「考える人が台座から転げ落ちている絵」にも不織布マスクが追加で描かれております。

 日本人が常連であることでも知られていて、今年も例によって日本の方が受賞されました。動力学賞ですね。おめでとうございます。自分で組み立てるペーパークラフト歯車トロフィー(PDFファイル)と10兆ジンバブエドル(廃止済)をTwitterにアップされていたのを見ました。

 全体を通して、物理学賞と動力学賞が「人の流れをどう見るか」という視点の違いで対になってる感じが面白かったですが、例年比真面目な感じでしたね。皮肉部門もなかったですし。それともアメリカンジョーク的にはどこかが大爆笑ポイントだったのでしょうか。

 笑いの感性は国ごとに結構違いますから断言はできませんが、反応を見ていても日本人的には「今年は割と真面目だな」と思った方が多かったようです。

 本家ノーベル賞は10月の4日からですので、そちらも乞うご期待。

 

 

 ということで今回はこの辺りで。

 10月から仕事が増えそうで既にげんなりしておりますが、今後とも体調管理には気をつけて、ぼちぼちやって参りましょう。

 

生物はなぜ死ぬのか - 寿命は何で決まるのかを総浚いする一冊

 オリンピック開幕しましたね!!
 おそらく誰もやらないだろうと思っていた今回のオリンピック。タイミングも悪く東京緊急事態宣言という状況下で「やるの?ほんとにやるの??」と言いながらスキャンダル的なあれこれで直前までゴタゴタしつつ、何とか始まりました。
 思うことはありますが、選手たちの表情を見ると、とにかくやるからには大事無くよい大会になりますようにという気持ちが勝ります。がんばれ!

 

 さてだいぶご無沙汰でしたねー読書記録。

   生物はなぜ死ぬのか
   小林武彦
   講談社現代新書

 

 最近講談社Twitterでよく見かけます。今一押しなのでしょうか。所持している本では帯の煽りが「最先端サイエンスの果てに見えたのは現代人を救う”新たな死生観”だった」となっており、読み手の死生観に訴えるような本にしたいという著者と出版社の思いが伝わってきます。

 

 で、そんな衝撃的な一冊なのかというと少なくとも自分にとってはそうでもないな、というのが読後感です。いや斜に構えているわけではなく。割と納得感があり、まあそうでしょうね、と思うことが多かったです。もちろんここで提示されている生物が死ぬ理由は現段階であくまで仮説であり、今後研究が進んで変わってくる可能性は大いにあります。

 

 本の構成としては

1. 地球上での生命誕生のメカニズムとDNAの基礎
2. 多細胞生物の登場と生物種の絶滅パターン
3. 個体の死に方パターン
4. ヒト、特にヒト細胞の死に方メカニズム
5. 生物の死をどう捉えるべきか、そしてアンチエイジングの可能性

の全五章立てになっています。
 自然淘汰と選択と進化と多様性がキーワードで、「死ぬ方種類の方が優位であったから死ぬ種が残ったのだ」「死によって子孫の多様性を確保できる種が優位である」という方向の論です。

 

 このように全てを結果としてみるやり方は個人的には違和感は小さく、大テーマに対しては「な、なんだってー!!」という衝撃はなかったな、と。また二章あたりの絶滅の話は頭の中?でした。絶滅は生物の進化を促したかもしれんけども次代は子孫には当たらないわけで……どうなんだこの論?

 一方で4章を中心に展開される「分子レベルで現在わかっている死のメカニズム集」は結構知らなかったこともあったのでその辺りは楽しかったです。

 

 「生物はなぜ死ぬのか」という表題自体考えるほどそもそもどういう答えを念頭に置いた問いなのかがわからなくなってきますが、この本のように「より多様な、結果として多くのDNAを残せるような種が滅びずに来た結果である」とするときに立ち上がってくるのは「核酸なるものの不気味さ」であるように感じます。
 原初の海で短いRNAとタンパク質のブヨブヨした塊ができて以来、わざわざ外界からエネルギーを取り込みながら複製を繰り返すこの物質。あるいは、これを駆動し続ける化学反応。化学反応なんていうものは条件が揃えば条件に従って進行するものなのでそこに意味なんてものは存在しないのですが、思わず「意味わからんなこの反応」と呟きたくなります。
 「DNAが増えるような特徴を持つ個体が残ってきた」からもう一段化学まで落とせないかなーと考えるのですが、あくまで進化は統計的な圧なのでちょっとそのまま言い換えは出来なさそうなんですよねえ。複数個体を外界共々まとめて系にして「DNA複製を伴う一連の化学反応が自由エネルギーをより負にする(だから系全体でよりDNAを増やすような反応が熱力学的に優位である)」とか書けたら面白いんですが流石に無理がある。外乱要因大きすぎるし。まあDNAに多様性が生じる方向の方が確かにエントロピー的には?有利かな?(まだ言ってる)

 

 文章は特に序盤にやや情緒的なのもあって、ガチガチサイエンスではなく茶飲み話っぽい雰囲気のある本でした。

ぐるぐるゆったり日光詣:4日目最後は再び日光市街でうろうろ

 あっつくなってきましたね。

 

 日光旅3日目、中禅寺湖後半戦はこちら↓ 

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 そして長らくかかった日光旅レポも4日目最終日です。

 当初予定していたのは霧降高原とか大笹牧場へ行くつもりだったのですが、また寒さに凍えることになるだろなーという感触がものすごくしたので結局日光の市街で散歩することにしました。

 

 お天気もまずまず良い天気。バスに乗って「西参道」まで行き、そこから歩いて少し。

 

>>> 金谷ホテル歴史館

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 日光を牛耳る金谷ホテルが始まったところ。記念館ですね。ご多分にもれず横にホテルベーカリーがあり記念館の入口はそちらにあります。

 創業当初のカトラリーやタイプライターなどが飾られている展示室を抜けた後、当時のお宿を見学することができます。文明開花直後で外国人向きの宿がなかった時期にサービスを開始した宿。当時の名前は「金谷カテッジイン」。
 創業者の金谷氏がここを宿にする明治以前、江戸時代には奉行所の役人が住んでいた武家屋敷だった建物で、故に作りは完全に日本の家屋。やや珍しい二階建てです。
 内部は武家屋敷だったことの名残りか、さらに建て増しもされている影響かちょっと複雑な構造になっていました。歩いてるうちにどちらから来たのか一瞬分からなくなるような感じ。元々の玄関付近はわざと天井低めに作ってありましたし。

 宿泊者として一番有名なのがイギリスの女旅行家イザベラ・バードです。「日本奥地紀行」という手記に当時の宿が登場するらしい。読んだことないねんなイザベラバード。読んでみようかな。

 

 めちゃくちゃ広いわけではないけどきちんとしたお庭。

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 このお宿は結局開業から20年で移転します。その移転先が現在の神橋側にある金谷ホテルです。金谷ホテルはその時から西洋式のホテルだったと言いますから、時代の流れが速かったのですね。

 

 庭を堪能したら続いての場所へ。

 

>>> 日光真光教会

 金谷ホテルからすぐのところにあるのが大正時代に建てられた教会、日光真光教会です。建物全体に静かな雰囲気があり、完全に観光地化しきってない感じがしました。

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 この↑写真に写っている部分だけの小さな教会です。ゴシック様式というやつでしょうか。質感といい色合いといい、石積みの外壁がぐっときます。

 

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 教会といえばステンドグラス、ですがこれは絵柄が随分慎ましいですね。かわいい。

 教会の中がなんとなく薄暗いのってステンドグラスを引き立たせる効果があると思うんですよねー。もちろん教会というのは昔っからある建築なんで室内は暗いものというのが前提ですが、うまく演出してるよねって感じがします。私の勝手な受け取りです。

 

 ちょっと戻る形になりますが、先程の歴史館入場券が割引券になるということで御用邸へ。

 

>>> 日光田母沢御用邸記念公演

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 元紀州徳川家江戸中屋敷です。明治になって皇室に献上され、一時赤坂離宮となりましたがその後仮皇居・東宮御所としての時期を経て解体。建物の主要部分だけここへ移築し、さらに新しく増築、という経緯を持つ建物です。
 建築の世界って気軽に「移築」って言葉が出てくるけどどうやるのか全然知らないん……

 

 大正天皇東宮時代にご静養のためにご利用するとなった際に造営され、以降昭和22年まで皇室の方々がご利用になった由緒正しき御用邸
 いまでは普段は公園となっていますが綺麗に手入れされおり、なんとつい2年前の今上天皇即位の際にも三種の神器の受け渡しの儀式に使われたというのだから皇室ゆかりの建物として現役です。
 中にも所々に警備兼解説の方?がいらっしゃるのですが、制服がビシッとしててな…

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 MIYABI!!

 あのですねーーーこの建物ですねーーーやっぱり格が高くてですねーーー装飾がいちいち凝ってて綺麗なんですよねーーー!!!

 建物って気品を纏えるんだな!という驚きです。いや今まで旅先で色々と寺社仏閣やら歴史的建築やら見てきましたけど、こういう方向性はなかなかないですね……

 

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 ゴテゴテはしていない、しかし襖の取手一つとってもこう、という。おしゃれ。 

 あと、さすがに広いですね。天皇家の方々が生活するとなればお付きの人々もそれなりに必要なのでしょう。

 そこかしこに「〇〇の間」という解説案内板が立っているので読みながら回っていると結構な時間がかかります。

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 奥は大正天皇の謁見所。
 ザ・和風建築!と思う部分もあれば内装でかなり洋風に仕上げられている部屋もあり、良い具合に和洋折衷でモダンな雰囲気がします。明治から大正期に作られるとこういう和洋折衷な建築になるんですねえ。

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 一面白梅の壁、でも照明はシャンデリア、床は絨毯。このハイブリット、すごいですよね。部屋やエリアの格によるところもあるのだと思いますが、床は絨毯だったり板の間だったり畳だったり色々です。

 

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 お2階。ここが剣璽の間。平成から令和になる際に三種の神器のうち剣と勾玉の受け渡しが行われた場所です。思ったより簡素な部屋。なお鏡は神宮でお留守番です。
 なんかこうもっと如何にも儀式をする部屋らしい重みのある部屋を想像してました。意外や意外、窓辺の明るいお部屋です。このまま行われたのでしょうか?しかしさすがにこれだけ時代が近いとなんだか恐れ多いですね……(だが写真は撮る)。

 

 室内をたっぷり見学したのちはお庭も見せていただきます。

 ケロケロと声がしたので丁度いらっしゃった係の方に「蛙が鳴いていますね」と話しかけてみたところモリアオガエルが居るとのこと。木の上に泡で包まれた卵を産む蛙だそうです。そんなカエルいるんだ。
 数が減っている種だそうなので、このお庭はそういう意味でも大事にしたいですね。

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 室内からもよく見えるめっちゃくちゃ立派な枝垂れ桜の木があるんですがこの時期は流石に全部葉っぱです。

 

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 皇室の方々はひとりずつ「お印」と言われる名前の代わりの紋章みたいなものを持っているのですが、丁度愛子さまのお印になっているゴヨウツツジの花が綺麗に咲いていました。白いツツジです。
 普段ツツジって街路樹ぐらいでしか見かけないですがこんな木に成長するんですね。かなり大きい。

 

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 明るい木漏れ日の中に、暗い時代を思い出させる防空壕。お庭の中に何箇所かあります。昭和天皇は最後まで東京にいらっしゃいましたが、当時の皇太子である現在の上皇様はここへ疎開されていたらしい。

 

 ふらっと立ち寄っただけでしたが想像以上に楽しめました。整えられた煌びやかさというか、格調高いけれど確かに家なのだ、という感触のある建築でした。良いですよね。

 

 

 さてお昼ご飯に駅方向へ戻るかーとバスを待っていたら、時間になるはずなのに来ない。来ないというか、

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 ……渋滞やばい。えっいつの間にこんなに人が?びったびたに混んでるよ?動かないよ?なんで今朝までこうじゃなかったじゃん?さすがGWだ。新コロどこいった。

 

 うん、歩いたほうが速く着くな。

 

 ということでバスに乗る気満々だったのですが諦めて急遽歩くことに。前日までは全然GWを感じていなかったのですがここへ来てGW観光地の洗礼を浴びることになろうとは。最終日だぞ。
 ちょっと駅まで距離があるのでどこからか空くと良いなーという願いを込めつつ、渋滞の具合を見ながら駅へ向かいます。
 結果的に、神橋近辺までは混んでましたがそこを抜ければまあまあ流れていたので東照宮へくるお客さんで混んでたんでしょうね。神橋までは酷かった。タイミングよくバスも来たので乗車。

 

 

>>> 最後の昼食

 この日のお昼ご飯は駅前で最後の日光湯波。

 やはりどこのレストランも人が多く、どうしようかと思いながらうろうろしていたところ突如ざっと雨に降られたのでええいと転がり込んだ駅前の「らんぶる」さんで丼。

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 どんっ。

 そういや一般的には「湯葉」なのに日光のお店はみんな「湯波」なのでなんでだろうなーと思ってググってみたところ、日光の湯波は湯葉とは製法が異なるとか。二重になるように掬い上げられていて、歯応えがあるのが特徴らしいです。

 午前中歩き回って疲れた体にしっかりとした味の湯波丼、卵ふわふわで実に美味しかったです。ごちそうさまでした。

 

 

>>> 日光旅、締めのカフェ

 電車の時間が迫る中、最後にもう一件行きたいと思っていたカフェへ。

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 駅のすぐお隣にある「明治の館」のカフェ。ここチーズケーキが美味しいとのことでしたので食後のデザートとして食べに来ました。1階はテイクアウト兼注文お会計、2階がカフェの席です。
 たまたま丁度満席ぐらいで、窓際の席を案内されたのでそちらで一息。吹き抜けで開放感あって良いですねー。これぞおしゃれカフェという感じです。

 

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 チーズケーキ紅茶セット。
 久しぶりにチーズケーキ食べた気がします。うん、美味しい!口当たりの良いチーズケーキでした。甘いものは正義ですねえ。

 

 

 そして、これにて帰宅時間となりました。

 夜ご飯用の駅弁を買い、改札へ。

 

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 帰り道の天気もよく、行きでは大雨で見られなかった車窓の風景を楽しみながら帰ることができました。さようなら日光。

 

 

 いやあ良かったですね日光来れて。またくる時は夏に来ような。

 

 

 日光旅記録、長らくかかりましたがこれにて終了です。お疲れ様でした。

ぐるぐるゆったり日光詣:3日目その2は中禅寺湖湖畔うろうろ

 間が空いてしまって申し訳ないです。いい加減完結させるんじゃ。

 

 さて前回の戦場ヶ原散策はこちら↓。今回は3日目後半戦。

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 歩いて疲れたし、一方で気温は結構低くてじっとしてると寒くなってくるし……

 そうだ、温泉に入ろう!

 思い立って調べたらなんと中禅寺湖金谷ホテル日帰り温泉をやっていることを発見。これは入るしかない。ご飯とどっちが先でもいい。

 

 と。
 まあ思いつきに対して前のめりになりすぎるのが私の悪い癖でして。

 

 いざ金谷ホテルでバスを降りたところで「そういえば」と正気に戻り、確認したらなんとまだ日帰り温泉が開いていない時間です。えーバス降りてまったやーん。
 仕方がないので先にお昼ご飯にします。金谷ホテルがやっているカフェらしきご飯屋さんがあったのでそちらに入ることに。

 

>>> お昼ご飯とボートハウス

 日光のリゾートといえば金谷ホテル東照宮の麓が一番有名どころでしょうが中禅寺湖にもあります。

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 金谷ホテルのご飯が食べられるということか?
 で嬉々として入ってみると何とちょうど店内満席。テラス席しかないとのことでしたが外で食べるのは躊躇われる。気温以上に風が辛い。
 躊躇っているとお姉さんが「テイクアウトにして向かいのボートハウスで召し上がっては?」と提案を受けましたのでその通りに。

 

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 カツサンドと紅茶のセットー。ホテルのサンドイッチなので飲み物と合わせるとちょっといい値段しましたねー。買ってみて分かったのですが、正ーーーー直テイクアクトでこの値段はやや損した気分になりますね……。
 それともこのコーヒーハウス自体はそんなに素敵!となるような内装ではないので、やっぱりこのお値段はいいものを使ったための値段ということなのでしょうか。
 普段のご飯のお値段くらいなら気にならないんですけどね。いい歳してあまり良いお食事に行ったことがないので適正かどうかがよくわからん。
 もう少し食の経験を積むべきか……。

 

 とはいえお昼ご飯をゲットしたので早速ボートハウスへ。ボートハウスとして現役で利用されているものではなくて、かつて中禅寺湖が外国人の別荘地だったときにあったものの再建です。資料館的な建物。

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 湖側から見るとこう。こうしてみると優雅な感じありますね。寒くてそれどころじゃなかったですけど。建物の中へ撤退。まあ建物の中も窓全開なので外気温と同じですけど、風を避けられるのでマシ。

 

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 建物は二階建てで、二階が道路沿い、一階が湖の高さ、浜辺です。ここにボートをしまっておいて、直接湖に出るんですね。ボートハウスって初めて入ったかもしれません。こうなってるんですねえ。

 一通り見てまわってから一階のベンチでお昼ご飯にしました。あったかい紅茶が体に染みるぜ……1日目の日光観光からずっと言ってる気がする……ストールを持ってくるべきだったなー反省します。首元に一枚あると全然違いますからね。旅にはストール。
 それでもちょいちょい薄着の方を見かけました。あと子供。子供、平気そうな顔で走り回ってる。寒さ耐性すごいな。

 

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 カツサンドは大変に美味しかったです。肉がちゃんとしっかり美味しい肉でした。がっついてしまった。あと挟んであるわけではなく添え物としてプチトマトついてました。かわいい。

 

 ぼーっとしていたらいい時間になったのでホテルの温泉へ。「空風呂」という名前がつけられており、たしかに空がよく見える露天風呂がありました。ガイドブックによれば、夜晴れれば星空が綺麗とか。日帰りは夕方までなので、星空は宿泊者の特権です。泊まれる御身分になりたいな……

 温泉のお湯は湯の花が浮く湯ではなく、全体的に白ーく濁ったお湯でした。宿でもちょっと思ったのですが、ひょっとして中禅寺温泉のお湯って青緑ががかっている……?それとも気のせい?綺麗な色をしているように見えました。

 

 ともあれたっぷりとお湯を堪能し、午前に使った足をほぐすことができました。温泉開くの待ってよかったです。ナイス選択。

 

 

>>> 二荒山神社

 疲れをとり体を温めたら移動。二荒山神社です。日光のそれと同じ神社。

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 二荒山、つまり男体山を祀る神社です。男体山の山頂には奥宮があり、さらにこの神社の境内としていろは坂華厳の滝を含むときくと、徹底してるというか「ほんとにここらの山がまるまる本体なんだな」としみじみします。

 

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 ハイカーには有名ですが、この神社が男体山登山の入り口にもなっています。基本的にこの神社から登って降りてくる日帰りピストンコースですが、コースタイムで6時間とかなのでそれなりに登山経験のある人が装備を持って登山を目的に朝イチでこないと無理です。ふらっと観光では登れません。

 アクセスの良さのせいなのか難易度がちょうどいいのか何度も登られる方いるようで、境内には登山回数の番付看板があり、登った回数のところへ自分の名札をかけられるようになっていました。100回登った猛者たちが居るのか……

 

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 旅の安全をお祈りしてお暇。

 こうやってポンポンと短い時間感覚で途中下車できる程度にバスが走っているの、本当にありがたいですねえ。

 一度中禅寺温泉バス停までもどり、ここからは歩いて移動することにします。目指すは立木観音という神社さん。先ほどとは違い、こっち方面はバスがあんまりなかったので歩いて行きます。

 

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 湖畔を歩いていると各国大使館の別邸なるものが並んでるエリアを通りかかった(中は見えない)のですが、今でも大使の方々が避暑に来られるんですかね。イタリア大使館の別邸は記念公演になっているようではありますが、そこまで歩くのはちょっと遠いな。

 

>>> 日光山中禅寺 立木観音

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 朱塗の門が出迎えてくれました、立木観音です。こちらも日光東照宮とご縁のあるお寺。日光山を開いた(あの)勝道上人が創建したそうです。

 

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 湖畔に建ってはいるのですが後ろがすぐ山で、お堂も急坂沿いに作られています。下から見上げた時「まさかあそこまで上がるのか!?」と思いましたがそのまさかでした。

 堂内は撮影禁止なので写真はありませんが、御本尊の観音像は地面に生えた木からそのまま削り出されたものであるらしく、それゆえに「立木観音」と呼ばれているそうです。わかりやすい。
 岩肌に直接掘られた仏像は割とよく見かける気もしますが、何を思って木から彫ることにしたのでしょうね。削る前から何となく仏像っぽいフォルムだったとか?
 それから何と東照宮薬師堂で見た鳴き龍にそっくりな龍が天井に描かれているお堂がありました。曰く同じ作者だそうです。絵に関して何の知識もない私でも「なるほど道理で!」と思うくらいには同じタッチの龍でした。

 

 二荒山神社東照宮エリアにもある一方で東照宮のものと同じ作者の龍が飾ってあるところを見るに、中禅寺湖東照宮エリアって昔から縁が深くひとまとまりだったんですね。人の足にしてみたら結構離れていると思うのですが、昔の人は健脚だなあ。

 

 

 お暇したら休憩タイム。ココア。

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>>> 中禅寺湖クルージング(5分)

 いよいよ時間が押してきたので名残惜しいですが最後のイベント。芦ノ湖然り、高地の湖畔定番イベントといったらクルージングですが、まだ中禅寺湖では乗っておりませんでした。今回の旅では無理かなーと思っていたのですが、時間が合いそうだったのでちょっとだけ乗ることにしました。

 立木観音の前からでて船の駅までの短いコースです。

 

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 天気わっるいなあ……(笑
 朝の綺麗な湖は何処。いやむしろこっちが普通なのかもしれない。山だし、天気は変わりやすかろう。

 船内、意外と広い。これはリゾートなクルーザーですなあ。遊覧船にしろ電車なんかにしろ、右側に座るか左側に座るかめちゃくちゃ悩んでしまいます。今回は湖側にしましたが、このルートは岸が見えた方が楽しかったかなあ。どうかな。

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 途中、歩いた時に横を通過してきた大使館とか見えました。道路側からだと結構しっかりと塀があって建物は見えなかったので、これはちょっと嬉しかったですね。

 

 

 といったところで、中禅寺湖終了。
 この日の夜は日光市街に宿をとっていたので、帰らねばなりません。最後にお土産を買いつつバス停へ向かい、中禅寺湖とさようならをしました。また来るよ。

 


 バスに乗り、来た時とは違い第一いろは坂を通って日光の街へ。

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 何度見てもすごい坂ですねえ……うゐのおくやまけふこえて。

 

 宿に行く前に夜ご飯。

 JAPANESE RAMEN。旅の終盤ってだいたい食のノルマは達成されている一方でそろそろこういうのが食べたくなってくるんですねえ。

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 というわけで二幸さんの五目ラーメンです。いいですねえこのお玉。うどんやそばが出てきてもおかしくない食器ですがラーメンです。重さのあまりない、素朴な醤油ラーメンでした。具沢山で非常に満足度が高かったです。

 ごちそうさまでした。

 

 さてあとはお宿で寝るだけです。
 今日のお宿はこちら。

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 そう、こういうのだよ一人旅の宿って!!!
 いつもの感じで安心しましたわ!

 こちらのホテル、ドミトリー的な大部屋と個室と両方あるところでした。流石に昨今のコロナの中で大部屋はちょっと怖いので個室を予約。浴場のあるお宿だったのでお風呂に入ってこの日は終了です。お疲れ様でした。

 

 明日は最終日、寂しいですね。

 

ぐるぐるゆったり日光詣:3日目その1は戦場ヶ原ウォーキング

 

 

 奥日光に到着して滝を見た前回はこちら↓

 

yamagishi-tea.hatenablog.com

 

 美味しいご飯と硫黄の香りのする温泉で体力回復した3日目開始です。

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 晴 れ だ ー !!
 前日の曇天とは打って変わって晴れ。あんまりに気持ちがいい天気なのでテンション上がったまま宿を飛び出して朝散歩。水面が穏やかで綺麗です。これは良い景色です。
 

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 遠くの山はまだ雪ですね。GWだものなあ。

 近くに展望台があったので登ったりしつつ、朝ご飯を食べに宿へ帰還。

 

 朝食はビュッフェスタイルでした。この情勢で勇者だなと思いながら会場へ行くと、使い捨てビニール手袋を渡され、「おかずを取るときはこれをはめてください」とのこと。なるほどトングが共用になるので、接触感染対策ということですね。
 またマスクを外していいのは自席のみで、やはりおかずを取って回る時はマスク着用です。宿としてはできることは最大限やっているという雰囲気です。そういえばチェックインの時に厚労省からガイドラインが出てるみたいな話をしていた様な……?

 これで運用できている間はいいですが、人数増えたら不届き者は出そうですし、だからこそ宿泊者数を増やしにくいっていうのはあるのでしょうねぇ。お疲れ様です。

 

 朝食はパンを中心にあれこれといただきました。
 食後のお茶までしっかりいただき、出発です。お世話になりました。

 

 本日の予定は。

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 戦場ヶ原ウォーキングです。

 中禅寺湖からさらにバスで湯元温泉方向へ山を上がっていきます。この辺りあっちこっちにウォーキング/ハイキングコースがあり、運動靴でも歩ける遊歩道から装備がいるルートまで難易度も色々。

 

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(PDF: 日光湯本ビジターセンター)

 自分は今回何の装備もないので遊歩道歩きだなーとおもいつつマップを眺めながらルート選択。
 湯滝〜戦場ヶ原自然研究路〜赤沼をチョイスしました。湯元温泉エリアも気になりましたけどね。滝好きなんですよ……コースタイムは予想大体3時間。

 これだけルートがあるとどこからでも始められてどこでも終われますし、中禅寺湖周辺とを繋いでいるバスも日中なら1時間に一本以上は走っています。
 ただし、日光駅中禅寺湖よりは本数が半分かそれ以下まで減るので、行かれる方はあまり油断なさらぬ様。GWだとまだやや寒いし。秋の紅葉シーズンも寒いだろうし。

 

 朝8時台のバスに乗り、いざ出発。

 

>>> 湯滝

 湯滝入り口で降りて看板に従い、ちょっと歩けば湯滝という滝が出現します。ちなみに駐車場があるので車でもふらっと滝だけ見に来れます。

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 いい味の看板だ……

 なお湯滝、名前はあったかそうだけど別にお湯が流れているわけではありません。世の中にはちゃんとお湯が流れている湯滝もあるのですが、これは名前だけ。

 

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 近っ。

 上のちらっと映り込んだ手すりからわかるかと思いますが、滝までの距離が近いです。近づけるのはいいですね。すぐそこにある!
 落差は約70m。広がりながら岩肌を駆け降りてきます。なかなか綺麗ですよ!華厳の滝の様に垂直に落ちる滝もいいですが、こちらもかなり気に入りました。この滝、満足度高いです。日光いいとこだな……(滝好き)

 

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 滝壺に…釣り人………!?

 この日は5月1日。マス釣りの解禁日だった様で、この釣り人に限らずウォーキング中もしょっちゅう釣り人を見かけました。この滝から続く湯川はどうやら明治期から釣りの名所であるらしいです。釣れるんかなー。

 

>>> 湯滝〜戦場ヶ原自然研究路合流

 滝を堪能したらウォーキング開始。

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 ウォーキングコースにはずっとこんな感じで木道が敷かれていて、原則この上を歩いていきます。本当は熊鈴ぐらい必要でしたねこの環境……鼻歌歌いながらいきましょう。

 正直奥日光のこの季節、春がやっとこさきたところなので花の季節にはまだ早く、これ!といった見所は無いです。いや知識のある人ときたら季節の変わり目って絶対楽しいのですが。
 今思えばネイチャーガイドとかあったかもしれませんねぇ。中禅寺湖のバス停の近くに自然博物館があったんですよ。博物館主催でなんかやってそうですよね。行き当たりばったりに旅するとこういうのがあったとしても申し込み損ねるので、そこはよく無いところ。

 

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 カモー
 鴨も鱒狙いなのでしょうか?チラチラ水の中を覗きながら歩いていたのですが、自分には見つけられませんでした。そりゃ地上からちょっと見たぐらいで見つかる様では生き残れないか。

 

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 本来は小滝方向へ折れるのですが、現在通行止め区間が生じているので迂回路を行きます。木道からは逸れますが、これだけしっかり道があるので何ら問題なし。

 それにしても歩道街はびっしりと笹に覆われていますねぇ。背は低いのですが。

 

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 正規ルートへ合流。迂回路でも別れ道など迷いポイントは一切ありませんでした。ここから先が戦場ヶ原自然研究路となります。

 

>>> 自然研究路〜赤沼バス停

 戦場ヶ原へ突入。ここまでとは違い本格的に湿地帯になっていきます。木道は地面から上げてある形。地面に降りたらダメですよ。戦場ヶ原の一部はラムサール条約登録地です。

 

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 男体山がよく見えます。明智平から見た時も思ったのですが、奥日光は男体山に抱かれた土地です。山が雄大すぎる。登山が好きな方は登りたい!って思うのでしょうね。実際登山やる人にとっては有名な山です。ちらっと調べたら直登で片道3時間半って書いてありました。自分には無理や。

 

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 きのこ。

 植物(これはきのこだけど)の名前、覚えられる人羨ましいと思っています。何らかの名称を覚えるの非常に苦手で。

 戦場ヶ原全体によく整備されたウォーキングコースだけあって、そこかしこに案内板が建てられています。日光市と博物館員の気合いを感じる。この辺りはミズナラの木が多いとか。クマーーーーー!!! そんなの秋になったら遭遇するじゃん!!!!

 

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 湿地帯らしい景色が続いていきます。華やかさは無いけどこれもよき。川は湿地の低い位置を流れており、湿地を潤すというよりは湿地の水を運び出す機能があるとか。
 それにしても曇ってきてしまいましたね。晴れ間が見えたのは湯滝がギリギリであった。山の天気らしいといえばそう。

 

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 戦場ヶ原が「原」と付けられたのが納得いく景色。

 栃木の男体山の神と群馬の赤城山の神が中禅寺湖を巡ってここで戦争やったらしいですよ。それぞれヘビとムカデを従えて争ったとか。何でそのチョイス。ということはこの戦場ヶ原にはヘビとムカデの亡骸が……なんて。
 季節が早いせいで緑がなく殺風景なのが戦場跡感を増している気がします。

 

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 根っこ。すっかり乾いています。大分古い倒木ですね。深さ方向には伸びないんですねぇ。伸びてないからこそ倒れたというべきか……いやここでちぎれた可能性もありますね。中途半端に残っていた根は遊歩道の邪魔だから切ったとか。

 

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 川辺でこんもりしたのが群れています。この草は谷地坊主(やちぼうず)というそうです。スゲの株。水量が増えても天辺だけは水から出る仕様になっているとか。かしこい。

 

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 バス停の名称にもなっている「赤沼」という名前の由来。鉄分とバクテリアのせいでこんな色になっています。でもなぜここだけ?

 

 赤沼を越えたら終盤です。

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 鳥。何て鳥?
 すごくよく鳴いていたのですが例によって分からないんですよね……。
 すぐそこの藪の中からもウグイスが鳴く声が聞こえていました。ここでバードウォッチングする人もいるんでしょうね。それっぽい双眼鏡持っている人を見かけました。

 戦場ヶ原、有名どころだけあって頻繁に人とすれ違ったり並走?したりするのですが、ごっついカメラを持っている人が結構な割合でいました。カメラやる人にとっては花の時期だけじゃないんだなぁ。その知識が羨ましい。

 

 といったところで赤沼バス停着。

 赤沼バス停はお茶屋さんやトイレ、情報センターなどがありちょっとした拠点です。お茶屋さんでお餅を買って食べつつ、休憩しつつ、バス待ち。

 

 春の気配が漂い始めるGWも原っぱの広さが感じられて思った以上によかったです。もっと飽き飽きしてしまうかと。歩いていて汗かかないし快適。ただ花のガイドなどを見てしまうと「これも見たい!」ってなりますね。次来る時は7月ぐらいにしたい。

 

 

 バスに乗り込みつつ、お昼ご飯どうしようかなーなんて考えながら中禅寺湖へ戻るのでした。

 その2へ続く!